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本へのとびら


 物語や絵本を通して普遍的なものが伝わることに意識が向かう中、宮崎駿氏(以下、宮崎氏)の「本へのとびら」(岩波新書)と出合った。
頁をめくると宮崎氏が床にずらりと岩波少年文庫を並べて選んでおられる写真、そして選ばれた50冊に対しての一冊毎の短いお薦めのコメント。
短いけれども味わった感動が伝わってくるコメントに釘づけになった。

本へのとびら - 岩波書店 (iwanami.co.jp)


私は小さい頃、毎月、叔母が手配してくれた世界文学全集を読んでいたため岩波少年文庫に親しんだ思い出はないが、宮崎氏がお薦めの中の三銃士やシャーロックホームズの冒険、イワンのばか、トム・ソーヤの冒険等の物語は夢中で読んだ記憶がある。

当時はまだ小学生の高学年であり、今のようなPCやスマホもない頃であり、物語を読むことは楽しみの1つであった。
全集が届くと晩御飯はそっちのけで読みふけっていた自分の姿が目に浮かぶ。蠍座海王星で牡牛座水星と180度を形成しており、物語を読みだすと自分があたかも主人公になったような状態になって読み進んでいく。読み終わった直後は、放心状態である。
物語に引き込まれて熱中してしまう楽しさを少年の頃に体験したことは振り返ると貴重であったと思う。

小学生の頃の日記帳が何故かまだ捨てずに10冊ほど手元にあり、断捨離で捨てようと思ってぱらぱらめくると、12歳当時のまさに今頃の以下のような詩に目が止まった。

五年生の頃の日記から


宿題よりも本を夢中になって読んでいたんだとその時の感覚が蘇ってきた。
家族のことを書いた物語もあり、両親、祖母、妹二人、柴犬について語っている。懐かしい感情とそのときの家族への思いが50年を経過して少しずつ変化してしまったという現実にやや複雑な気持ちに包まれた。

当時の日記帳は今のようなキャラクターが全面に押し出されたものはなく、日本や海外の建物や街の写真のみのシンプルでとても落ち着くデザインである。


宮崎駿氏のホロスコープを誕生時間を12時で作成して調べてみた。
9室山羊座15度太陽がMCと合でカルミネート。
山羊座15度のサビアンシンボルは「病院の子供病棟にあるたくさんのおもちや」で、大きな歴史観から人間性を考え、あまり息苦しくない遊び的な方向で人と自分を育てていこうという要素があり、宮崎氏の仕事に向き合う姿勢が象徴されている。
太陽と水星はオーブ4度で合であり、牡牛座木星、土星と120度を形成して瑞々しい感性のあふれた作品を生み出した。
ASCが牡牛座で木星、土星、天王星がステリウムであることでも牡牛座要素が強調されている。
牡牛座天王星、乙女座海王星、蠍座火星で調停で、現代世界へのアンチテーゼを含んだ作品、海王星からの無意識なものを蠍座火星で突き詰めていくエネルギーが混じり合う。さらには火星、冥王星、月のグランドトラインが加わり、冥王星と月の大衆的、情緒的な要素も含んでいく。


今年に入り、私が魅かれる作家、表現される著名人数人のホロスコープチャートを誕生時間を12時で調べさせていただいた。
この作業を通して驚くことは、どの方もほぼMCに太陽が合で、調停、ミニトライン等の惑星が集約されるエネルギーを生み出すアスペクトが形成されていたことである。
もちろん、マドモアゼル愛先生も語られているとおり、ネイタルホロスコープの内容とともにその方の意識もそれを活かすようにされた結果で大きな成果を導きだされたのだと思う。

その方たちのホロスコープとその方の成果を重ねていくことで、太陽をはじめとする各惑星の働き方、サインの要素のフィルターの働き、そしてアスペクトの影響によるエネルギーの濃淡等、その方の成果物と照らし合わせながら具体的に理解を深めていける感じがした。



紫陽花やひとりのときにひらく本

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