「速く走る」ということ2 重心の話

こんにちは。
良いトレーニングできていますか?
めっきり寒くなってきましたね。
そして北海道、東北、北陸地方は
大雪による災害が発生している様ですね。
特に新潟県柏崎市は、昔合宿で何度もお世話になりました。
これ以上被害が拡大しないことを祈るばかりです。

さて。
今回は前回の続きです。

速く走るということをテーマにしています。
タイトルにあるとり、今回は「重心」の話です。
最後に動画もあります。

前回の記事では、
トレーニングはより速いピッチ、より長いストライドを得るためにある、
ということをお話しました。
そして、ピッチとストライドは人それぞれ最適な速さや長さがあって
自分に合ったものを見つけなければいけない、という話でした。

お読みいただいた皆様、
読み終わってこんなことを思ったのではないでしょうか?

「じゃあどうすればいいの?」

ごもっともです。前回お話しませんでしたから。
なので今日はそれに関係する話をします。

日々のトレーニングは
より速いピッチやより長いストライドを得るためにあると
お話してきましたが、
その成果を確かめられ、かつ、ピッチやストライドの向上に役立つのは
やはり「ミニハードル」「マーカーコーン」なんです。
靴の長さの何個分かで、例えば靴6個分なら「6足長」と言って、
同じ感覚でものを並べてそれを超えながら走るという、
陸上競技の練習ではとてもメジャーなこの練習。
多くの人が日頃から取り入れているのではないでしょうか。
これまでよりもちょっとでも長い間隔で、
同じピッチの速さで走り抜けられた時や
同じ感覚でもピッチを速く走れた時の達成感もあり、
とても良い練習だと思います。

しかし。
中にはこんな人がいるのではないでしょうか?

「何回も、何ヶ月もやっているけど全然向上しない」

たくさん走って、筋力を強化しても
ミニハードルやマーカーコーンの間隔を変えられず、
ピッチも上がらないからタイムもそのまま。
そういう場合は走る技術に問題があります。
この練習はその判断もできるんです。

そこで正しいスプリントフォームを、という話をしますが、
「重心」という言葉をキーワードにお話します。

重心というのは、
全ての力が釣り合っている点のことで、
身体の重心とは、どこからみても中心にある場所、
という意味合いで使われることが多いです。
要は身体の中心地点で、前後左右にブレる性質があるものです。

ミニハードルがうまく走れなかったり、
それはできるけどなんか走りがイマイチしっくりこない、
重たい感じがする、
地面に力が伝わっていない感じがする、などなど、
走る技術を観察する上で、重心の位置を修正することで
解決できることは割と多くあります。

具体的に説明します。
中間疾走(要はスタート直後の走りではないところ)の話です。

例えば走っている姿を横から見て、
身体がのけぞっていたり後ろに傾いていたりする場合(後傾)、
重心は後ろにあり、前へ進む力はもちろん失われます。
イメージが湧きやすいのではないでしょうか?

次。
今度は逆に前に傾き過ぎて走ったら(前傾)
重心は前にあり、膝が上がらずストライドは伸びません。
足も後ろに流れやすく、ピッチもうまく上げられないでしょう。
そして太ももの筋肉を使って走る走り方になり、
すぐに疲れます。

つまりは、身体は前にも後ろにも行き過ぎず、
足を地面についたときに、
ついた足の真上に重心が乗っているのが理想です。
この姿勢だと、ストライドも出しやすく、
脚が最短距離で運べるのでピッチも上げやすいんです。

ここまで書いて、気づいた方もいるかもしれませんが、
重心は姿勢で場所が変わります。
確か理科でも習いますよね?
それを陸上競技でも意識できるかが重要なんです。
なので、止まった状態からスタートをするときは
あえて身体を前傾にして重心位置を前にして
そのエネルギーを使って前に進む。
でも加速して、そのスピードを維持するときに
前に傾いたままでいるとさっき書いたデメリットが出てしまうため、
だんだん姿勢を起こして効率よく走りを切り替えていく。
短距離というのは難しく言えばそういう構造なんです。

では、その姿勢や重心位置をどうやって練習するのか。
足をついた瞬間に重心が足の真上に来るためにはどうすればいいか。

実は、人間は速い動きの中で細かい動きを覚えることは
苦手な生き物なんです。

音楽の時間、リコーダーで演奏の練習をするときに、
いきなり本番と同じテンポで練習しないですよね?
まずはゆっくり練習すると思います。
陸上競技も同じで、トップスピードに近い速さの中で
技術をトレーニングすることはとても難しいんです。

もちろん全くないわけではありません。
トーイングのように、自分が出せる以上の速さで走りながら
フォームを安定させることもありますが、
それも含めて、トップスピードで走った時の技術は、
ゆっくり練習したことの結果の現れだと思っていただいて構いません。

では、重心や姿勢を改善できるゆっくりとした練習は何か。
それが「ドリル」なんです。
ドリルは重心や姿勢を意識できるチャンスなんです。
脚の運び方だけに気をとらわれて、重心や姿勢を意識しないのは
非常にもったいない。
ましてやなんとなくアップだから、と習慣のようにやっていたら
正直意味がありません。
もっと言えば、アップのジョギングでさえ、
重心や姿勢を改善するとても良い練習なんですよ。

脚のつき方やそこにどう重心を乗せるか、姿勢はどうか、など
意識1つで練習の質がガラッと変わります。

なので、ドリルは普段行っているもので構いません。
ジョギングの距離も人それぞれだと思います。
繰り返しますが、意識1つで質は変わります。
重心の乗せ方を覚えることができます。

参考までにいくつかドリルの動画も載せておきます。
どれも、足をついたときに身体が足の真上に来ることを意識しています。

まだドリルはありますが長くなるのでこれくらいにしておきます。

ということで、今日は重心の話を使って、
ピッチやストライドの向上に関する話をしました。
繰り返しますが、ミニハードルやマーカーコーンは有効な練習です。
しかしいつまでもうまく走れない場合は重心の位置、つまり姿勢を見直し、
正しい重心位置を意識して走ることが重要だという話をしました。

もしご質問があればここかTwitterの方で随時受けてけていますので
お気軽にお声かけください!
それでは。

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