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(本)使える脳の鍛え方 〜アンダーラインを引きながら本を読んで勉強している方へ〜

昔から ”勉強法”の本が好きで、複数冊読んできました。
特に大学受験の前には和田秀樹さんの本を貪るように読みました。
今振り返ると彼の主張全てが正しかったか(数学は暗記すればよい、理論とか)という点では疑問もありますが、無事に国立大に現役で合格できたのにも一役買ってくれてものと思っています。

我々が高校生のときには、特に意識せず
・教科書を読んでマーカーを引き
・その日のうちに授業の内容を復習して
・テストの前には何回も教科書を読んで
という勉強の方法をとっていました。
なぜ、そのような方法なのか?と当時の自分に問うても答えはなく、「なんとなく」としか答えられないのですが・・・
そんな、当時の自分に読ませてあげたいのが本書です。
科学的な実験に基づき、本当に効果のある勉強法を提示してくれています。著者の2人は心理学部の教授で、アカデミックなバックグラウンドもお墨付きです。
現段階での、科学的知見を踏まえた効率的な勉強法の決定版、とも言える一冊です。アマゾンでの評価が高いのも納得。ちなみに、上の3つは良くない勉強の最たる例として挙げられているという・・泣

一番に抑えておかないといけないのは、
学習はつらいほど深く定着しやすい
ということ。

これだけだと分かりづらいかと思いますが、要は頭に汗をかき、苦労し、嫌な思い(悔しい)をするほど良い、ということです。
この観点から、私が学生の時にやっていたことが間違っていたことが浮き彫りになります。
・教科書を読んでマーカーを引き→塗るだけ、脳みそ使わない。
・その日のうちに授業の内容を復習して→覚えている内容をなぞるだけ。
・テストの前には何回も教科書を読んで→ただ読むだけ。脳みそ使わない。

要は、苦労しそうな方法を取れば大体OK、ということです 爆
本書では、複数の方法論をお薦めしてくれています。以下、3点ご紹介。

①想起練習
自分でクイズすること。再読ではなく、記憶から知識や技術を思い出すことを学習の中心に置く。具体的には、教科書やノートを読むときに、重要な概念は?初めて見る単語とその意味は?それらはすでに自分が知っていることとどう結びつく?とたくさん自分にクイズを出してあげましょう。
→覚えていることを脳みそから引っ張り出すのも、なかなか苦痛ですね。

②精緻化
新しい教材に新しい意味づけや解釈を見つけるプロセス。教材の内容を、自分の言葉で説明する、自分の生活との関連性を見つける、すでに知っていることと関連付ける。

③間隔練習
同じ教材を一定期間空けて複数回学ぶ。少し忘れた頃のタイミングを見計らって自分にクイズを出す。(短期間に練習しまくるのは集中練習、という。自分が昔やっていた復習と同じで、短期間に何度もみることは、記憶の形成や理解の促進、という面で効果が極めて低い。忘れかけていた頃に、苦しみながら思い出す方が、定着率が高まる。)

個人的な意見ですが、中学や高校、場合によっては大学でも、効率的な勉強方法というものを共有する場を設けた方が学生・先生の両方にメリットがあるのではないかと思います。短時間で効率的に学び、良い成績が取れた方が学生にとってもいいですし、今、先生方の負担の大きさも問題になっているので、その解消という面でも有益なのではないかと。
長時間机に向かって努力の結果、難関大学への合格を掴みました!というのは素晴らしいことですし、本人の大きな成功体験・将来の糧になることは否定しません。しかし、現在の社会状況を踏まえると、効率よく必要最低限の成績をとって、あとはいろんな経験をする。その方が将来的にも良いではと思っています。
(逆に、そういう経験があるから故に、努力イズムのようなものに縛られ、会社の部下に「お前の努力が足らんからだ!」と強く当たっている上司を見たことがあります。。。努力や頑張りはもちろん大事ですが、他人にまで強要し出すと害悪になってしまうので、要注意ですね。)

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