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(本)遅考術 じっくりトコトン考え抜くための「10のレッスン」

(おすすめポイント)
・例題を通して、丁寧に考える力が身に付く
・変な(根拠のない)情報に騙されない力が身に付く
・短絡的に考えて失敗する、というのが減る(減りそう)

思考力改善ドリルと同じ、植原亮先生の著作。
基本的な作りは思考力改善ドリルと同じ。例題を通して「遅く」考える力が身に付くようになっています。
自省の念も込めてですが、受験で良い結果を残してきた人の多くは思考の瞬発力は高い人が多いような印象です。クイズの早押し大会ではないですが、問いなり課題なりにぶち当たった時に、それっぽい答えに早く辿り着けるような能力に長けてるとでも言いましょうか。
センター試験なんか顕著で、問題を見た瞬間に答えが浮かぶようでないと高得点は難しい、となるとパターンの暗記なりでなるべく短時間で正答辿り着ける能力をこれでもか!というくらいに訓練しますもんね。
そんな経験を積むと、多少なりとも日常生活の「思考」に影響するのも仕方ない部分があるのかも。皆さんの周りにもいませんでしょうか。有名大学卒で真面目、課題を出すといち早くそれっぽい回答に辿り着く人。
一概にそれが悪い、というわけではないですが、場合や状況によって
・他の可能性はないか
・もしかしたら自分の言った答えは間違っているのではないか
というのを一旦立ち止まって考えられ力が大事になってくることもあります。
著者は、その力を遅考力と定義しているわけです。

本書でも紹介されている例
「モーセは全ての動物を何頭ずつ箱舟に乗せましたか?」
おそらく、2頭と即答した人が多いのでは?

答えは本書に譲るとして・・・人間は、連想する力があるゆえに、こういう間違いを犯すパータンがいくつかあるわけです。
そういうパターンを認識して、必要な時にちゃんと立ち止まって考えましょうというのが本書の主張です。


自分の身近にも立ち止まって考えることを忘れ、目先の情報に踊らされている人、たくさんいます。(自分もかもしれませんが)

コロナでうがい薬が効く、と言われるとちょっと高騰してでも手に入れてみたり
納豆が健康に良い、と効くとスーパーを回ってでも買いに走ったり

メディアに騙されない・踊らされないためのリテラシーを身につけるという面でも、本書の特に後半部は義務教育に組み込んでも良いのでは?と思ってしまいます。そうすれば、陰謀論にはまって変な方向に行ったり、上のような目の前の情報に踊らされる人も減るかと思うのですが・・・

例題も面白いものが選択されていて、苦痛なく読み進められます。
ちゃんと考える力を身につけたいと思っている人は是非手に取ってみてください。

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