2023年11月 読書感想まとめ
10月はまとめ損なってしまい…できないので
11月分のまとめを今ごろしてみました。
そして、数日後には12月のまとめをしてみたいと思います。たぶん。
忙しいと言えば忙しかった11月。
橘玲さんに興味が湧いた10月末から引き続きいろいろ読みあさったという感じです。個人的には、サラリーマンは税金を結構取られているんだ…という感覚を持てるようになったことはよかった。
「遺伝子」では、遺伝子の歴史から遺伝子の関わりがわかっているけれど、社会ではタブーとされていること等を知れて面白かった。
学生時代に読んだ宮本輝さんの「流転の海」にこんなに続きがあったと知らなかったこと。
いろいろんな本を読んでますが、読んでも読んでも、まだまだ知らないことってあるんだな…と当たり前に感じています。本って面白いです。
読書メーターさんありがとうございます。
亜玖夢博士のマインドサイエンス入門の感想
金融でない橘さんの小説面白い。亜玖夢博士シリーズは若い人にも読める内容で個人的に嬉しい。その展開の破天荒さにクスッと笑えて、それでいて根拠がしっかりとしたあり得ないようなストーリー。上手く言えないが、あまりない感じの内容で面白かった。
読了日:11月03日 著者:橘 玲
永遠の旅行者〈上〉 (幻冬舎文庫)の感想
タイトルからは想像できなかった。一所に留まらないことで税を免れることができるとは、お金持ちはそのような方法を取っている人もいるんだろうな、と思いながら読み進めた。私が全く知らない知識が入ってくることで、すごく新鮮な驚きがある。このストーリーでなぜ、そこまで税金を支払いたくないのかが謎であり、そこに何かありそうで楽しみ。
読了日:11月03日 著者:橘 玲
永遠の旅行者〈下〉 (幻冬舎文庫)の感想
金融知識も入りながらも小説性の方が強い橘さんの作品だと感じた。税を支払いたくないという人の思いや、思いが向かう方向はそれぞれだと感じた。
読了日:11月03日 著者:橘 玲
ゼロからつくるビジネスモデルの感想
様々なビジネスモデルをつくってきた事例の紹介や説明があり、わかりやすい。エジソンが電球を発明したように記憶していたが、そうではなく、イノベーションを起こしビジネスモデルを作ったというのが正確で、なるほどと納得できた。当たり前のことだが、門外漢の私にとって、いろんなもの自体を作ることと、ビジネスモデルを作ることの違いをハッキリと理解できた。
読了日:11月03日 著者:井上 達彦
エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」の感想
エフェクチュエーション入門書として、わかりやすかった。コーぜージョンという目的からの考え方が中心だった企業で、エフェクチュエーションの思考で行った実践が示されていて、可能性の広がりに驚かされた。制限の少ない起業家たちの思考というのも納得できるが、こう言ったエフェクチュエーションの思考を大きな組織でも採用できると、いつになっても先細らず可能性が広がると感じた。
読了日:11月04日 著者:吉田 満梨,中村 龍太
上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え (喜多川 泰シリーズ)の感想
大学生の息子が2人いるが、この本を贈りたいと思えた。常識や世間の目を気にしたり、失敗を恐れたりする子どもたちになっていることにもどかしさを感じることがある。自分もそうだったとも思うが、今の若者の方が、一攫千金を狙っているけれど要領よく生きようとしているようにも感じられる。若いうちにせいぜい知識を貯めて頭を使って欲しいと感じた。
読了日:11月04日 著者:喜多川 泰
得する生活―お金持ちになる人の考え方の感想
内容に関しては時代を感じるものもあるが、いつの時代でも調べて情報を得て、得するためにいろいろ考えないとダメだと思った。得するという言葉からは、ラクにという意味合いが感じられていたが、勝手にということではなく、簡単に知り尽くして、頭を使って得をしてるのだとつくづく感じた。
読了日:11月05日 著者:橘 玲
ハーバード・ビジネス・レビュー リーダーシップ論文ベスト10 リーダーシップの教科書 (Harvard Business Review Press)の感想
内容の大小はあるが、私のリーダーシップ観につながる内容で嬉しかった。リーダーシップの形にもいろいろあるが、他人になりすましても無意味で、誰かを真似ている時でなく、信用はありのままの自分を表現している時に得られると。そしてEQはマネージャーが必ず備えているべきものだと言われると、昭和の時代から平成の時代を経て、リーダーシップが大きく変化してきた。リーダーシップを発揮できる立場のどれだけの人がこのことを大切に思っているだろうか、と思った。
読了日:11月05日 著者:
幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変えるの感想
読み終わって感じたことは、時代の流れとともに今までの当たり前がそうでなくなったということかな、と。あとは、日本(ソニー)がやってきた経営は遅れてなんかなかったということ。日本独自の経営の探求し世界をリードできないのかというメッセージ性を強く感じた。そう考えると、幸福学が絡みアメリカの合理主義的経営の見直しは、日本人が大切にしてきた周りの人のことを大切にする気持ちと通じるところがあると感じた。
読了日:11月05日 著者:前野隆司,小森谷浩志,天外伺朗
マインド・コントロール 増補改訂版 (文春新書)の感想
マインド・コントロールを知ったのは、オウムの事件だったが、本当に怖いと感じた。幸せや基本的人権の尊重を軸にしてもなかなか判断が難しくも感じた。結局、マインドコントロールされることは騙されていることと同義であると線を引くとわかりやすく感じた。依存性の高い人は自分を強力に支配してくれる人を求めようとし、その裏には愛着不安があると。とても奥深く読めた。
読了日:11月08日 著者:岡田 尊司
HRDXの教科書 デジタル時代の人事戦略の感想
最後の事例が一番印象的で私にはわかりやすかった。社内のDXができていない企業があるとしたら、個人の生活と会社の生活にギャップがある。これには納得できた。プライベートではSNSやデジタルツールを駆使して便利だが、職場はそこまでではないと言うこと。また、海外の企業へ転職すると日本とは全く違うくらいDXが進んでいると言う。日本自体が全体的に遅れていると言うこと。スピード感が全く違うと言うことは、競争力にも反映されるのだろうと感じた。
読了日:11月08日 著者:EYJapan ピープル・アドバイザリー・サービス
HUMAN+MACHINE 人間+マシン: AI時代の8つの融合スキルの感想
機械学習プラットフォームを訓練の中で、データ衛生士の役割が非常に重要になってきている。「バイアス・イン・バイアス・アウト」(偏見を入れたら偏見しか出てこない)と言うことを考えると人の教育と全く同じだと思った。最先端の企業では、児童発達心理学の分野における専門知識を利用してトレーニングプロセスの改善を進めていることにも驚いた。本当の問題は人間がマシンに仕事を奪われるというような単純なものではなく、人とマシンのコラボレーションという新しい時代にますます重要になっていると。楽しみに思えた。
読了日:11月11日 著者:ポール・R・ドーアティ,H・ジェームズ・ウィルソン
人権尊重の経営 SDGs時代の新たなリスクへの対応の感想
ピーター・ドラッカーの「測定できるものは管理できる」測定できないものは管理ができず、改善もできない、には非常に納得できた。優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの、業務上明らかに必要性のない言動、これは、職場で使えそう。ドイツの D D法では、企業の取り組みが十分に進まなかったことから、法律の制定に向かった経緯は、らしいと言う感覚。
読了日:11月11日 著者:櫻井洋介
店長がバカすぎての感想
いつも前振りからの期待を、期待通りに肩透かししてくれて素直に面白く読めた。脇が固められ、これ以上選択肢がないと言う状況でも、さらにその上をいく感じがあり、それは最後まで裏切られなかった。読みはじめ、書店の話自体への関心がなかったがいつの間にかハマっていく感じがあった。
読了日:11月11日 著者:早見和真
自律神経の科学 「身体が整う」とはどういうことか (ブルーバックス)の感想
自律神経について、専門的な立場から専門的な内容で記しているが、とても分かり易い。全部どれも大切な話という感じだった。ここ100年で自律神経の症状で苦しむ人が増えている。化学便利な社会になった裏では、物質や薬が身の回りにたくさんあり、微妙な気持ちになった。
読了日:11月11日 著者:鈴木 郁子
80's エイティーズ ある80年代の物語の感想
橘玲さんの本を何冊か読んでいるが、なるほどあれらの知識を得られた訳がよく分かった。若い頃から社会に対して課題意識をもって見つめ、前線で仕事をされていたのだと解釈した。知識だけでなく、実際の取材や置かれている触媒環境も手伝っているんだな、と思った。著書に説得力がある訳だ。
読了日:11月11日 著者:橘 玲
知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語 (幻冬舎文庫)の感想
橘玲さんの書籍の中では、日常生活の中に起こり得る内容で比較的分かりやすかった。また、この本を読んでモヤモヤしていた政府の政策への疑問もわかった。
読了日:11月12日 著者:橘 玲
ダブルマリッジ The Double Marriageの感想
フィリピンの女性との重婚が、実際存在してしまうことがよくわかった。その辺りの詳しさとストーリーの結末が途中で終わってしまった感がアンバランスで、興味が湧いた分、消化不良感も残ってしまった。以前、橘玲さんの本あった内容に、方法として書籍に示すよりも、小説にして記す方がどんな内容も書きやすい…ような旨の内容があったことを思い出した。
読了日:11月13日 著者:橘 玲
働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれるの感想
橘玲さんの他の書籍と重複する部分もあったが、何度も知っても不合理だと感じる部分は同じである。同一労働、同一賃金と言われるが、公務員に関しては採用されていない不合理さを感じる。これからの子どもたちを教育する先生たちの待遇を保障できずに、教育が良くなるとは思えないと感じた。
読了日:11月13日 著者:橘 玲
会社員が消える 働き方の未来図 (文春新書)の感想
人事を科学化するHRテックは、これまで人間が勘や直感 で行ってきた人事管理を客観的なデータにより行うための技術で、確かに直感レベルの評価基準がブレることなく設定されていれば本当に欲しい人材を採用できる。経営においてダイバシティの効用が言われるのは異なった価値観を知ることが新たな価値を生み出す上で有用である。全てにおいて、今までの価値観をそのまま持っていると今後の変化に適応できない。序列が変わると言うことは大きなことだと思った。
読了日:11月16日 著者:大内 伸哉
裏道を行け ディストピア世界をHACKする (講談社現代新書)の感想
知識社会ハックすることで、このゲームをクリアできると感じた。依存症の理由を理解すると言うことは、それを狙う商売があり、と言う構図が見えた。結局、お金を持った人がミニマリストに近くなると言う皮肉な現実。面白いし、思い当たるところもある気がした。斜めから社会を見ているような感じが面白かった。
読了日:11月16日 著者:橘 玲
臆病者のための株入門 (文春新書)の感想
感想を書くときに再読と気づく。そんなもんなんだな…と自分の記憶について思う。今回は、期待値の計算という言葉が引っかかった。感覚で理解していて数字を意識していなかったので、期待値のような見えているものを理解しようと思った。チャートの解説は後出しジャンケンだということに納得できた。
読了日:11月16日 著者:橘 玲
バカと無知 (新潮新書)の感想
わーこれも読んでた…。電子書籍はこういうことがある。今回印象的だったところは、オキシトシンは愛情のホルモンだが、大切だと思った内集団を守るため、愛と絆が増したことで、結果的に外集団に対して排他的になるということ。あとは、人は相手が優位になることを好まない。相手が優位になるくらいなら、代償を払っても相手に与えない。相対的損得、相対的合理性とのこと。同じ本を読んでも、読む時期によって、感じるところが全く違う。これも面白い。
読了日:11月16日 著者:橘 玲
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)の感想
人と人とが弱い絆で繋がる貨幣空間にも、紹介という人脈拡張機能が備わっている。困ったときに本当に役立つのは、弱い絆の紹介。これは、面白い。それぞれに根拠を持っての解説あり、裏の解説もあり、すべて興味深く読めた。
読了日:11月16日 著者:橘 玲
教員不足の深層―週刊東洋経済eビジネス新書No.431の感想
現在の学校の状況がよくわかった。嘘みたいだが教員が足りず、担任の先生がいないと。特別支援学級のクラスが増えすぎて教員が足りないと。非常勤講師の働き方がブラックすぎ、とても辛く感じた。なんとかならないものか。
読了日:11月16日 著者:
自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点からの感想
講演録だった。平等ってなんだろうかと考えた。色々読んでいると、資産や資金という言葉からの金額の規模は大きく、ピンとこなかった。これから気候変動があるかもわからないし、どんな変化が起こるかわからないと考えると、頭が固くてはダメだと思った。また、富の再配分という考え方、こういったことは、どこかで誰かが考えてくれるものだと思っていたところがあると気づいた。
読了日:11月16日 著者:トマ・ピケティ
超新星紀元の感想
中国は「三体」のようなこういう壮大なストーリーが好まれるのだろうか、と思った。子どもたちの思考も興味深かったけれど、どっち付かずというか、最終的は子どもたちの話と思えてしまった。この壮大さは中国ならではなのかと感じた。
読了日:11月18日 著者:劉 慈欣
事例で学ぶフォルダ管理の教科書 パソコンのデータ整理を物語形式で完全解説!業務効率化の基礎知識: 元外資系マネージャーの解説ではじめてでもよく分かる!フォルダ構成 管理ルール 導入プロセスの感想
フォルダ管理が苦手とは思っていないが、どこかスッキリできないところがあったので読んだ。結局、今はルールがないんだということがよくわかった。そして、どこの組織でもはじめに反対する人たちが存在するとわかり、ウチだけではnないことに勇気が湧いた。笑 効率よく働きたいと思う。
読了日:11月18日 著者:寺澤伸洋
遺伝子―親密なる人類史―(下) (ハヤカワ文庫NF)の感想
上巻はメンデルからはじまり、下巻ではヒトゲノムまで深まっていく遺伝子の歴史を知れた。遺伝子レベルで考えると、人種の知能との関係も興味深かった。ゲイの話であったようにXYどちらの染色体にある遺伝子に影響を受けているのか、ということ。結局、関連する遺伝子というところでまだ決定因子とはされていないとのこと。遺伝子の人間社会での重要性を教えられた。
読了日:11月18日 著者:シッダールタ・ムカジー
未来の感想
あとがきをはじめて書いたとのことで、この作品への思いや、もしかしたら他の作品も同じような思いをもって、世に出してくれていたのかも…といろいろ考えた。登場人物たちの境遇は決して珍しいものではないと。そう考えると、非常重い内容だ。
読了日:11月20日 著者:湊 かなえ
罪の境界の感想
人を殺すことがひとつの境界であるということ。人間でいるためには、どんなつらいことがあっても人を殺めてはいけないということが伝わってきた。それは子どもであっても同じ。人を殺めてしまったら人間ではなくなる、という一つの指標は、私は正しいように感じる。
読了日:11月21日 著者:薬丸 岳
子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)の感想
読んでいると、こんな親に育てられたらいいな…という思いが強くなった。反面教師にしたかったはずなのに、同じような軌跡をたどってしまった自分にダメ出しをしてしまった。子育ては一時期しかないので、答えがわかった今では残念ながら遅い時もある。また、誰かにこの本をすすめたいと思った。
読了日:11月21日 著者:ドロシー・ロー・ノルト,レイチャル・ハリス
変身 (角川文庫)の感想
カフカが導き出したかった答えが何かはわからないが、必ずしも家族が助けてくれるわけではないというところが衝撃的だった。最近の作品では、身も蓋もない展開は少ないようにも感じた。とてもメッセージがストレートでそこが衝撃的だった。
読了日:11月21日 著者:フランツ・カフカ
境遇 (双葉文庫)の感想
ドンデン返しも、どこか想定内のように感じられた。全体的に安心して読めた作品だった。助けてくれる人がいるようなストーリーは珍しいように感じた。
読了日:11月21日 著者:湊 かなえ
リバース (講談社文庫)の感想
あまりパッとしない主人公が自分に対してもっている憤りや捻じれた感情を知り、主人公のトーンで亡くなった友人の死因を紐解いていく感覚を共有していた。これは、最後の最後にドキッとしました。想定外で、これは面白かった。
読了日:11月22日 著者:湊 かなえ
流転の海 第1部 (新潮文庫)の感想
学生の頃に流転の海を読んで、すごく良かったという思いがあったので再読してみるが、まったく覚えおらず新鮮だった。そして、流転の海1冊しか読んでいなかったことに気づいた。当時の私はこの1冊を読んで何を良いと思ったのだろうか。おそらく大河っぽいものを読んだことがなかったので、1冊だけで大河らしさを感じた?のか。宮本輝さんの作品でこんなシリーズものは読んだことがなかったので、恥ずかしい。これから残りを読める楽しみができた。これは嬉しい。
読了日:11月23日 著者:宮本 輝
流転の海 第2部 地の星 (新潮文庫)の感想
熊吾の人間性がよく伝わってきた。時代もあるが、妻が殴られるのは私も辛く思った。ただ、そればかりではなく、決して人を裏切らないところや、直感でハッタリをかますところなども含めて温かみのある大きな人柄に安心させられるところがある。これからどうなっていくのか長編なので楽しみ。
読了日:11月23日 著者:宮本 輝
強運脳 偶然を必然に変える脳の習慣の感想
茂木さん流、運の呼び寄せ方という感じだった。実際にされている行動で、具体的で納得がいった。トレンドをリサーチされていること。自分のオアシス、自分が求めている人たちが集まっている場所へ赴くこと。当たり前だしその通りと思えた。自分の欲に忠実であること、自分のやりたいことを遠慮せずに忠実に向き合うことの大切さ。大人になると物分かりよくなる感覚があるが、確かに茂木さんは、子どもの心を持っているように感じる。これは、自分の欲に忠実だということかも知れないと思った。いい本だと思う。
読了日:11月24日 著者:茂木 健一郎
ヨモツイクサの感想
知念さんのここまでSFチックなのは初めてかも。ちょっと怖かった。誰がベクターなのか、絞られてくるほどドキドキした。そういう話だったのね…という感じで面白かった。
読了日:11月25日 著者:知念 実希人
第4の波: 大前流「21世紀型経済理論」の感想
日本では、大きな家に住みたいと思う欲望があまりなく、将来不安が大きく、日本が世界に誇れる分野はアニメや音楽スポーツなどで、文部科学省縛りがないところであるとのこと。偏差値はある時期の試験の結果にすぎないけれど、それが若者が野心を持つことを妨害して、自分の能力にブレーキをかけている。日本では、老後が不安で死ぬ時に一番資産が多いという状況が多いと。日本企業が首切りをできないことも社会が変わりにくい理由だと思った。
読了日:11月25日 著者:大前 研一
流転の海 第3部 血脈の火 (新潮文庫)の感想
これからどんな事が起こるか分からないが、家族の温かみを感じられる巻だった。熊吾とのぶの微笑ましい親子関係を中心に、熊吾の母や名付けの親、生き別れた親、とにかくいろんな出来事の合間に、親子の在り方を考えさせられた。自分のアイデンティティのようなものは、親や幼少期の経験に大きく左右されるかと思うと、のぶはどんな大人に育っていくのか、楽しみと少しの不安が入り混じるような気持ちになった。
読了日:11月25日 著者:宮本 輝
流転の海 第4部 天の夜曲 (新潮文庫)の感想
あとがきを読んで、20代の頃に1冊しか読んでおらず続編があると気づいていなかった訳がわかった。長い時間をかけて生まれてきたんだと思った。4巻は試練の巻だと思えたが、熊吾なのでなんとかなりそうな安心感があった。この後どのような人生を送っていくのか楽しみに思える。
読了日:11月26日 著者:宮本 輝
今夜、世界からこの恋が消えても (メディアワークス文庫)の感想
相手のことを思う気持ちで心が温かくなった。とても初々しく爽やかなストーリーだった。歳をとった私には少し軽く感じられたが、久しぶりに新鮮な気持ちになった。
読了日:11月27日 著者:一条 岬
流転の海 第5部 花の回廊 (新潮文庫)の感想
この巻は、熊吾やその家族にとって悔しい思いをする時代だと思った。しかし、悔しいがその現実を受け入れて自分の生きる道をしっかりと見つめて堪え生きていく姿がよかった。小さいながら、考えたり、耐えたりしながら育っているのぶのこの先が楽しみのような、でも少し怖いような気がした。戦後の時代を知らない世代だが、私たちが生まれる少し前に、このような時代があったのかと、そのエネルギッシュな人々に感慨深い思いにもなった。
読了日:11月27日 著者:宮本 輝
シン・老人力の感想
老人、高齢者に向けて、今までの固定観念を崩してほしいという思いが詰まった本だった。これは覚えておきたい。以前、私も同じ思い込みに気づき、外す事ができたものも含め、これからさらに高齢者に近づく時に必要だと思える事ばかりだった。タンパク質を摂ることで免疫力を上げることや、セロトニンにも関係があるとは。日本人は節制やガマンが美徳と考える人が多く欲や娯楽を制限してしまう人が多い。心や脳の働き、不安やストレスが多いほど免疫力が低下してしまうと。
読了日:11月28日 著者:和田 秀樹
流転の海 第6部 慈雨の音 (新潮文庫)の感想
私にとって一番の出来事は、海老原が亡くなったことだった。理由はあまり詳しくわからず、しかしあの名刺が関係しているだろうと想像できてしまうところが、重たくのしかかってきた。のぶはそれなりにスクスク育っていて、対照的に熊吾の持病は悪化しており、時の経つことの早さを感じた。これから、終盤なのかはわからないがどこに向かっていくのか、ここまでの長編になってくると同じ時代を生きているような感覚がある。
読了日:11月28日 著者:宮本 輝
ミレニアム 6 上: 死すべき女の感想
前巻あとがきでもあったが、6巻で終わってしまうとの思いが入ってしまい、寂しく思いながら読み進めた。上巻のあとがきにも同様の内容があり、ストーリーよりも、気になってしまった。まだ話の行方は分からないところだが、ブルームクリストの魅力を感じながら、リの能力のすごさには安心感をもった。下巻が楽しみでもあり、まだまだ読みたくない気もした。
読了日:11月30日 著者:ダヴィド ラーゲルクランツ
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