jun-foto

ほぼモノクロフィルム レンズシャッター機が好き 自家現像、自家プリント

jun-foto

ほぼモノクロフィルム レンズシャッター機が好き 自家現像、自家プリント

最近の記事

くも

くもの欠片たちは燻んだ色を纏った過去の静止画のよう。 歪な形をした欠片は人の都合などお構いなしに霞を被り、時を跨ぎ、刃を曇らせる。 澱んだ水面に浮かぶ一枚のすでに命を失った葉が、意識下と現実の境界を危うげに繋いでいた。 その様は、まるで風に引き裂かれた雲のよう。まるで天と地を繋ぐ蜘蛛の糸。

    • 図書館

      図書館のゆったりとした椅子に背をもたせ掛けながら、読み慣れない類の本に目を走らせている。 ふと目を前にやると、やはり読み慣れない類の本が山のように溢れている。 ぼんやりとその本の山を眺めていると、たくさんの本から意味をなさない文字達が一斉に飛び出してきた。 一体、何事だ。 どの文字達も何かを一生懸命に伝えようとしているようだが、単語は分解されてしまい、飛び出た文字達がそれぞれ好き勝手に飛び交っている。 中には、その一文字では意味をなさない、まるで記号を叫んでいたりもする

      • 呆けた春の日差し

        春の日差しは全く緊張感なく身体を包む。 風は山を抜ける時は音を立てているのだが、裏庭で呆けた姿を晒す私のところに来る頃には微風になり果てている。 時間は恐らく1.4倍ほどゆっくり流れているだろう。 何故ならカップのコーヒーがまだだいぶ残っているから。 こんな時間が永遠であればいいと思った。

        • 別れ?

          「初めて会った時、覚えてる?」 帰りの車、ふとした瞬間、唐突に聞く彼女。 もっのすごい勢いで脳みそを働かせる。 いつだ?いつ出逢った?何年前だ?どこだ?どこで出逢った? そもそも何でこんな綺麗な女性と俺は友達なの? いや、これは間違いの許されない質問だ! 気合を入れろ! 何とか思い出せ、俺。 きっと、5秒未満。 彼女は焦点の定まらない目で狼狽しきった僕を見て、「〇〇の△□だよ」と言った。 忘れていた。 「うん、覚えてるよ。綺麗な人だなって思った」ホッとしつつも死に物狂いで平

          休日

          「今日、お休み💕」SNSの通知が彼女の休日を知らせてきた。 「来れば?」アトリエで納品予定の写真を編集していた僕は彼女にそれだけをlineしてみた。 それと、アトリエの目の前に広がる眺望を添えて。 「素敵」 彼女からの返事は分かりやすい。 待ち合わせは千里浜。 お互いの中間地点というのもあるけど、きっと今日の海は気持ちいいに決まってると思ったから。 ほんの30分も車を走らせると、もうそこは日差しを受けて気持ちよく(ホントに気持ち良く)輝く海だった。 砂浜はいろんな色の車

          色の刺激

          数年前から頭がカラーを受け付ける事ができなくなっていた。 刺激が強すぎて。 でも、一年ほど前から少しずつカラーも良いなって思えるようになってきた。 理由は簡単でポートレートを撮るようになったから。 彼女の表現を写真に残すにはモノクロだけじゃ情報量が足りなくて、最初は違和感ありまくりだったけど、何となく落ち着いてきた気がする。 自分の世界を彼女を使って作りたいわけじゃ無くて、その時の彼女の心境や、シチュエーションから受けるインスピレーションを形にできれば嬉しいな。 山の中

          色の刺激

          ポートレート

          綺麗に飾った写真は自分の求める表現じゃないなって。 だから撮る機会があってもあんまり気乗りしなかったんだよね。 でも、彼女を撮るのはすごく楽しかった。 撮る前にいろんな話をたくさんして、お互いの闇みたいなもんをさらけ出せたせいかな。 もう少し撮ることで表現を深めることができれば嬉しいな。

          ポートレート

          目測式カメラを買ってみた。

          フランスのルヴァロワ光学精機社のFOCA sport iB 巻き戻しダイヤルが無いので巻き戻しは暗室かダークバック内でとあった。 自家現像、自家プリントなのでそこは問題ないし、何より上位機種の作例に惹かれたので、そのエッセンスだけでも感じ取れればなと思い購入。 f8で5m位に合わせておいて適当にシャッターを押す。 好きかも

          目測式カメラを買ってみた。

          雨の日

          車のルーフを松の木から落ちる雨垂れがカンカンと叩く。 枝から落ちる様を想像するに、大分忙しそうだ。 時折、吹き付ける風がいい具合に単調さを打ち消す。 車のスピーカーから流れる音楽と雨音が作る穏やかな世界にいる。

          雨の日

          ドキドキした

          モニターで見た時、割と鼓動が早まった。 山の濡れた散策路にへばりついて、汚れた葉っぱ達。 これを撮ろうとする感性って、いびつでどこか欠落してるんじゃないかとか思うけど、まぁ、いいや。 で、これのどこに惹かれるのか考えてみたんだけど、重要じゃないけどその一つはあまり既視感がないとこかな。 もちろん、おんなじような写真は山のようにあるだろうけど、きっと少数派。 そこは大事な点かなって思う。

          ドキドキした

          はじめまして

          はじめまして。 きこりとしての日常を送りつつ、写真家として表現活動をしています。 デジタルの色に疑問を感じてしまい、ほぼモノクロフィルムでの撮影です。 気が付くと現像、プリントも自分でやるようになり、個展も数回開かせてもらえるようになっていました。 ここではきこりとして感じたことなどを写真と一緒につらつらと書いていきたいと思います。

          はじめまして