神田潤一

衆議院議員総選挙青森2区に自民党から、大島理森衆議院議長の後継として立候補し当選(現在…

神田潤一

衆議院議員総選挙青森2区に自民党から、大島理森衆議院議長の後継として立候補し当選(現在1期目)。青森県立八戸高校、東京大学経済学部卒業。米国イェール大学大学院修了。日本銀行、金融庁、マネーフォワード執行役員などを歴任。(写真は八戸市の種差海岸です)

最近の記事

子ども・子育て支援金の「負担」とは?

0.はじめに子ども・子育て支援金の「負担」に注目が集まっています。 しかしながら、その多くは説明のわかりにくさなどに起因する誤解に基づくもののように思われます。 ここでは、私自身の理解のためにも、「子ども・子育て支援金」を以下の観点からできるだけわかりやすく整理してみたいと思います。 ・実際にどのくらいの「負担」なの? ・「実質負担は生じない」って本当なの? ・子ども・子育て支援金はなぜ必要なの? なお、少し長くて数字も多いので、太字の部分だけ読めば内容がわかるようにしてい

    • 34年振りの株価最高値更新について

      0.はじめに本日(2月22日)は、日本の株式市場において歴史的な1日となった。 日経平均株価が、取引時間中に3万9156円、終値で3万9098円を記録し、1998年12月末に付けた最高値(取引時間中に3万8957円、終値で3万8915円)を34年2か月ぶりに上回ったのだ。 (冒頭の写真は日経新聞より) 株価はあくまで市場取引の結果であり、様々な要因で変動するため、一喜一憂すべきではないものの、それでも34年間超えられなかった大きな節目を、しかも高値圏で引けたことが示している

      • 藤田慶喜先生(フジキン)のご逝去を悼む

        2月5日に藤田慶喜先生が亡くなった。 私が長者中学校の3年間、学級担任・学年主任として大変お世話になった先生だった。 怒ると怖い先生だったが、お茶目なところもあり、生徒から「フジキン」として慕われていた。 ここでは、私の人生に大きな影響を与えてくださった「フジキン」の思い出を綴りたい。 1.口癖は「踏まぁ!」(蹴るぞ!)1980年代半ば、当時の中学校は校内暴力が全盛だった。 八戸市では比較的穏やかな方だった長者中学校にも校内暴力はあり、竹刀を持った生徒指導の先生が日々、校内

        • 二十歳になった皆さんと私の娘に寄せて

          (こののnoteは、2024年1月7日(日)に八戸市で行われた「成人式・二十歳の記念式典」で、二十歳になった皆さんと私の娘に向けたお祝いの言葉を若干編集したものです) 0.はじめにみなさんおはようございます。衆議院議員の神田潤一です。 まずはお祝いの言葉の前に、1月1日に発生した能登半島地震、そして1月2日に発生した羽田空港の事故において亡くなられた方に、哀悼の意を表したいと思います。 また、現在も避難生活をされている方、そして大きな被害にあわれた方にお見舞いを申し上げ、私

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          来年度の「とにかく明るい!」経済見通し

          12月21日に総理大臣官邸で行われた「第17回経済財政諮問会議」に、担当の大臣政務官として参加した。 議事は主に、「来年度の経済見通し」と「目指すべき新たなステージに向けた有識者からの提言」だったが、これが非常にわかりやすく、かつ希望に満ちた内容だったので、ここで共有したい。 なお、実際の資料や議事要旨は以下の内閣府ホームページを参照いただきたい。 1.令和6年度の経済見通し:とにかく明るい!今回発表された今年度(令和5年度)の実績見込みと来年度(令和6年度)の見通しの概要

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          「政治資金パーティー」で述べた私の思い

          0.はじめに 先週月曜日(12月18日)、東京で2回目となる「神田潤一を励ます会」を開催させて頂いた。いわゆる「政治資金パーティー」である。  派閥の政治資金パーティーでのキックバックや裏金問題が批判されている中で、開催するかどうか迷ったが、自粛を要請されているのは「派閥」が主催するパーティーであり、「個人」が主催するパーティーについては自粛の対象ではない。  また、私自身については、これまでのパーティーにおいて、キックバックなどには全く関与しておらず、資金収支を適正に処理し

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          内閣支持率の急落について思うこと(与党の国会議員、国民の皆様、メディアの皆様へ)

          各種世論調査で、岸田内閣の支持率が急落しています。 それについて、私は与党の国会議員の皆さん、国民の皆さん、メディアの皆さんに幾つか申し上げたいことがあります。 (冒頭の写真は「TBS NEWS DIG」より) 0.あらかじめ結論・支持率急落の原因は3つ   副大臣・大臣政務官の不祥事等   → 襟を正し、謙虚な姿勢を貫きます   総合経済対策の説明不足   → 与党の全国会議員約440人が総合経済対策を自分の言葉で説明するべき   自民党議員のベクトルがバラバラ   →

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          総合経済対策は「85点」!

          私は、9月の内閣改造により内閣府の大臣政務官を拝命しましたが、その担当は、金融(金融庁)、経済財政、新しい資本主義、税制、感染症危機管理、スタートアップ推進などです。 このため、11月2日に閣議決定された総合経済対策も、新藤義孝大臣のもとで井林辰憲副大臣とともに立案に携わりました。 その総合経済対策については、いろいろな報道があり、いろいろな評価がきかれていますが、その内容や効果が正確に報道され、国民の皆さんに十分に理解されるまでには至っていないのではないかと思っています。

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          内閣府大臣政務官を拝命するにあたって

          去る9月15日に行われた第二次岸田内閣の内閣改造において、内閣府大臣政務官を拝命しました。 初当選から2年足らずのこの時期に、内閣の役職をいただくとは夢にも思っておりませんでしたが、それだけにしっかりと務めていかなければいけないと改めて気を引き締めております。 ここでは、内閣府大臣政務官を拝命するにあたってのそうした心構えを記しておきたいと思います。 担務の内容大臣政務官としての担当のことを「担務」といいます。 私の担務は、「金融に関する事務、経済財政政策、税制調査会に関す

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          岸田政権の経済政策「新しい資本主義」とは?

           先日、若手議員を対象とした研修会で、講師としてお招きした木原誠二官房副長官より「岸田政権の経済政策」というテーマで講義を受ける機会があった。その内容が非常にわかりやすく、政策に対する私自身の理解が大きく進むことになった。そのメインメッセージは、「日本はもはや『負け組』ではない」、「現在の経済状況を着実に改善していくためには『新しい資本主義』が必要」というものであった。  私はこの講義を聞いて、「これはぜひ、国民の皆さんにも理解していただきたい」と思った。そのため、ここではそ

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          日銀・植田総裁が「タイブレーク」で上々のデビュー

          (写真は日本経済新聞より) 今日、日銀が金融政策決定会合において、これまでの長短金利操作(いわゆるイールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を柔軟化することを決定し、発表した。 植田総裁になってからは、初めての金融政策の変更(総裁は「運用の柔軟化」と説明)である。 具体的には、 ・長期金利の変動幅のこれまでの上限だった0.5%を「めど」として、市場動向に応じて一定程度超えることも容認 ・10年物国債の指値オペの水準を1.0%に引き上げ(これが実質的な上限、これまでは0.5

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          台湾有事における財政・金融・経済面の課題について

          0.あらかじめ概要台湾有事を想定したシミュレーションに財務大臣役として参加した経験から、現状では以下のような財政・金融・経済面での課題があると考えられる。 (財政面) ・補正予算等によってあらかじめ相応の予備費を確保しておく必要 ・外貨準備を為替介入や金融機関の外貨資金繰りへ活用する可能性は限定的 ・日銀による国債引き受けはできる限り回避すべきであり、そのために代替となる手段を平時から準備しておく必要 (金融・経済面の課題) ・IMFや国連安全保障会議等に代わる国際的な経済安

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          「責任政党」と「国民政党」ということ(大島理森前衆議院議長の講演より

          本日行われた自由民主党の青森県支部連合会の定期大会で、大島理森前衆議院議長が講演をされました。 その中の「責任政党・国民政党であるということ」のくだりは、今の自民党に対する叱咤激励であり、大いなる期待のこもったエールであると感じました。 その内容をかいつまんでここにご紹介したいと思います。 なお、録音したりしていないため、実際の講演の内容を私なりに解釈し、再構成していることをご了承ください。 1.「責任政党」ということ自民党の国会議員や市町村議員の皆さんは、街頭などで「我々

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          インボイス制度の導入を前に不安を抱いている皆さんへ

          (はじめに) 本年10月1日にスタートするインボイス制度については、5月末時点ですでに課税事業者約300万者を超える344万件以上の事業者が登録申請済みとなっており、50万者を超える免税事業者も登録を終えていると考えられる(冒頭のグラフを参照)。 一方で、地元などでこれまで免税事業者だった小規模事業者の方などに話を聞くと、いまだに多くの方から「商売が続けられるか不安」とか「できれば導入を延期してほしい」といった声が聞かれている。 そうした方々にさらに詳しく伺うと、多くの場合、

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          青森県知事選挙をめぐる県連の対応等について

          以下は、本日(6月25日)行われた青森県議会議員と国会議員との会議の中で、県知事選挙における自民党青森県連の対応等についての振り返りとして、私からの発言内容をまとめたものです。 1.今回の選挙全体について今回の選挙は、20年振りに知事が交代する中で、自民党系の大変若くて優秀、かつ市長としての実績も豊富な二人が立候補するという大変稀有な状況での選挙戦であり、何が正解だったのか、その局面毎にどう行動すべきだったのかを一般化して振り返ることはなかなか難しいのではないか、ということ

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          青森県知事選挙、立憲民主党も「自主投票」の意味合い

           今朝の新聞(東奥日報・デーリー東北)に、立憲民主党が県知事選挙における独自候補の擁立を諦め、「自主投票」とすることを決定した、という記事が載っていました。  ご存知の通り、自由民主党の青森県連も今月上旬、県知事選挙を「自主投票」とすることを決定していますが、当然のことながら、自由民主党と立憲民主党の「自主投票」の意味合いは全く異なります。 1.自由民主党の「自主投票」の意味合い  今回の青森県知事選挙は、5期・20年間にわたって務めてこられた三村申吾知事が退任されることが

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