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初対面でも会話を引き出すきっかけを掴むには?パターンを知ることに光明がある。

就職市場で最も望まれる能力はコミュニケーション。また社会で生きていく上でも必須の能力にも関わらず、学校(義務教育)で教わることはありません。
コミュニケーションの本やセミナーが人気なことからも、悩まれている方は多くいると思われます。

特に相手と関係を構築できていない段階だと、会話の距離感(どこまでオープンに接するか)を掴みづらく、難易度はさらに上がります。

今日は、「初対面でも会話を引き出すにはどうすれば良いか?」がテーマになります。

結論から言うと、パターン化です。

発達障害で、コミュニケーションを苦手とする方は多くいます。特にASD。
それは抱えている特性によるところで、発達障害の本によると「相手の立場に立って考えることが苦手」「空気を読むのが下手」「想像力が乏しい」などと書かれています。

私の実感などを踏まえると、それらは根本原因ではありません。

相手の立場を思いすぎて考え込んで会話をできない人もいます。空気を読みすぎて(勝手な忖度して)一足飛びの会話になってしまう人もいます。想像力が乏しいのであれば、有名なアーティストで発達障害を公言している・思われている方々は何なのでしょう?

会話はさまざまな能力(観察力・想像力・共感・反応・情報の整理など)を同時にこなすマルチタスクです。

マルチタスクであることが、コミュニケーションを苦手とする根本原因です。

苦手なマルチタスクを解決する方法は、シングルタスクに持ち込むこと。つまり、会話のパターン化です。

会話のパターンでよく聞くのは、できるだけクローズド・クエスチョンを避けて、オープン・クエスチョンを使うというものがあります。
相手をさぐる尋問のようになってしまいガチで、何度もしているとお互いに疲れてしまいます。

では、どうやって話のきっかけを掴んでいくかと言うと、「相手を決めつけていくこと」です。それをきっかけに話を転がしていくというパターンです。

「〇〇が好きそうですよね?」「〇〇ができそうな印象があります」など、知り得る事前情報や見た目の印象などから、決めつけて質問します。もし間違っていたら訂正するでしょうし、こちらも”そう思った理由を伝えること”で会話が転がり出します。

ただし、この質問で注意しなければならないことがあります。
相手の悪口など、ネガティブな”決めつけ”をしないことです。
例えば、「あぶらっぽい物が好きそうですよね?」→(私が太っていると言っているの?)など。
基本的に、自分の意思で自由に変えられない体型や性別に関すること、宗教や政治は避けた方が良さそうです。

そして多用しないことです。一度の会話でせいぜい2、3回までにとどめてください。多用すると、オープン・クエスチョンの場合と同じで、お互いに疲れてしまいます。

相手が自分の話をしだしたら、話をさえぎらず聞いて理解することに徹する。相手を会話の主役にすることです。
やりがちなのが、相手の話をさえぎって自分の話をしてしまうこと。ある程度の関係ができていれば良いですが、関係の薄い状態でそれをすると会話も後に続かなくなりがちです。
相手と自分の話す割合は、最終的に7:3くらいを目安に。

慣れてくれば、聞いているサイン(うなずき、「それで」など会話を促す言葉)を入れてください。反応を返すことで相手は聞いてくれていると安心します。
これも下手に多用するとおかしいので注意してくださいね。

ここまでを読んで、勘違いしてほしくないのは、オープン・クエスチョン、クローズド・クエスチョンが不要という訳ではありません。
話を広げる際には、オープン・クエスチョンは有効です。また次のアポを取る際や、会話を終わらせる際にはクローズド・クエスチョンは有効です。

またそれぞれのクエスチョンで、ネガティブな表情や反応、はっきりしない回答をされたら、「話を終わらせたい・お断りのサイン」である場合があります。話題を引いたり、場合によっては会話自体を終わらせた方が良いです。

ちなみに私も含めて発達障害の方は、表情を読むのは苦手だと思います。
「感覚で理解できないことは、知識・パターンで補完する」が基本の戦略です。
相手の表情を読む参考となる書籍として、ポール・エクマン著がオススメです。

紹介した本は人によって難解に感じると思います。また本を読むのは苦手と言う方は、海外ドラマ「Lie to me」をオススメします。
ドラマの主人公ライトマン博士は、先ほど紹介したポール・エクマンがモデル。サスペンス要素もあるドラマで面白く、全3シーズンあります。後になるに従って間延び感や方向性の変化から評価も分かれるところ。人によっては1シーズンだけで良いかもしれません(笑)


今回のまとめ

⒈会話を引き出すきっかけは「(勝手な)決めつけ」から始める。
 ※失礼がなく、ネガティブな印象を与えない内容にすること。多用しないこと。
⒉相手が自分の話をしだしたら聞いて理解することに徹する。
 ※聞いてるサイン(うなずき、会話を促す言葉)を入れると尚良い。
 ※相手と自分の話す割合は、7:3くらいを目安に
⒊オープン・クエスチョン、クローズド・クエスチョンも状況に応じて使うこと。


最後に

今回の会話パターンは、あくまで会話のきっかけづくりにすぎません。
毎回の会話で決めつけを繰り返していると、不快に感じる人が出てきます。
相手に関心を持ち、会話などを通して、知ろうとする努力や敬意があれば、決めつけ質問も減ってくるはずです。

発達障害者に柔軟な対応の難しさは、当事者である私自身も理解しています。ある程度のパターン化は仕方ないと思います。
実践の会話やトレーニングを通して、できる範囲でコミュニケーション能力を高めていきましょう!

(参考)オープン・クエスチョン、クローズド・クエスチョンについて


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