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大企業役員の生態

私は世間一般にいう大企業(数千人規模)に勤務しています。
同じ部門(技術系)に属する人も数百人おりますが、博士号(工学)を保有している方が1名しかおらず、今回の自分の取得は久しぶりの出来事だったそう。

と言っても、会社から学費が補助されるでもない、取得したからといって給料が上がるわけでもないという完全自己啓発扱いなので「取得はしたものの、特に変わらない日々」を送っておりましたところ、興味を持ってくれた役員さんがおりまして。
30代の若造が通常業務では直接お話しする機会なぞ得られないであろう、役員さんにご招待され、夕飯をご一緒してきました。
コロナへの配慮もあり、個室、少人数。少人数と言っても部門の長クラスの人も同席という緊張感漂う(?)会でしたが、直接に役員さんと接し、学びも多かったです。
その方は、会社(事務系)の部門で経験を重ね、今は会社の経営のみならず、県や国の在り方にまで意見できる方。政治家などとも繋がりのあるいわゆる重鎮です。

好奇心とバイタリティが半端ない

役員さんクラスとなると、平日も朝から晩まで、休日も関係なく忙しい。
何度か、そういった方のスケジュールを断片的に見たことがありますが、

 ・土曜 A県の地域の催し物に参加、夕方B県に移動
 ・日曜 B県にて打ち合わせ

みたいなのが月に何回か・・・
役員はウン千万も給料をもらってて羨ましいなんて言葉を聞くことがありますが、自分は高待遇だとしてもそのボジション・責務を担いたいかと問われると素直にウンと言えない部分があります。
そんな多忙を極める中でも、その方は自分に正直というか、自分のフィルターにかかった疑問は話の途中でもどんどん聞いてくるし、プリミティブなことを問われ、こちらもドキッとすることが何度かありました。
学術的に当たり前と言われることでも、疑問に思ったらスルーしない。
「なんで人間て服を着る必要があるんだっけ?」
とか、そういうレベルの問いだったりしますw

で、現場に来るのも厭わない。
自分は技術系、さらには土木分野なので基本的に現場は屋外。
忙しいし、業務範囲・量も膨大な中、着替えて・移動して・現場を見て理解する。
実は、これをできてる人って担当クラスでもあまりいない気がします。
なんとなく、報告書なり写真・データを見てわかった気になったり。
でも、その方は「現場見せて」とど田舎の山奥まで(70歳超え)現地確認に来てました。

「なんでそこまでやるんですか」
と問うたところ
「外部に話をするのに、自分も理解している必要があるし、第一に自分も納得したいから」
だそう。

笑顔が赤ちゃんのようw

重鎮、というとポーカーフェイスで恰幅も良くというイメージを持たれるかもしれませんが、その方は細見、長身。
さらに、もう70歳を超える年齢ですが、肌艶もよく笑顔が赤ちゃんのようでした。目を山なりの線のようにしてガハハと豪快に笑っていました。

論理的であること、知識が豊富であること。
人間の能力には多数の軸があると思いますが、人を虜にする表情も大事な武器な気がしていて、こんな表情されたらなんでも許してしまいそうだなぁとも思ってしまったり。

帰り際。
「高校時代の地学って面白いよな。勉強しようと思ってるんだ。」
とポロっと話をしていました。
止まることなき探究心。

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