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ブリーク駅



最初に目にしたのは、険しい岩肌を持つ山々がそびえ立つ風景だ。山々の輪郭がはっきりと見え、特に岩肌が露出している部分が印象的だった。自然のままの荒々しさがそのまま残り、まるで長い年月を経て削られてきたような姿を見せている。山々のふもとには森が広がり、豊かな緑が眼下に広がっていた。この山の風景は、どこか荘厳で静けさを感じさせ、都会の喧騒から解放される瞬間だった。


次に見えたのは、山の斜面に広がる畑やブドウ畑の風景だ。段々畑のように美しく整備された農地が、山の自然と人間の営みの調和を象徴しているかのように広がっていた。山々の雄大な風景に溶け込むように、農地が広がり、スイスの山岳地帯で営まれている農業の風景が垣間見えた。秋の柔らかな日差しが、畑の色彩をさらに鮮やかに照らし出していた。


Brig駅に到着すると、そこには鉄道の美しい景観が広がっていた。赤と白のコントラストが鮮やかなSBB(スイス国鉄)のRBDe560形電車が待っており、背後には雄大な山々がそびえている。駅のプラットフォームからは、山と鉄道が共存する風景が見られ、まるで自然と現代の交通網が見事に調和しているかのようだった。この風景を見て、山の壮大さと鉄道の近代的な美しさに心を奪われた。


側面には大きなロゴが描かれた赤い機関車Re460形が停車していた。その背後には山の稜線が美しく見え、山々に囲まれた小さな駅の風景が広がっていた。周囲を取り囲む山々の存在感が強く、鉄道がどこまでも続いていく様子を想像すると、冒険心をかき立てられた。山々に囲まれた静かな駅で、電車が出発するのを待つ瞬間は、何とも言えない期待感に包まれていた。


駅の掲示板には、Zermatt行きの列車が表示されていた。日本では珍しくなったパタパタ式の表示だ。背後に見える山々と、これから出発する列車の表示が、この場所を旅の拠点として象徴していた。これからどこへ向かうのか、山岳地帯の中を走り抜ける列車の旅が楽しみであり、その風景が目の前に広がるのを想像すると胸が高鳴った。


「Glacier Express」の車両が、真っ赤なボディで堂々と駅に停車していた。この特別な列車は、その名前の通り、スイスの氷河地帯を通り抜ける絶景の旅路を提供している。赤いボディに描かれた白い文字が際立ち、ただそこにいるだけで特別な列車であることが感じられた。この列車に乗れば、山岳地帯を駆け抜ける壮大な景色が広がるのだろうと、旅のロマンをかき立てられた。

「Glacier Express」の先頭にある機関車は、赤いボディが夕焼けに照らされて美しく輝いていた。背景には山々がそびえ、その頂上部分がほんのりと夕方の光を浴びてオレンジ色に染まっていた。この瞬間、鉄道と自然の壮大さが交差する、美しい時間だった。車両のメンテナンスをしている作業員の姿もあり、次の旅路に向けて準備が進んでいる様子が感じられた。


「Glacier Express」の行き先表示には、目的地として「Zermatt」が表示されていた。この列車は、壮大な山岳地帯を通り抜けることで知られ、その終着点として、スイスの名峰マッターホルンを擁するZermattに向かう。行き先を見ただけで、これから始まる冒険がどんなものか想像が広がり、期待感が膨らんでいく。

今日はBrig駅を訪れ、山々に囲まれた美しい風景を存分に堪能した一日だった。険しい岩肌が目立つ壮大な山々が広がり、その雄大さに心を奪われた。山のふもとにはブドウ畑や農地が広がり、自然と人間の営みが共存する風景が印象的だった。Brig駅では、SBBの赤い電車や「Glacier Express」が停車しており、鉄道と自然が見事に調和する瞬間を楽しむことができた。

特に「Glacier Express」の赤いボディが輝いていて、Zermatt行きの表示を見ると、これから山岳地帯を走り抜ける旅が待っているかのようなワクワク感が高まった。自然の美しさと鉄道の魅力が交錯する一日で、山々の風景が心に深く刻まれた。次回は実際に「Glacier Express」に乗って、この美しい山々をさらに間近で楽しみたいと思う。

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