休日

「今日、お休み💕」SNSの通知が彼女の休日を知らせてきた。
「来れば？」アトリエで納品予定の写真を編集していた僕は彼女にそれだけをlineしてみた。
それと、アトリエの目の前に広がる眺望を添えて。

「素敵」

彼女からの返事は分かりやすい。
待ち合わせは千里浜。
お互いの中間地点というのもあるけど、きっと今日の海は気持ちいいに決まってると思ったから。
ほんの３０分も車を走らせると、もうそこは日差しを受けて気持ちよく（ホントに気持ち良く）輝く海だった。

砂浜はいろんな色の車と楽しそうに過ごす人で賑わっている。
僕はそんな楽しそうな場所からちょっと離れ、でも眺めは絶対最高な場所へ車を止めて彼女を待つ。
今日はどうしよう...
この後の予定を考え始めた途端に彼女からのlineが僕を優しい気持ちにさせてくれたよ。

「迷子」

思わず吹き出して、え？なんで？と笑いながら口に出す。
数分してから車の中で照れ笑いをする彼女が僕の横に車を止める。
どうやらとてつもなく狭い道をgoogle先生が指示してきたらしい。
でも、絶対そんな道は通らないはずなんだ。
だって、自動車道の出口から１回左折すればここに着くんだから。
でも、もちろんそんな事は言わない。
だって、今、彼女はここにいるから。