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ひさかたぶりの神田神保町さんぽ

学生の頃、神田神保町へ行き、古書店や大型書店を散策するのが好きでした。

学生時代はお金がなくて、神田の古書店は高く感じたけど、軒先ワゴンから掘り出し物を探したり、店内でも意外な本を見つけたり、和綴本や浮世絵、画集や雑誌のバックナンバーを眺めたり。自分では滅多に読もうとしないジャンルの専門書をみるのも、楽しかったです。

10数年ぶりだったでしょうか。久しぶりに訪れた神保町は、お盆休みのせいかシャッターがしまってるところも多く、三省堂も建て替えで仮店舗営業中。

新しい試みの書店もありました。本棚の棚一つ分をレンタルできるシェア型本屋さんで、個人が本屋さんをオープンできるというシステム。

著名な評論家や作家さんも棚ごとに本をセレクトしてて、思いがけない本との出会いができて、面白いなあと感心しました。個人が薦める本なので、新刊本も古書も同じ棚に並び、中には古書のレア本もあったり、なかなかの見応え。棚を眺め始めたら、いつしか集中し始め、入り口から始まり、棚をめぐってまた入口側に戻るまで、40分くらいは滞在しました。若い学生さんや古書好きのおじさまたちもおり、とても盛況でした。

私はそこで旦敬介さんのコーナーに引きつけられ、ラテンアメリカ文学の入門書や小説を購入。パウロ・コレーリョのみたことない書籍(旦敬介訳『ザーヒル』)と出会い、うれしかったです。

また別の棚で、熊谷晋一郎さんの名前も載っているノーマライゼーションの本(そこでしか買えない)を購入。

合計で、およそ6000円程だったけど、電子マネーかクレジット決済じゃないと駄目だとか。それも新鮮でした。

その後、並びにあった東京堂書店で新刊本を物色。文芸書や文学研究の書籍も充実してて、さすがですねという印象。学術っぽい空気が濃厚。

今注目されている書籍から、植物特集を開催していて、植物にまつわる書籍コーナーがあったり、とても面白かったです。

よく考えてみたら、私は地方に住みだしてから三年経過したけど、大きめの本屋さんがあって利用しても、たいていは読みやすい一般書に品揃えがよっているんだよなあと、あらためて再確認。学術書や専門書コーナー充実していると、とたんにスイッチが入ります。

東京堂書店さんは、東京堂書籍が作っている本屋さんだからだろう。文学の全集本なども新刊で並んでいたり、学術的空気が濃厚で。個人的に興奮しました。奥には、小説などのサイン本コーナーがあったりして、文系人間にとって垂涎の品がたくさん。


東京堂書店さんでも文芸コーナーでほぼ時間を使い、さすがに立ちっぱなしも疲れてきて、一緒に散策していた夫もくたびれ始め、もうホテルに戻ろうって話になりました。今思うと、すべての階の本を見られなかったのが、残念。でも、心はおなかいっぱいな気持ちで大満足。

昔から好きだった画材屋さん(文房堂)の、3階喫茶コーナーで軽くお茶。

神保町は、書店も多いけど、喫茶店もたくさんあって、本を買って休憩できる場所があるのも素敵だなと再確認。

今回の上京&帰省のあいだでは、つねにこの「再確認」が多かった気がします。

ちょっと行かない間に、お店も入れ替わり、再開発が進んで町並みも変化したり、風景がガラッと変わった場所もありました。
おそらく、ずっと関東に住んでいたら気づかなかったんじゃないかな。
そんな変化を、また外から俯瞰して観察している自分がいて、面白い感覚がしました。


そして、この後、学生の頃からのあこがれ・山の上ホテルへ。


(つづく)

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