「VTuber×マーチャンダイジング」を考える
はじめに
僕はVTuberが大好きです。
にじさんじ、ホロライブ、個人勢、企業勢・・・僕の知る/推すVTuberはほんの氷山の一角ですが、それなりな数のVTuberを追っかけています。
好きなコンテンツを必死に追いかける中で、VTuberに関して考察をされる方が多くいらっしゃるnoteの存在を知り、記事をより読んでみたいという気持ちから、僕はnoteに登録しました。
さてせっかく始めたnote、何か書いてみようという気持ちから、まだ誰も取り上げていない視点且つ僕が好きな「VTuber×マーチャンダイジング(商品開発、以下MD)」についての文章を稚拙ながらも投稿した次第です。
この記事ではVTuber×MDにおける現状の理解と今後をまとめる事を目的としています。
なお、この記事は現在就活生という身分を活かし様々なアニメ会社にインターン生として潜り込んで学んだこと、本で学んだこと、自分で調べ・考えたことで構成されています。ゆえにビジネス的な見方が甘いところもありますが、なにとぞご了承いただければ、と思います・・・
MDについて
MDという言葉はアパレルや百貨店など様々な業界で用いられる言葉ですが、「VTuber×MD」を考えるにあたり本記事ではエンタメ(とくにアニメ)産業におけるMDをベースとしていきたいです。
本項ではアニメ産業におけるMDについて解説します。
現代のようなキャラクタービジネスは『鉄腕アトム』が最初で、アニメ制作に伴う費用(テレビ局が捻出したがそれは少額だった)をMDで補ったことが始まりだといわれています。
また、現代においてもアニメ業界では映像ソフト市場の縮小によって資金回収をBD・DVD販売以外の収益で賄う必要があり、これの資金回収をMDによっても実現する必要がありました。
そのため現代のアニメ業界では、国内においては商品化による収益が多いところを占めており(下図緑色)、各社は様々なMDを展開しています。
↑アニメ産業市場の推移のグラフ。「アニメ産業レポート2020 サマリー版」一般社団法人日本動画協会,2021より。↑
https://www.aniplexplus.com/ (ANIPLEX+)
https://p-bandai.jp/ (プレミアムバンダイ)
https://store.kadokawa.co.jp/shop/default.aspx (カドカワストア)
というのはビジネス的な話で、僕のようなオタクにとってグッズは
・自分の好きなモノ/コトを自分の身の周りで表現できる存在
・コンテンツと自分との絆を示す存在
です。
ファッションは自分の内面の一番外側 と云うように、アニメグッズを身の回りに置く行為は自分の「好き」という気持ちの顕れでもあります。さらに、目に見える形で作品への愛を表現する手段は、アニメグッズのみだといえます。
また、最近では「推しにお金を貢ぐ」という考え方がインターネットで流行っているように、アニメグッズにはただ愛を表現するだけのモノでなくコンテンツにお金を貢げる最短ルートという見方も生まれています。
余談ですが、僕はアニメコンテンツもファッションも両方大好きなオタクなので、よくアニメTシャツなどのアパレル系のグッズを購入しています。
VTuberグッズの販売展開
さて、メチャクチャわかりやすい需要と供給の関係に成り立っているキャラクタービジネスはVTuberにおいても展開されており、日々多くの方がVTuberグッズを購入しています。
VTuberのグッズ販売において主流な方法には、以下が挙げられます:
①BOOTH
②ECサイト(ebten,TSUKUMO等)
③オフィシャルストア
④店舗販売(コトブキヤ,ゲーマーズ等)
まず、BOOTHでは無在庫販売が可能なため、販売計画の過剰や売れ残りを抱えるリスクが少なく、VTuber×MDがまだ発展途上にある(商品開発の基盤が他業界にくらべ万全でない、商品化に割けるコストの懸念)という点を検討すると理に適っているといえます。
ECサイトではエンターブレインのebten、九十九電機のTSUKUMOなどでグッズの販売が行われており、ネット上のオフィシャルストアという形式では、VTuberプロダクション「にじさんじ」が「にじさんじオフィシャルストア」(https://shop.nijisanji.jp/s/niji/?ima=0133)を展開していることが確認できます(ECサイトもオフィシャルストアも同義ですがここでは区別しています)。
そして店舗販売の形式ではホビーメーカー・コトブキヤが「にじさんじコトブキヤショップ」と称し常設コーナーを3店舗(立川・秋葉原・大阪日本橋)に展開していますが、その他ではゲーマーズなどでグッズコーナーが組まれる程度にとどまります。
以上より、VTuberグッズは店頭販売よりもオンライン上での販売に力を入れており、とくにBOOTHにおける無在庫販売が主流にあるということが窺えます。
アニメとVTuber、MDの背景
先述のアニメ産業におけるMDの背景を踏まえ、VTuberにおけるMDを考えます。
まず、VTuberビジネスに関する収益におけるその割合や金額の規模は、公式からの発表が見当たらないため確証があるものとは言い難いです・・・ おあ様のnote記事およびVTuber・樋口楓さんの動画をもとに検討すると、以下の要素がVTuber/プロダクションの収入源であると考えられます。
Ⓐ動画サイトからの収益(スパチャ、広告収入、メンバーシップなど)
Ⓑプロモーション収益(いわゆる「案件」)
Ⓒイベント収益
Ⓓグッズ・ボイス収益
Ⓔその他(CDリリース、VTuber独自の収益源)
動画サイトからの収益、というモノはアニメ産業には無い独自の収益源です。
広告収入はYouTuberの花形、とくにスパチャ(スーパーチャット、投げ銭)はVTuber文化を語る上で欠かせません。また昨今ではトークやゲーム実況の配信が主軸の方が増えているので(おそらくコスパがいいため)、VTuberの収益はやはり配信活動に依るところが多いと考えられます。
その他プロモーションやイベントによる収益、こちらはアニメ産業においても収益を占める要素でありますが、VTuberの普段の配信の人気があってこそのものです。
さて、配信や動画投稿の頻度を上げ・クオリティの向上に努めるといった、配信に関するアプローチのみでもファンは喜んで動画を観るので収益はもちろん上がるのでしょうが、好きなコンテンツのグッズが欲しくなってしまうのがファンのサガです。
グッズはコンテンツとファンとの絆を示すモノゆえ、欲しくなるのは当然です。特にBoothで販売されるボイスやグッズはVTuber本人考案を謳うものもあり、キャラクターの個性が色濃く反映されています。
そんなグッズを見かけるとファンは「欲しい」「ありがてえ・・・」という気持ちになり購入に至るので、たとえ収益に大きく結びつかなくとも、ファンの運営やVTuberに対する忠誠心を強くする上でグッズは有用です。
したがって、現段階のVTuberビジネスにおけるMDは、収益が主たる目的ではなく、ファンの需要に応える副次的なモノという見方が相応しいのではないかと考えます。
アニメとVTuber、「二次元のキャラが動く」というビジュアルの面では似ていますが、その収益構造はだいぶ違うと捉えられます。
最近ではエンタメ企業のように、VTuberプロダクションの会社内にグッズプロデューサーを登用する動きがにじさんじ・ホロライブなどで見受けられます。ゆえにこの副次的な~という私の見方も、VTuberの人気の拡大やビジネスモデルの確立によって変化していくのではないでしょうか。
VTuber×MDの(私的)好事例紹介
さて、以上を踏まえ、今後より一層発展していくであろうVTuber×MDの好事例(独断と偏見強めですが)を紹介していきます。
本項では、
・着眼点が面白いと思ったもの
・キャラ愛がグッズの用途を損なわず伝わるもの
(Ex.ただ版権絵などをプリントしただけでなく、デザインや機能性を損なっていないモノ。自分が欲しいと思ったモノでもあります・・・)
という観点から、VTuberグッズで「良いな」と思ったプロダクトを紹介します。
◆名取さなさんのライブグッズ https://bakutan.natorisana.com/
VTuber・名取さなさんは自称17歳のマブいバーチャルナースです。彼女のグッズは各種ECサイトで絶賛販売中ですが、ここではライブ「さなのばくたん。-ていねいなお誕生日会-」で販売されたライブグッズの紹介をしていきます。
↑「さなのばくたん。-ていねいなお誕生日会-」グッズラインナップ↑
これは僕自身がBALCOLONYのデザイナーさん(clocknote.氏、ひなの氏両名)のプロダクトが好きすぎるから挙げさせていただいたというのもあるのですが、見ていて可愛らしい・イベントのコンセプトやキャラの世界観が伝わってくるグッズの展開だと感じています。
グッズ制作にあたり、VTuberはキャラクターに即したモノを作りやすい(原作が意志を持ち、生きている!)という強みがあると考えているのですが、このライブグッズのラインナップに載っているスタッフと名取のコメントのおかげでグッズへの理解が深まり、手に取ったらより一層大事にしたくなるに違いないなと思いました。
僕はナトーリのさなの可愛さだけでなく、彼女のクリエイティビティやバーチャルの世界でせっせか動き回ってる姿に惹かれます。VTuberと実力のあるデザイナーさんが協働してグッズを作り上げるの、今後は名取に限らず、様々なVTuberの方がこういう企画を起してくれたらメチャクチャいいなあと思う次第です。
◆ピーナッツくん×SPINNS https://www.spinns.jp/feature/2020peanut/
SPINNSはユースカルチャーの活性化を意識したプロモーションプロジェクトと、充実したハイクォリティー古着・雑貨の圧倒的ラインナップで話題の古着ショップ(公式Twitterより)、要約すると10-20代をターゲットにしたプチプラの服や古着などを取扱ってるショップです。僕もボチボチお世話になっております。
そんなSPINNSとVTuber・ピーナッツくんは2019年4月頃よりコラボを展開しており、アパレルやキーホルダーなどの小物を販売しています。
その中でも一番ヤバいのが2020年7月頃リリースの「ルームウェア」です。
↑大人気Vtuber「ピーナッツくん」×SPINNSのコラボレーション第3弾が発売決定!,SPINNS公式サイトより↑
アニメグッズ×アパレル において総柄のアイテムというのはあまり見当たらないのですが、ピーナッツくんとその相棒・チャンチョとロゴの総柄、憎すぎる襟の切り替え、どこをとっても激アツです。
ルームウェアのセットアップの上からパーカーを被ればそのまま外へ出かけられてしまう、キャラクター愛を強く主張できるイカしたアイテムだと思います。
コロナ禍でルームウェアの需要が高まっている、と銘打って展開している点もポイント高いですね・・・
僕はピーナッツくんを知るタイミングがこの企画より遅かったので手に入れられなくて悔しい限りです。第4回が現在(2021年3月)展開中なので何か買いたいです。
◆にじさんじ×pixivFACTORY 「つくってにじさんじ」
https://factory.pixiv.net/announcements/316
VTuberプロダクション「にじさんじ」と、イラストコミュニケーションサイト・pixivの展開するグッズ制作プラットフォーム「pixivFACTORY」のコラボ企画です。
この企画の面白いポイントは、イラストレーターさんが描かれたイラストと、任意で自分のデザインとを合わせて刷って、officialのライツが付いたグッズを作れる点にあると思います。
近年、BtoCビジネス・とくにアニメ業界ではモノ消費からコト消費への転換が叫ばれているそうですが、この企画は自分の手でグッズを作るコトの体験・作ったグッズを身の回りで楽しめるモノの体験、その両方が家に居ながらできるため、それらを満たしながらコロナ禍でこのような企画を提供できるなんて素晴らしいなあと消費者ながら感じました。僕自身つくっていて楽しかったです。
画像:前面胸中央に自分で作ったデザイン・背中に御伽原江良さん。ボディはPrinstar。卒業しても江良ちゃんのことはずっと好きです。
話が逸れますが、にじさんじは所属VTuberを起用してのバラエティ番組風動画・企画の制作を実施したり、VTuberをライトユーザーに知ってもらいやすい「切り抜き動画」の投稿を公式が率先して行っていたりと、自社コンテンツの展開が色眼鏡ナシに見てもVTuberプロダクションの中でも一番面白いと感じています(先述のオフィシャルストアの展開も含め)。
どのプロダクション・VTuberもプロデュース戦略が異なり、それぞれに面白さがあると思います。ですがVTuberはこれから更に大きくなるコンテンツなので共存共栄、互いの良いところを吸収しあって楽しいていねいなインターネットを作っていっていただきたい気持ちです・・・
VTuber×MDの今後
ここまでVTuber×MDの現状について整理しましたが、現状の課題・そして今後よりVTuber×MDを活性化させていくには、という事を考えてみたいと思います。
僕は、以下の2点が望まれるのではと考えます:
・VTuberの世界観構築
・ファンの需要を読む
◆VTuberの世界観構築
グッズ、とくにアニメグッズでは、作品の世界観を壊さない商品が求められるのが一般的です(Ex.魔法少女まどか☆マギカならエロ・グロはNG)。それは何度も繰り返している「コンテンツとファンとの絆」を確からしいものとするためであったり、コンテンツが美しいものであり続けるために必要な条件です。
たとえば「作中に登場する○○を再現」と謳ったグッズが人気になるのは、作品の世界観を守っているから、まるで作品の世界のスーベニア(お土産)のようなモノだからこそウケているのだと考えます。
その他タペストリーなどイラストがベースのグッズでも、キャラクターだけでなく自分が触れてきたシナリオや世界観が頭の中にあり、それらに没入できるからこそ愛を増し、大事にしようという気持ちが生まれるのです。
グッズの価値はコンテンツの世界観に裏付けられている。ともいえるワケですが、これはVTuber×MDにおいても同じことが言えるのではないのでしょうか。世界観の脆弱さはVTuberの課題ではないか、と考えます。
VTuberの黎明期には「バーチャル世界に生きている」といった世界観がVTuber同士で共有され、ファンもそれに魅力を感じていました。
いっぽうで最近のVTuber、とくにプロダクション所属のVTuberは個個のキャラ立てのための設定が乱立し・それぞれのキャラの世界観が曖昧な状況だといえます。
個個のバックボーンが様々がゆえ、「共通の世界観」というものがプロダクション間に存在せず、いま観ているVTuberがどういう世界で生きているのか、という想像がしにくいためグッズへの思い入れ・コンテンツへの忠誠心がアニメなどのコンテンツと比較して少なくなってしまうと考えられます。
また、世界観設定があるとその作品世界に基づいたMDを含めた宣伝・企画をつくること可能となり、コンテンツの二次利用が以前よりしやすくなる可能性も高まります。
(ただしホロライブ3期生・通称ホロライブファンタジーや にじさんじのJK組など グループ単位で世界観が想像がしやすい状況はつくられています。しかしこの世界観やバックボーンに対する解釈の余地の広さは、公式設定に依る解釈がしにくいという不安さがある反面、二次創作の幅が広いというVTuber文化独自の楽しさでもある気がします。)
―この世界観への懸念については、カバー株式会社のVTuberプロダクション「ホロライブ」が展開する『ホロライブ・オルタナティブ』が解決してくれるのでは?と期待しています。
『ホロライブ・オルタナティブ』は、ホロライブに所属するVTuberのメディアミックスプロジェクトです。
ホロライブにはチア部の女子高生からネクロマンサー、子どものドラゴンまで様々なVTuberが所属しています。
そんな彼女たちの世界観を、配信の存在しない「異世界」で共有のものとする・・・ VTuber業界において前代未聞のこのプロジェクトは、世界観を確立させることで「箱推し」文化の根強いホロライブファンの忠誠心を強固なものとするだけでなく、VTuberとその個性との在り方やMDの提案という面でも大きな変化を生み出す気がしています。
あと普通にメチャクチャ面白い作品になると思います。楽しみです
また、さきほどの世界観への懸念について、現実世界に即している/すでに活動している「バーチャルライバー」「バ美肉」的VTuberが増えてきている現状があります。
彼女らに世界観を求めるという行為は少しズレている感じもあるため、
アイドルを推し・そのグッズを集める感覚のように、VTuberのファンは世界観より個個の奥深さを求めるように変化しつつあるのかもしれません。
アニメのように作品としてVTuberを観るのか・アイドルのように一人の存在を推すようにVTuberを観るのか。見方によって「世界観」の価値は異なり、グッズに対する思い入れもまたそれぞれ異なってきますが、もし前者的な見方をするのであれば、VTuberの世界観構築という行為はMDに大きく作用するのではないでしょうか。
◆ファンの需要を読み取る
VTuberのファン層を想像すると、配信者や生主の文化が好きだった層・二次元のオタクだったけど供給過多気味のアニメ作品に追いつく体力が無くなってVTuberを観始める層・そもそもVTuberというコンテンツに魅入った層、インターネットに足を踏み入れたばかりの中高生・・・アニメファンよりもこみいった・ライトからヘビーまで様々なファンが混在すると考えられます。
ファンによってグッズの捉え方やコンテンツへののめり込み具合はそれぞれです。
アニメグッズに範をとり、ライト層でも手に取りやすいストラップからヘビーユーザーに向けたフィギュアやマウスパッドを作るなど―。
教訓めいてしまいますが、万人受けでなくとも多くの方が欲しい!/買ってくれるだろう と思うグッズを作る事が望ましいと考えます。
VTuber×MDについて諸提案
さて、メチャクチャ僭越ながら、VTuber×MDに関して個人的に考えた提案をさせていただきます。
個人的な欲望がデカいともとれる文章ですが、現状への提案を含めたものを下に載せる次第です。
◆ファンの意見を取り入れてみる
意外と安直ですが・・・
「無限回収」「痛バッグ」のように、MDを創り出す側が想定していないグッズの使われ方がファンの間で生まれる事もあります。
これと同様に、MDを創り出す側が思いつかないようなグッズの提案をファンが生み出すこともありえるので、ファンの意見やアイデアを取り入れることも効果的では?と考えます。
ファンの「こういうグッズ欲しい」という発言が実際にグッズになるのはメチャクチャ胸熱ですし、ファンもまたVTuberのハッシュタグ
(#ヌォンタート #みとあーと のようなVTuber固有のもの) を活用し、ファンがクリエイティブをハッシュタグに載せることでVTuber本人の目に入る・つまり「認知」してもらえて、VTuber本人や運営が気に入った場合 グッズ化に働きかけられるのではないでしょうか。
(ハッシュタグからofficialが認知しやすい、というのはアニメなどのコンテンツと比較したときのVTuber文化の強みだと思います。メチャクチャfresh。)
こういった認知であったり、インターネットに住む人のクリエイティビティが大きなところを占めるVTuber文化においては、ファンの一創作からグッズを展開するというのも実現しやすく・コストのかからない手段ではと考えます。
◆グッズの店舗販売の積極化
顕著な「VTuberグッズ、手に入りにくすぎ問題」の解決を望んでいます。
VTuberを観て・グッズが欲しくなるほどハマる人間はインターネットで買い物ができる程度のネットリテラシーがあるとは思いますが、やはり店頭で直接グッズを手に取って買う喜びはネットショッピングをはるかに上回ります。
先述のコトブキヤやゲーマーズではグッズが店頭で展開されていますが、より一層店舗販売に力を入れても、VTuberというコンテンツのファン数を考慮した上でも損失にならないと考えます。
また、ライト層がグッズを販売している店舗に足を運ぶことでさらなる消費行動の促進や他のコンテンツを知るキッカケにつながったり、アニメイトに初めて行った中高生がワクワクしながら買ったグッズがVTuber、という経験が発生したり・・・というのが店舗販売で実現されることで若年層のVTuber・コンテンツへの思い入れが増すと思います。
まとめ
本記事ではMDの役割の解説から始まり、VTuber×MDの現状と事例紹介を通して、今後考えられる課題の提示やVTuber×MDに関する諸提案をしました。
アニメとVTuberは似ていますがファンの推し方やスタンスはどちらかというとアニメとは異なるところが多い、書きながらそう感じました。また、グッズへのアプローチや買わせる手法の考察が 買い手の精神に依存してしまった節があるなと気づかされました・・・ 頭を使うのが上手くなりたいです。
もしこのnoteを読まれた方がVTuber×MDの現状を理解できたり、これから大きくなっていくであろうVTuber×MDという販促手法にこの記事が何らかの形で寄与できたりしたら非常に嬉しい気持ちです。
また、ご意見ご異議・ご感想などありましたらコメントなどいただけると幸いです。VTuberおよびエンタメビジネスについては今後とも勉強していきたい次第です。
初noteということで拙いところも多かったかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考文献
(注:いずれもインターネットサイトは2021年3月12日閲覧)
・寺尾幸紘『オタクの心をつかめ 最強の購買欲をもつ顧客たち』SB新書,2013
・「アニメ産業レポート2020 サマリー版」一般社団法人日本動画協会,2021
・『アニメビジエンス』Vol.12,株式会社ジェンコ,2016
・"樋口楓【雑談】VTuberってどうやってお金稼いでるの?月収は?【新生活】YouTube" https://youtu.be/IwK3Dq8PYAU
・"VTuberの魅力を引き出すグッズデザイナー募集!カバー株式会社",Wantedly https://www.wantedly.com/projects/447617
・"メディアミックスプロジェクトの世界観デザインを担うアートディレクター募集 カバー株式会社",Wantedlyhttps://www.wantedly.com/projects/549162
・ホロライブ・オルタナティブ 公式サイト https://alt.hololive.tv/
・MoguLive
https://www.moguravr.com/c96-vtuber-matome/https://www.moguravr.com/c97-vtuber/
・おあ様のnote記事
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