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Redfin:目指す先は不動産仲介業のザッポス?

前回はZillowの決算を見ました。
今回はZillowとよく競合視されるRedfinの決算を見てみました。

Redfin=オンライン不動産仲介会社

Redfinがターゲットとする仲介市場は手数料だけで約8兆円あり、86,000のブローカーが競い、日本同様に情報の非対称性が生まれているために顧客との信頼関係が破壊されています。
その点に疑問を持ったDavid Erakerが2004年に創設しました。
ユーザーファーストで不動産仲介市場を再定義することをミッションとし、テクノロジーを最大限に活用することを手段の一つにしています。
Redfinの売上の97%が仲介手数料であり、売上の94%が広告課金であるZillowと比べて、顧客、顧客への提供価値、ビジネスモデルが明確に異なります。

目指す先は、不動産仲介業のザッポス?

そのようなRedfinの決算を見る限り、Refdinが目指す先は「不動産仲介業のザッポス」なのではないかという仮説がたちました。
その理由は2つあります。

1)利益は敢えて赤字??

その1つが、利益です。
売上がFY2013年から毎年前年比40%で成長しています。
にも関わらず、Net Incomeが常に少し赤です。
もしかしたらFY2018にはNet Incomeが黒字になって勘違いになるかもしれませんが、決算説明のHighlight部分に、手数料1%の地域が18増えたという記述がありました。
手数料5-6%が慣習の中、80%近い価格破壊をしてまで、ユーザーファーストを貫いています。

2)従業員評価制度が売上ではなく顧客満足度連動

2つ目が従業員の評価制度です。
一般的に不動産仲介エージェントの報酬体系は売上連動です。
Redfinは顧客満足連動のようです。
ユーザーが物件を購入しなくても、満足度が高ければ、担当エージェントの報酬が上がります。

縦軸の数字がないので参考程度ですが、NPSが他社と比べて高いことをIRに公表しています。

目指す先は、不動産仲介業のザッポス?

ユーザーファーストで不動産仲介市場を再定義することをミッションとしているRedfin。
そのためにテクノロジーによる情報の即時性、透明性、正確さを担保しながら、顧客が払う手数料をできる限り下げています。また顧客満足を高める社員を抱えることで、マーケティングコストをかけずに月間2,300万人がサイトを訪れるという好循環を作っています。

Redfinの目指す先は不動産仲介業のザッポスではないでしょうか。


p.s.

Technology-powerdと書かれた企業はテクロノジーにどれだけ投資しているのか気になりました。

FY2016/17の2年合計で77億を投資してます。売上比率12%です。マーケティング費用よりもかけているのがわかります。

p.s.2

価格推定モデルは日本国内でも出てきました。
実際との乖離率1.96%というRedfinの正確性もすごいですが、「2週間以内に売りにでる」機能が気になりました。