西脇順三郎氏の「詩学」に次のような言葉がある。
私の好きな俳人の田中裕明氏もポエジー(詩情)というものをとても大切に
されている。
田中裕明氏の今の季節の俳句から七句を紹介します。
みづうみのみなとのなつのみじかけれ
夏至の子の寝息にまじる鳥の声
汗の子に大きなオムライスをつくる
平凡に子を育てけり箱庭に
泳ぐことベッドのうへでかんがへる
ふらんすはあまりにとほしかたつむり
胸あきし白服をわが汀とす
写真においてもポエジーを感じるものには、見たものに物語性を感じさせる
余白が存在する。
理屈ではなく、余白を物語を感じさせるものは、私においては意図的というよりも偶然の産物として生まれることの方が多いように思う。
そういう意味でも俳句にしても写真にしても多作多捨する中で残されていくものが結果として詩情を含んでいるように思う。
スケッチは赤き街角みなみ風