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素直に感じ切る



私の長女は大学の卒論の中で、母親との癒着関係をあからさまに文章にし、
自分がいかに母親が望むように物事を選択してきたことに自覚し、そこからは決別していく決意で書かれた衝撃の内容であった。
それを読んだ家内は衝撃を受け、しばらく呆然としていた。家内も私も長女の卒論を何度か読み、教授の誘導があったにしても、よくここまで認識に出して表現できたなと思った。
長女の中では親殺しを卒論を通して果たしたのだと思う。

杏ちゃんのnoteも、自分の感情に正直に言葉が紡ぎだされている感じで、清々しい。
彼女としてはご自分の感情の整理としてnoteを時々書いている様子で、意図もなく、ただ淡々と言葉が出されているのが読んでても伝わってくる。

その自分に対しての誠実さ、正直さは、本来は誰もが普遍的にもっている要素だと思う。

親殺しを果たし、自分の感情を素直に表現できている彼女は、まさに太陽期のはじまりである。

【親を許さなくていい】「きらい」を素直に感じ切る|清水杏 (note.com)



奇しくも図書館で借りて読んだ柳美里の「ルージュ」という物語も、化粧品会社に勤務しながらも自分ではお化粧をするのが嫌いという女性が主人公。
両親は離婚する中、モデルとしての才能が認められるが、周りの騒ぎとは別に彼女の内側は醒めている。
彼女は引き籠りの時期があり、華やかな虚構の世界でなく、現実に毎日働く世界に豊かさを感じている。
ルージュは女性性を象徴するものであるが、女性性を強調することを避けたい女性も存在する。

ルージュの主人公の虚構の華やかさではなく、自分が豊かさを感じれるものを求める純粋性は、杏ちゃんのnote と重なるものを感じた。



手慣れたる包丁さばき夏料理

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