マシュマロ実験で明らかになった親の年収と子供の学歴・社会的成功の相関関係とは?
皆さん、わたしのnoteに興味をいただき、ありがとうございます💁
既にご存知かも知れませんが、かの有名なマシュマロ実験と再現実験による「親の年収と子供の学歴・社会的成功の相関関係」について、Wikipediaから、全文を抜粋・引用致しました。
マシュマロ実験(マシュマロじっけん)、またはマシュマロ・テストとは、子ども時代の自制心と、将来の社会的成果の関連性を調査した著名な実験。スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェル(英語版)が1960年代後半から1970年代前半にかけて実施した。
著名な実験であるが、2010年代後半に行われた追試では再現が困難であることが報告されている。
マシュマロ実験という名前ではあるが、報酬はマシュマロの代わりにクッキーやプレッツェルが使われることも多くあった。
スタンフォード大学での実験
「自制心」「セルフコントロール」などと呼ばれている「将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力」(Delayed gratification)が、人の社会における成功に重要であることはよく知られている。この実験の本来の目的は、この能力の幼児期における発達を調査するためであった。最初の実験は、ミシェルと、エッベ・B・エッベセン(Ebbe B. Ebbesen)によって1970年に行われた。最終的にこの実験には、600人以上が参加した。
方法
職員の子どもたちが通う、学内の付属幼稚園の4歳の子ども186人が実験に参加した。被験者である子どもは、気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。
子どもたちの行動は、隠しカメラで記録された。1人だけ部屋に残された子どもたちは、自分のお下げを引っ張ったり、机を蹴ったりして目の前の誘惑に抵抗した。小さな縫いぐるみのようにマシュマロをなでたり、匂いをかぐ者もいた。目をふさいだり、椅子を後ろ向きにしてマシュマロを見ないようにする者もいた。映像を分析した結果、マシュマロを見つめたり、触ったりする子どもは結局食べてしまう率が高いこと、我慢できた子どもは目をそらしたり、後ろを向いたりして、むしろマシュマロから注意を逸らそうとする傾向があることが観察された。すぐ手を出してマシュマロを食べた子供は少なかったが、最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった。
ウォルター・ミシェルの娘も実験に参加した一人だったが、娘の成長につれ、ミシェルは実験結果と、児童の成長後の社会的な成功度の間に、当初予期していなかった興味深い相関性があることに気がついた。そして1988年に追跡調査が実施された。その結果は、就学前における自制心の有無は十数年を経た後も持続していること、またマシュマロを食べなかった子どもと食べた子どもをグループにした場合、マシュマロを食べなかったグループが周囲からより優秀と評価されていること、さらに両グループ間では、大学進学適性試験(SAT)の点数には、トータル・スコアで平均210ポイントの相違が認められるというものであった。ウォルター・ミシェルはこの実験から、幼児期においてはIQより、自制心の強さのほうが将来のSATの点数にはるかに大きく影響すると結論した。2011年にはさらに追跡調査が行われ、この傾向が生涯のずっと後まで継続していることが明らかにされた。
また被験者の大脳を撮影した結果、両グループには、集中力に関係するとされる腹側線条体と前頭前皮質の活発度において、重要な差異が認められた。同実験は、スタンフォード大学で「人間行動に関する、最も成功した実験のうちの1つ」とされた。
再現実験
一方、被験者の数を900人以上に増やしてマシュマロ実験の検証を行っていたニューヨーク大学のテイラー・ワッツ、カリフォルニア大学アーバイン校のグレッグ・ダンカンとホアナン・カーンは、2018年5月25日に「マシュマロ実験の結果は限定的」とする実験結果を発表した。スタンフォード大学での実験は被験者が大学の関係者に限られていたが、再現実験ではより広範な被験者についての実験が行われ、実験結果について被験者の家庭の年収といった要素ともあわせて、複合的な分析が行われた。その結果、「2個目のマシュマロを手に入れたかどうか」は被験者の経済的背景と相関が高く、長期的成功の要因としては「2個目のマシュマロを手に入れたかどうか」よりも被験者が経済的に恵まれていたかどうかの方が重要であったこと、「2個目のマシュマロ」と長期的な成功は原因と結果の関係ではなく、経済的背景という一つの原因から導かれた2つの結果であったこと、が示されたという。
すなわち、我慢強いことよりも、『教育や家庭環境の要因』の方が将来の成功に対する影響はより大きいと考えられ、この考え方が遅くとも2019年末頃には主流の考え方となった。
以上、Wikipediaより引用。
再現実験で明らかになったことは次のようなことです。
貧しい家庭環境の子供は、日々の生活に保証がなく、目の前の食べ物がいつ無くなるか分からないと感じている。
また、「買ってあげる」いった将来の報酬の約束も、経済的な理由によって破られる可能性があると感じている。
したがって、当てにならない将来の利益より目の前の利益を優先した方が合理的だと感じている。
一方、裕福な家庭環境の子供は、大人は食べ物を所有するだけの経済的な安定性を持っていることを知っているため、喜びを先延ばしする方が合理的だと比較的容易に判断できる。
このような背景の差から、貧しい家庭環境の子供は我慢できない子が多くなり、裕福な家庭環境の子供は我慢できる子が多くなるというわけです。
子供達に、マシュマロを我慢させたのは、自制心ではなく、今我慢すれば将来より多くの報酬が得られる、という将来に対する信頼感だったということです。
まとめ
目先の利益ばかりを追い求める人と、長期的な利益を見据えて目先の利益に惑わされない人 ── どちらがより社会的に成功しやすいかは明らかです。
こうした姿勢を決めるのは、親の経済力だったということが、再び行われたマシュマロ実験で明らかになった……。
結局は「親ガチャ」なのか??
この結論だけ見ると、「なんだ、結局どんな家に産まれるかで人生決まるのか……」と残念な気持ちにもなってしまいます。
しかし、実験結果をよく見てみると、その後の学業成績の差は10%ほどであったそうです。
これは、境遇に負けず良い成績を残した人もたくさんいたという証でもあります。
つまり、やっぱり自分次第で人生はいくらでも好転させることが可能だということも言えるわけです。
そのためには、小さな成功体験など、何かのキッカケを得て将来への信頼感を取り戻す必要があるでしょう。何かのキッカケも得ることがなければ、こうした傾向が現れやすいという現実は確かに存在するわけですから。。。
持たざるもの、未来を悲観するなかれ
以下は筆者が強調したい私見となります。
恵まれた環境に生まれ育ち、得をして社会的成功を収める人の割合は極めて高いのも現実でしょう。
ですが、貧困下にあっても何かを学び、努力を積み重ねて、成功している人たちがいるのもまた現実であります。
かつて人類の歴史は、富裕層が、貧困層の割合よりも多かったという厳然たる事実はありませんでした。
そうしたパワーバランスの上で成り立つのが人類社会であるからです。
歴史上、少数の権力者や財を成す特権階級によって、大多数の貧困層を含む一般層が支配されていたことを踏まえると、
何らかの努力によって、貧困の連鎖を断ち切り、下層からも成功者を生み出すことは決して不可能ではなかったことに気づきます。
その第一歩が、豊富な知識の取得であり、学力の向上ではないでしょうか。わたしたちは、幸いにも、お金をかけずして、インターネットやスマートフォンより、容易にそれが可能となる恵まれた時代に生きています。
マシュマロ実験と再現実験より歳月を経て、わたしたちを取り巻く環境も日進月歩で変化していきました。個人の小さな努力の積み重ねで将来は改革成しえる。
高学歴は社会的成功への近道であるという「学歴社会の通念」を打破することは不可能に近いのが現状ですが、それならば、
「高学歴の全てが社会的成功を収めているわけではない」
むしろ、それは一握りに過ぎない。
という矛盾を根底から覆さなくてはならない事態に陥るということです。
逆境を諦めずに、「社会的成功は自らの力でつかみ取ることが出来る」
と信じて、未来への期待へと繋いでいくことが大切であるような気がします。
最後までお読み頂きありがとうございました😊これからも頑張りますので、良かったらスキやフォローをお願いします💖