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【エッセイ】鉄仮面の下で流した涙はどこにも行かずに溺死寸前

2021/1/17

 突然なんですけど、僕はもともとの性格からして、どちらかというとネガティヴ人間です。心配性だし、寂しがり屋(今日もぬいぐるみに話しかけてました)だし、自信もあまりありません。

 でも、こう書くと自慢に聞こえるかもしれないけれど、顔は中の上くらいだし背は高いし、頭も悪くなくてそれなりの成績をとれてたし、性格も捻くれてはないんです。いや、本当に自慢じゃなくて。それでも自信がない。ごめんなさい、殴らないで。拳をおろして。

 自信を持つ、ということに関して客観性というのは関係ないんですよね。自信のある人はどんな状況だろうと自信を持ってるし、自信のない人はどんなスペックだろうと自信を持てない。そういうものです。それはまるでシマウマには縞模様があるけど、馬には縞模様がないみたいなものです。生まれつきの性格なんだと思います。

 そんな僕なんですけど、やっぱり自信がないと哀しくなる場面が多い上に、なにより女の子からモテない(これはとても重要なことです)のでポジティブで前向きな言葉ばかりを言うように心がけていました。

 そうすると少し困ったことが起こるんです。周りのみんなが僕をポジティブ人間だと勘違いしちゃうんですね。それで僕が少し弱音や愚痴をこぼすとものすごく意外そうな顔をされるか、やたら心配されてしまう。

 自分で作り上げたキャラクターなので自業自得なんですけど、その仮面がたまに重く感じることがある。まるで鉄で出来ているみたいに重くて息苦しい。

 じゃあそんな仮面なんて脱ぎ捨ててしまえばいいじゃないかという声が聞こえてきそうですが、そうもいかない。服とは違う。服なら簡単に脱いですっぽんぽんの丸裸に喜んでなる(万歳、裸族!)けど、仮面はそうじゃない。なぜならポジティブキャラでいてほしい、というみんなからの期待を感じるから。期待されると応えたくなってしまうし、ガッカリされたくなくて頑張ってしまう。

 そんなこんなで今日は少し疲れてしまった一日でした。SNS疲れってあるけどこんな感じなのかも。自分で蒔いた種なので仕方ないんですけどね。

 だから僕はこれからも笑顔の鉄仮面を被ってその下で隠れて涙を流し続けます。ピエロみたいだ。ジャグリングや玉乗りの練習なんか始めちゃったら重症です。僕なんてもはや玉乗りしながらジャグリングできるレベルでピエロです。

 みなさんはそうならないようにしてください。あるがままの自分を受け入れてあげてください。性格ってそう簡単に変わらないし。勇気がいるかもしれないけど、鉄仮面つけて疲れ果てるよりよっぽどいいと思う。ありのままのあなただって素敵だし、受け入れてくれる人がいるはずだから。

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