ただ傍らに在り続ける暗がり
人を明るい気持ちにさせる文章を書けない自分が
ずっと嫌だった
世の中が前向きさや明るさばかりを求めているような気がして
僕は所在無い気持ちになった
そういう無言の圧と闘う様に暗い文章を書きたかった
「暗い文章を書いているからこそ笑えるようになることもある」
なんて書いた事もあったけれど
そんなの自己欺瞞だった
笑えるようになるために暗い文章を書きたかったんじゃない
暗い自分が
ただそのまま在り続けるために
書きたかったんだ
コロナ禍になって某メディアが一時期毎日流してた「こんな時こそ前向きに☆」という言葉も
世の中に溢れるそういう発信も
悪気はないとわかっていても
ずっと嫌だった
「こんな時」だろうと
平時だろうと
前向きな文章など
自己欺瞞無しでは書けない自分も…
でも一番嫌だったのは
暗い文章を書かなくなった自分だった
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