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翻訳可能な文学のすゝめ


はじめに

 はじめまして、岡山淳平です。オカヤマパブリッシングという電子書籍レーベルとして、これまで6冊の本と、たくさんのエッセイを書いてきました。こちらのサイトにまとまっているので、ぜひ覗いてみてください。


新刊「Rain」について

 さて今日は、最新刊「Rain」と、その作品のコンセプトである「翻訳可能な文章で書くこと」について、紹介していきたいと思います。

 「Rain」は約1万5千文字の小説です。

 中学生のときに夢中になっていたブログが、東日本大震災の数日前を最後に更新が止まってしまう。管理人が被災して亡くなってしまったのかどうかは、主人公には知る術がない。それから10年経って、大人になった主人公は、コピーしておいたそのブログの記事を、インターネットにアップし始める。そんな物語です。

 この小説の特徴は、翻訳可能な文章のみで書かれていることです。それにより、24カ国語版を同時に掲載しています。日本語も、「①日本語」→「②英語」→「③日本語」と翻訳したうちの、「③日本語」を掲載しています。

 翻訳可能な文章で書くことで、一億人程度と限られた日本語の読者だけでなく、世界中の人に向けて物語を発信することが可能です。日本語で書かれた物語が世界で翻訳・出版されるまでには、大きなコストがかかります。よほどの人気作でなければ、複数言語に翻訳されることはありません。そういった意味で、この荒技を用いて世界に届ける物語を書くことは、大きな意味があると考えています。

 論文やSNS上のコミュニケーションではなく、文学から始まることで、多くの作家のクリエイティビティの力を借りて、言語の壁をポジティブに超えていけるのではないかと考えています。


翻訳可能な文章(Translatable text)の書き方について

 ここでは、簡単に手法をお伝えしたいと思います。ツールはDeepLという機械翻訳サービスを使っています。まず小説を書き、下記の順に文章を翻訳していきます。これを、「折り返し翻訳」と呼びます。

「①日本語」→「②英語」→「③日本語」

 そして、③が自分が意図した意味の文章になっているかを確認します。なっていない場合は翻訳が成功していないため、「①日本語」を修正します。この作業を「翻訳リペア」と呼びます。

 以上を繰り返し、翻訳可能な文章を作成します。出版の際には、「②英語」を世界中の言語に翻訳して出版することをおすすめしています。



おわりに


 このnoteでお伝えしたいことは以上となります。ぜひ皆さんも、この翻訳可能な文学を試してみてください。書いたらぜひ、僕にも読ませてください。

 より詳細な翻訳可能な文章の書き方については、「Rain」を買ってくださった方に限り、本文を引用しつつまとめたものを送付させて頂きます。下記のリンクよりご購入頂き、Kindleアプリのスクショを私のTwitterまでDMしてください。

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 翻訳可能な文学を通して、世界がポジティブに繋がる世界を楽しみにしています。

岡山淳平


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