プロフェッショナル・宮崎駿回がすごかった話
(崎は立つ崎(たつさき) 敬称略)
NHKのプロフェッショナル仕事の流儀・宮崎駿回
演出過多ですでに創作物、といった内容でしたが
全編通して良かったと思う部分は、
高畑、宮崎の出会いがあまりにも普通のことだった、という所。
奇跡でも宿命でも運命でもない、ただの偶然の出会いでしかなかった
それは世界中の人が体験する当たり前の「先輩と後輩」として出会い
「この人の真似をすれば仕事がうまくできる」
「この人の言い方を真似れば大人っぽく見える」
「この人の考え方を真似ればこの人の様になれる」
社会に出れば、どんな人間にも起こる当たり前で偶然な出会いである
しかし、
高畑勲は映画狂人であり
宮崎駿は天才だった
宮崎は高畑から人生のすべてを学んだ、アニメの作り方も、演出の仕方も、映画とはなにかも、仕事を貫徹させるすべも、学び方も、考え方も、
彼のすべてをコピーしたいと思った。
最初に出会った男は完璧な映画狂人であり、学んだ男は天才だった
宮崎は人生の最初の出会いで、人生の終わりまで照らし得る永遠の灯火を手に入れたのだ
宮崎がその天の才を羽ばたかすことが出来たのも、高畑という存在を己の中に模倣し土台とすることが出来たからであり、
この「偶然の」出会いがなければ、現在の宮崎は決して生まれなかった。
高畑宮崎の出会いが偶然でしかなかったというのが素晴らしい。
奇跡でも宿命でも運命でもない、ただの偶然。60億回に一回おこった単なる偶然。
極々ありふれた単なる出会いは
いつでも起こり得るし、誰にでも起こり得る。
番組に映画の答え合わせをさせられるのは気が進まないが。
番組後だとどうしても「君たちはどう生きるか」が孤独な老人の映画に見えてしまう。
死者たちとはもう、夢や映画の中でしか出会えないのだ。
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