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クリスマスぐらい楽しみたい。

みなさん、こんにちは。少し投稿の時間があきましたね。すみません。

さて、今回はバルセロナの現場の現実情報の一部をまた紹介していきたい。

バルセロナの指導現場では、指導者の間で一つの言葉が存在する。

それは題名でもあるとおり【悪夢のクリスマス】だ。

違ったフレーズでは、「あの監督はクリスマスシーズンまでもたなかった」などと言われることもある。

ここからは実際の自分の周りに起きた話だ。

それは4シーズン前の話。私が第一監督としてバルセロナの現場に立った最初のシーズンの話だ。

むこうは、大概のカテゴリーが8月の末からプレシーズンが開始して大体9月の末ぐらいからシーズン、要するにリーグ戦が開催される。

つまり、シーズンが始まってクリスマス休暇に入るまで約3ヶ月の期間があることになる。

話は少し変わるが、みなさんどうだろうか。スペインの現場では、それが例え育成年代の指導者であってもシーズン途中のクビは頻繁に行われることというのは一度は耳にしたことはあるだろう。

もっと言えば、プレーヤーでさえもシーズン途中に戦力外通告のようなものをクラブから受け、チームを移籍するような光景も頻繁に見られる。

いわば、本当の意味でシビアな環境、プロの世界に近い環境が育成年代から展開されていることになる。

話を戻そう。

タイトルにもある【悪夢のクリスマス】。

この言葉の背景にある真意を話すと要するに、このクリスマスシーズンがシーズンの初めのピリオド。いわば、クラブ側が監督に対して解雇を言い渡す初めのタイミングになるわけだ。

4シーズン前、私は初めてその現実を目の当たりにするわけだがその光景を初めて見る私からするとそれは衝撃の連続だった。

次々と毎週順番に同じカテゴリーの監督たちがコーディネーターからクビを言い渡されている光景を目の当たりにし、当時自分のチームの成績も良くなかった分に余計に次は自分の番なんじゃないかと妄想を膨らませ、眠れない日々が続いた。

結局私はクビにはされなかったが、周りで合計4人の監督がクビにされた。

このクビにする決断の理由は大きく分けて二つある。

1つ目は、【結果】

一番わかりやすい理由だとは思うが、リーグ戦という文化がある分、各チームが持つシーズンの目標というのも明確で「リーグ優勝」や「昇格」「残留」などのミッションをシーズン前にコーディネーターから言い渡されそのミッションに向けて監督はシーズンを戦うわけなのだ。

つまり、ここの「結果」というのはこの各チームが持つミッションから逆算をしてみた時に今の結果ではきついないう判断が下され、クビへと繋がるわけだ。

2つ目の理由は【チームマネジメント】

要するに、監督と選手間での信頼がしっかりと築かれているかどうかになる。

1つ目の結果以上に怖いのがここのチームマネジメントのテーマで、バルセロナの現場では本当に選手から監督への評価がなされているような関係性が強くあって、ここの関係性・信頼性がガタガタになってしまうと1シーズンを通してみた時にチームの崩壊へと繋がる。

そう言った意味で、コーディネーターは普段の練習内容から、ロッカールームでの雰囲気からをしっかり観察して監督を評価していくわけだ。

また、先ほどからよく出てきているコーディネーターにも大きく分けて2種類があって、①結果重要視型 ②内容重視型 の二つに私は分けられると思っている。

①はわかりやすく本当に結果だけを意識して監督を評価するタイプ。

②はリーグ戦の結果がたとえ出ていなくても、練習の内容やチーム・選手の管理がしっかり行えていれば評価をすると言ったタイプ。

少し話がずれてしまったが、要するに育成年代からでもこのようなシビアな世界で指導者が戦う環境があるということ。

それと、クリスマスくらい楽しませてくれってこと。笑


ただ、この環境が私が日本に帰れない大きな理由でもある。


それではまた。

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【MLTバルセロナ】
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日本人とスペイン人のスタッフで構成されるMLTバルセロナは、バルセロナを拠点に置くスポーツ団体です。日本のサッカー発展に貢献するため、バルセロナと日本を繋ぐツールになるべく活動しています。日本サッカーが発展するためには、①育成年代の改革 ②サッカーを見る・学べる環境作り ③指導者のレベルの底上げ が優先して必要だと思っており私たちのコンセプトでもあります。

現在は、バルセロナで小学生年代に向けたMLT テクニフィケーションスクールを開催したり、夏に日本で指導者向けカンファレンスやサッカーキャンプを開催しております。詳しくは、我々のホームページにて活動内容を掲載しておりますのでどうぞご覧ください。

MLT バルセロナ 創設者 紹介

【高田 純】
2014 年高校を卒業後、バルセロナに渡り2015年には、スペイン指導者ライセンスレベル2(日本のA級相当)取得。近年では、クラブUEコルネジャで小学生年代チームの第一監督を務める。

-指導経歴-
2014-2015 CLUB フピテルU-12 セカンドコーチ
2015-2016 CLUB フピテルU-12 セカンドコーチ
2016-2017 UE コルネジャ U-12 第一監督
2017-2018 UE コルネジャU-11 第一監督,U-12 第二監督兼アナリスト
2018-2019 UE コルネジャU-11 第一監督,U-14第二監督兼スカウティング
2019-2020 UE コルネジャU11 第二監督




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