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この世の美しさ。共感(相手の世界観を感じる)ためのおすすめのトレーニング #55

empathyはどの文脈においても重要なスキル。
コーチングはもちろん、デザイン思考においても、リーダーシップにおいても。

いやもはやほぼどのスキルにおいてempathyはサブスキルとして組み込まれているといっていいだろう。

先日ロジャーズの勉強会でもempathyを高めるトレーニングを入れさせていただいたが、昨日とあるコーチとセッションの練習をしているときに、面白い取り組みをした。

これがempathyを高めるよい練習になった。

トレーニング内容

トレーニング内容はとてもシンプル。

(1)まず通常通り、クライアントとコーチに分かれてセッションをする。

たとえば、今回は
・Aさんがクライアント
・私がコーチ
として実施した。
(時間は、5分で十分。途中で終わって良い。)

(2)その後、コーチが、クライアントになりきってセッションを受ける。

今回でいうと、
・私は、Aさんになりきってクライアント役をする
・Aさんは、コーチ役をする。
コーチングの仕方は、Aさんなりに自由にしてよい。
(こちらも時間は、5分で十分。途中で終わって良い。)

何が起きるのか(効果) コーチからクライアントになった人編

(2)で、私は、Aさんになりきってセッションを受ける。
質問をされるが、これが答えるのがなかなか難しい。

(1)で私が5分間コーチングしたので、話したいテーマの概要くらいはわかる。私が5分間で引き出した話以外はわからない。。。

当然自分が質問したことではない質問がたくさん飛んでくる。

それでもなりきって答えてみる。
違うかも知れないけど、多分こう思ってるんじゃないかなとか思って答えてみる。

共感はよく「あたかも相手と同じような世界観を感じる」とか「なりきる」とかいう。

私もコーチの立場で特にそこを重要視して実践している。

しかし、コーチとしてなりきってみるのと、実際クライアントとしてなりきって受けるのとでは、なりきる度合いが全然違う。

ここにこのトレーニングの良さがある。

実際私の身に起こったこと

実際私Aさんになりきってセッションを受けた(コーチがクライアントになりきってクライアントになる)際、最初は違うかもしれないが、話していくうちに段々こうじゃないかなと掴めてくる。

今回Aさんは、10年間コーチをしてきているが、10年来の夢があった。
それは、教わったスクールでトレーナーとして立つこと。
そして翌日、いよいよそれが叶う。
テーマは、そのクラスがどうやったら最高になるか。

私がAさんになりきって質問にこたえていくうちに、
「クラスが終わるとき、どんな感じで終われると最高なの〜?」って言われたときに、
目頭が熱くなってきた。

10年間、この日のためにやってきたんだと思うと、涙が込み上げてくる。
10年間。10年間もやり続けてきたわけだ。
どれだけの努力を積んできて、
どれだけの苦労があってここまできたか、
想像するだけで涙が溢れ落ちた。

このトレーニングをして、終わった後に思った。
自分がコーチとしてどれだけ相手になりきれていないか。

何が起きるのか(効果) クライアントからコーチになった人編

この効果は、私だけでなくAさん(クライアントからコーチ役)にも効果がある。

自分を客観視して、自分に対してコーチングができるのだ。

セルフコーチングとは違う。
脳内100%コーチとして行える。

にも関わらず、相手は自分になりきってくれているので、脱同一化した状態でセルフコーチングをしているようなものだ。
より自分を客観視しやすい。

良いトレーニングになる前提

ただし、このトレーニングには、ある程度コーチからクライアント役になる人が、クライアントのことを知っておかなければなりきるのは難しい側面がある。

今回でいうと、私がAさんのことをある程度知っておかないとAさんになりきれない。

ただ、相手がどれだけ知っていようがいまいが、それでもやる価値は十分にある。

世の中はなんと美しいのか

それにしても、今回このトレーニングをして思うことがある。

自分がコーチとしてどれだけ相手になりきれていないか。
それはそうなのだが、それ以上に、
私がAさんになりきったときに初めて感じられたあの感覚。
10年やってきた夢がいよいよ叶んだという感覚。

自分がこの数ヶ月でも継続することに心が折れそうな時があるのに、
10年間やり続けてきた。

きっとAさんももう辞めたいと思ったことは何十回もあったはずだ。
それでも続けてきた。

その姿は本当に輝いている。

これは、決してAさんだから、10年間続けた、夢が叶ったということをもって輝いているわけではない。

たしかに叶えばそれはわかりやすい。

しかし、
たとえ開花することがなくとも、
たとえ他者からみてその人生がひどく見えようが、
たとえ歪んでいて人間らしくないようにみえようが、
生きている限りもがいているわけで、
人生そのものは意味に満ちていて、
生きている限りどんなことも成長と生成に向かっているのだから、
すべてが輝いていて、美しい。

そう思うと、私が気付けていないだけで、
この世の中はなんと輝きに満ちていて、美しいのか。

私はコーチとして、月50回以上のセッションを毎月のようにしている。
その1回1回に、どれだけ真剣にできているのだろうか。

もっというと、セッションに限らず、この1日1日がどれだけ輝きがあって美しいものなのかに気付けているのか。

中学校の卒業文集に書いた「一期一会」という言葉が、今数十年の時を経て、深く心に染みてくる。

今日1日というにも感謝します。

2021年2月6日の日記より
2021年2月7日


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