海の光

「泣ける話をしたくなる場所」

もう1年半ほど前の話になるが、NHKの歌番組「SONGS」で泣ける歌特集という内容を担当した。街頭インタビューで泣ける歌とエピソードを紹介するという内容。予想外に、いろんな世代のいろんな方々の大切なエピソードを紹介することができ、おかげさまで、好評をいただいた。

振り返ると、自分でも不思議なほど、「泣ける話」という初対面の人に話しにくような個人的なものをたくさん撮影できたと思っている。

なぜなんだろう。改めて考えると一つの法則を発見した。

それは、「フィクションでリアリティを上げる映像の文法は、ドキュメンタリーにも応用できるということ。」

どういうことか。

例えばフィクションの映像を撮影するとき、重大な告白をするシーンとして、
例えば人気のない砂浜、例えば屋上、例えば河原人気のない場所を選ぶ。それは、告白というシチュエーションのリアリティを上げる装置として。僕は、こう考えた。逆に、そういう場所に行けば、実は、初めて出会う人も、深い話を告白しやすいんじゃないかと。街頭インタビューのセオリーからは外れるが、人気の少ない、夕陽のきれいな海や静かな河原に出かけてみた。すると、おどろくほどしっかりと話しをきくことができた。

そういえば、友達が、フェイスブックで投稿していた。
「田舎の方が恋愛関係になりやすい。なぜなら、二人っきりになる場所が多いから」と。なるほどと思う。

場所と、物語は相当密接に関係している。

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