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【差別話法】菅官房長官 2018年9月26日午前 記者会見

特定記者の質問にだけ答えない、司会者を通じて質問を妨害する、等の菅義偉官房長官の姿勢は差別の域に達していると判断し、差別話法と命名。
(2018/9/29に筆者命名)

本記事では2018年9月26日午前の記者会見での質疑応答を取り上げ、菅長官の差別話法を「時間」に着目して分析する。

✳︎当日の会見は首相官邸HP(下記URL)より参照可能
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201809/26_a.html

質問時間と回答時間の差分

この日の会見で長官は4分間ほどかけて計4人の記者からの質問に回答している。上のグラフは、4人の記者が1質問にかけた平均秒数、その回答に菅長官がかけた平均秒数である。
まず、回答時間に大きな違いが現れた。日朝関係について質問した日本テレビとNHKの記者は1問あたり19秒〜27秒の回答を得ているのに対し、朝日新聞・マタヨシ記者は5.5秒、東京新聞・望月記者は2秒と極端に短い
さらに言えば、日本テレビとNHKの記者は質問にかけた時間よりも長い回答を得ているのに対し、マタヨシ記者と望月記者は質問時間よりも回答時間が短い。望月記者に至っては、質問時間よりも回答時間が14秒も少ない。

司会者からの注意回数

上のグラフは平均質問時間に加えて、質問途中に司会者(上村秀紀 報道室長)から「質問を簡潔にするように」と注意された回数を示している。21秒と最も長い時間をかけて質問した日本テレビ記者は不問の一方、それより5秒も少ない望月記者だけが2回の注意を受けている。

また、望月記者と同様に菅長官からの回答秒数が少なかったマタヨシ記者だが、司会者からの注意は一切ない。

各記者の質問内容

各記者の質問ごとの詳細は下表参照。比較的長い回答を得られた日本テレビとNHKの記者は日朝関係を中心に質問しているのに対し、マタヨシ記者は新潮45休刊や杉田水脈議員の寄稿文について、望月記者は投開票が4日後に迫った沖縄県知事選挙に関連して前回宜野湾市長選での佐喜真氏と菅氏の公約違反に踏み込んでいる。

朝日新聞 マタヨシ記者の質疑内容

約10秒の質問に対して、約5.5秒の回答しか得られなかった朝日新聞 マタヨシ記者。新潮45や杉田水脈議員に関する全2問の質疑内容を以下に書き起こした。

自民党の杉田水脈議員が「LGBTは生産性はない」とした寄稿文を8月号に掲載し、10月号で「そんなにおかしいか杉田水脈論文」とした特別企画を掲載して大炎上し、ついには休刊に追い込まれた新潮45。マタヨシ記者が質問した通り、発端をつくった杉田議員の同僚議員として菅氏も無関係ではないはずだが、

国会議員の発言一つ一つに政府の立場でコメントは、それは控えるべきだと思います。

というゼロ回答であった。

東京新聞 望月記者の質疑内容

約16秒の質問に対して、たった2秒の回答しか得られなかった東京新聞 望月記者。前回の宜野湾市長選での佐喜真氏と菅氏のディズニーリゾート誘致の公約違反について、全2問の質疑内容を以下に書き起こした。

1問目は公約として約束したディズニーリゾート誘致を実際にはやらなかっという指摘。これに対して菅長官は、

発言については私は責任を持ちます。

と返したので、具体的に何をしたのか2問目で問いただしたところ、

具体的な一つ一つに答える場ではありません。

と一言述べて会見を終了させてしまった。これでは、会話が成立しない。

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更新履歴

2018/9/29 18:00公開

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