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朝、起点、白鯨
朝(あさ):夜明けからしばらくの間。
「五月十日 胸いっぱいに清朗な気分がみなぎっている。かぐわしい香をふくむ春の朝の大気を思う存分吸い込むときのようだ。このあたりの風景は、まるでぼくみたいな人間のためにつくられているらしく、ここでこそひとりぽっちで、自分の生活をたのしめる。友よ、ぼくは幸せだ。」
ーゲーテ「若きヴェルターの悩み」
"It smelled of early morning."
ーErnest Hemingway「A farewell to arms」
「8年と2カ月、彼はその不毛な闘いを続けそして死んだ。1938年6月のある晴れた日曜日の朝、右手にヒットラーの肖像画を抱え、左手に傘をさしたままエンパイア・ステート・ビルの屋上から飛び下りたのだ。彼が生きていたことと同様、死んだこともたいした話題にはならなかった。」
ー村上春樹「風の歌を聴け」
"Sunday morning,rain is falling.Steal some cover,share some skin(I like that)."
ーMaroon5「Sunday morning」
「憂鬱な朝と冷めたコーヒーと寒がりな僕。あぁ今は君を見つけられなくても、もうすぐ雨はあがるrainy day's morning.」
ー清水翔太「Rainy day's morning」
朝の表現がたまらなく好きだ。
そこには、いろんな「朝」がある。
天候だけでなく気分次第では、前向きなものもあれば暗いものもある。それらは、物語においても日常においても、表現の仕方によって様々な起点となる。
メルヴィルの「白鯨」では、「世にもあわれな図書館司書」が多くの書物から鯨にかかる表記の抜粋をしていたが、彼(あるいは彼女)の熱意は相当なものだったに違いない。
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