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図書館

図書館のゆったりとした椅子に背をもたせ掛けながら、読み慣れない類の本に目を走らせている。

ふと目を前にやると、やはり読み慣れない類の本が山のように溢れている。

ぼんやりとその本の山を眺めていると、たくさんの本から意味をなさない文字達が一斉に飛び出してきた。

一体、何事だ。
どの文字達も何かを一生懸命に伝えようとしているようだが、単語は分解されてしまい、飛び出た文字達がそれぞれ好き勝手に飛び交っている。
中には、その一文字では意味をなさない、まるで記号を叫んでいたりもする。

控えめに言ってもうるさいし、むしろ絶対めんどくさそうだった。

でも、決して嫌な眺めではなく、その一生懸命な姿はむしろ微笑ましかった。

理解できなくてごめんよ。
何かを伝えたいことだけは分かったから、今はそれで勘弁してくれと心の中で思った。

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