見出し画像

新卒カードをどブラック企業に捨てた話(後編)

前回、ブラック企業に入社~洗脳されていく自分についてお話ししました。
今回は後編ということで、出来事よりもその後の心身の変化についてお話していきます。


・染まりゆく心

「わたしだけじゃない。みんなも頑張ってる」という心理。

休みが週に一度もないことも、
成果が全く出なくて上司に罵倒されることも、
人々が寝静まっているかもしれない時間にインターホンを押さなくてはいけないことも、

「みんな同じ条件で働いてるんだけど」
「よく弱音なんて吐けるね。学生気分が抜けてないんじゃないの?」
「商品を欲しがっている人からしたら、俺らのインターホンは感謝に変わるんだよ。」
「仕事を仕事と割り切れないあたりがアルバイトレベル」

と一蹴される。

私にとって、夕飯以降にインターホンを押すことは悪だと思っていました。
ご迷惑だと思っていました。
自分がされたら嫌なことは、人にもしたくなかった。

それでも無理にでも、
耐え難きを耐え、心を捻じ曲げて
“悪”となる覚悟をしました。

・身体は嘘をつかない

ところが
自分の心を悪とし、

夜もインターホンを押し続けていた夏のある日…
営業中のマンションのインターホンで倒れていました。

幸いなことに、そのマンションの住民が助けてくれて、病院に連れて行ってくれました。

よく覚えていませんが、
週に一度も休めていない日頃の身体の疲れと、ストレスと、熱中症と重なったのかと思います。

それでも、朦朧とした意識の中覚えていることがあります。

私を病院に連れて行ってくれたやさしい老夫婦が、こう言いました。
「頑張っているのはわかるけど、うちのインターホンは押さないでね」

ああ、
仕事を頑張れば頑張るほど、誰かの迷惑になっている。

私の心は、それに耐えられませんでした。

悪にでもなると覚悟を決めたはずの心は、身体を強制終了させるという方法で悲鳴をあげていたのです。

・ブラック企業の常套手段

まず、

相手の「時間」を奪います。

考える時間、隙を与えないのです。

「これっておかしいんじゃないか?」
「転職活動をしようか?」
その隙さえ与えず、長時間拘束する。

これは後々にも触れますが、
悪徳宗教もそうですし、この手の会社にかかると顧客に対しても同じ手段を取ります。

相手の心を支配したいときにはまず時間を奪う。
覚えておきましょう。

次に、考える「チカラ」を奪います。

何回も何回も、大声で、
無能であること、
学生気分であること、
何もできない人間であること、
お前の考えが甘いという意識

を刷り込まれます。

外野から聞いていたら、この時点で
「ありえないだろそんな会社とっとと辞めるわ」

という考えに至るのですが、
長時間中にいると脳がマヒしてきます。

「自分は無能である。ここで働かせて頂いているんだ」と考える

そして
ズルズルとそこで結果を出そうと頑張ってしまうのです…。

社会経験がある程度ある中途入社の方がブラック企業に入社した場合は、
他の世界を知っているから比較対象があり、

「ありえない。とっとと辞めるわ」という考えに至りやすいのですが、

新卒はそうはいきません。

・新卒が陥りやすい考え方

「せっかく新卒で入ったから」
「何社も受けてやっと受かった会社だから」
「新卒入社で周りよりも先に辞めるわけにいかない」
「私だけが辛いんじゃない。同期も一緒に頑張ってるから逃げたくない。」「私ができないんだ。もっと頑張らなくては」

そして前に触れた通り、時間を奪われているから、
この状況について誰かに相談する時間をも与えられない。 

同期や会社にいる人同士で、頑張ろう。頑張ろう。
と傷を舐めあう。

・今、頑張りすぎている新卒のあなたへ。

あなたの会社は、
必要最低限、あなたが身体を休める時間を奪っていませんか?

ブラック企業ほど、
「学生気分が抜けていない」という言葉が大好きです。
その言葉を使えば簡単に新卒をコントロールできるからです。

無茶苦茶なことに耐え忍び、
結果を出すことだけが頑張りではありません。

新卒入社ですぐに辞めることが、恥ずかしいと思っていませんか?
恥ずかしいかもしれません。

いえ、恥ずかしいです。
屈辱です。

辞めるときも、なんで辞めるの?
辞めてからも、なんで辞めたの?って死ぬほど聞かれます。

それには

「自分がマトモだから辞めた」と言っていい。

マトモじゃない世界では、マトモじゃない人たちが頑張ればいい。
確かに、そこで結果を出せる人だって大勢いるから。

だけど、

そこで結果を出せないことは、あなたが無能だからじゃない。

あなたの良心を捻じ曲げなくてはいけない世界からは逃げてもいい。
同期だって、永遠に側にいるわけではない。
同期からの目よりも、自分の一番近くにある自分の心に向き合ってください。

あなたが笑顔で仕事ができる会社はこの世にごまんとあります。

どうか私の、この言葉を信じてください。

次回以降、
辞めるに至るまで〜当日までのお話をします。
前半・後半とお付き合い頂きましたが、うまく今回締まりませんで申し訳ございません。

地獄の日々を2つのNOTEにはまとめきれません!(笑)

今回も、
最後までご覧いただきありがとうございました。
皆様の人生が、理想以上のものになりますように…🌹


この記事が参加している募集

#この経験に学べ

54,673件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?