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#2 遺品整理と廃品回収の依頼を通じて分かった楽しんで働くことの大切さ

母の妹にあたる叔母が今春永眠しました。74歳でアルツハイマー型認知症進行により独居が厳しくなり、グループホームで5年を過ごし、更にそこでの暮らしが難しくなったことから、所謂、看取り病院へ入院し、半年ほどで息を引き取りました。

叔母は生涯独身のため、グループホーム入居前のフォローや入居後の面会や事務対応は母が対応していました。その母も年齢的に叔母のフォローする事が難しくなり、グループホーム退去・入院からは私が対応をバトンタッチしました。

入院後、直ぐにグループホームの退去手続を行うため、私物整理を急ぐ必要に迫られ、廃品回収業者探して作業を依頼しました。そして、今回、叔母の自宅に残された遺品の整理に取組み、「廃品回収」と「遺品整理」に私なりに感じた違いを書き残すことにしました。

初めての廃品回収依頼

グループホーム退去による私物整理を行う前年、自身の大型書棚を廃品回収業者に依頼し処分しました。幅120cm高さ180cmほどのサイズで、ガラス扉付きの書棚で、自力で運ぶ事が出来きないことから、行政による粗大ゴミに出す事が不可能なため、廃品回収業者への依頼が必要となり、5社程に問合せを試みました。

そこから私なりに理解したことは、「廃品はコンテナに収めて処分するため、料金設定はコンテナ1点に対する価格となり、今回の様に大物の場合はたとえ1点でも、それに見合ったコンテナが必要で割り高」ということでした。

更に、大型家具で作業に2名を要することから、1つの書棚でも費用は数万円かかる様でした。

5社に問い合わせすることは手間がかかりましたが、値付けに対する理由と相場が自分なりに納得出来たので良しとし、比較的スムースにコンタクトが取れた1社を選び依頼しました。

作業日に見積り頂き、納得がいけば依頼、となります。前の作業が長引いた事を理由に、大幅な遅刻には辟易しましたが、見積りが相場金額だったので、その場で回収をお願いしました。

作業員お二人のうち、お一人の書棚持ち運びが乱雑に感じられ、たとえ不用品で処分するものであっても、良い気分はしませんでした。

2度目の廃品回収依頼

書棚の処分を通じて、グループホームの私物整理はパック料金になる事を想定。また、ホームでの作業になる為、時間の正確さを考慮しつつ、前回とは違う業者に依頼しました。

横道に逸れますが、叔母は姉である母の采配で、入居時にタンスや棚、コートラック、藤製の椅子、人形類、多量の衣類を持込みましたが、開放された扉により見えた他の方の居室には、プラスチック製衣装ケース数個で、その違いには非常に驚きました。こういう所には、最小限の必要な身の回りのものを持ち込む事がベスト、と学べる良い機会となりました。

施設長の「建物に傷、つけないで」と眼光鋭く監視が入った事も多少影響したか?
この時のペアは大物の持ち運びは慎重に行なっている様子でした。

初回は空の書棚だったことから、初めて中身の処分をして頂き分かったことは、衣類や小物等家具以外のものはビニール袋に詰めて持ち運ばれました。

処分するものなので当然と言えば当然ですが、スピーディーにビニール袋に詰めていかれます。清々しい秋晴れの日でしたが、その片付け作業を目にして、とても感傷的な気持ちになりました。

遺品整理をお願いして

悪いことをした訳ではないものの、生きている人の持ち物を勢いよく処分する作業を目にすることは心地良いものでは無かったことから、グループホーム入居まで暮らしていた叔母の自宅の片付けを、中々手を付けられずにいました。

亡くなってから半年ほどが過ぎ、今手をつけなければ春まで放置になってしまう!
暑くもなく寒くもない今しかない!と思った時に、「遺品整理」と言うキーワードが思い浮かびました。

グループホーム退去時に作業に当たって頂いた方に、自宅の整理もお願いするかもと相談していましたが、ビニール袋に手際よく衣類等が詰め込まれていった事が引っかかり、もう少しダメージを感じない作業を願っていたので、今回は「遺品整理」で検索をしました。

今回依頼した業者はサイトによると、廃品回収業を始めたが、廃品を出してもらうまで待つのではなく、頂きにいこうと言う発想から遺品整理の請負を始められたとのことでした。また、廃品の処理はその地域の免許制で、儲けも少ない。対策として、遺品には綺麗な家具類も多いので、他国へ売却し利益を得ているとの事でした。

不法投棄に手を貸すことは避けたく、廃品は免許のある所で処分くださり、使えるものは廃棄せず活用して貰えると知って方針に賛同したことから、その業者へ問い合わせのメールを送信しました。

驚くほど早いレスポンスで、見積もりをお願いしたところ、見積もり担当の方もきちんとした方印象で、見積額も想定内だったことから作業を依頼しました。

作業の責任者+1名は依頼した会社に雇用されている方の様で、その他の3名はアルバイト?派遣スタッフ?の様でした。お約束の時間を過ぎて「事故渋滞で10分遅れる」と言う入電後、約束の時間に20分遅れた到着を気にすることなく大らかに登場した責任者の方に不安を覚えましたが、指示と作業が全体的にソフトでありつつもスピーディーで、予定より1時間早く終了する頃には、ここにして良かったと思いました。

見積もりの段階で、処分するものと、持ち帰るものを分け、午後に回収業社が処分品を受け取ると言う作業工程は聞いていましたが、実際その通りに動かれていました。

この経験を通じて
・ホーム入居時の私物は最小限
・遺品整理は専門業社を選ぶ

多くの方は当たり前のように対応していることと思いますが、無知な私は叔母により体験させて貰って学べたことに感謝しています。

何より大切なことは楽しんで働くこと

本文の中に、スタッフの方の対応から感じた事について少し触れさせて頂きましたが、3社12名の方々の其々の様子を間近に見て、働くことについて考える機会となりました。

まず、どの様な職種も適正が多分に影響しますが、片付けにまつわるお仕事についていらっしゃる方は、概ねご自身の適正が分かって仕事に就いている方が多い様に思います。

加えて、その適職を楽しそうに取組んでいる方と、つまらなそうにしている方の2タイプを見て、楽しそうに仕事する事はとても大切だと思い知らされました。

遺品整理の当日責任者の方は、遅刻しても臆する事なく、言葉は失礼ですかのほほんとした雰囲気で大丈夫⁈と心配しました。それは依頼者の私にだけでは無く、作業する方に対しての指示もソフトで威圧感が無く、ふわふわ且つささっと皆さまに動かせていました。

沢山の荷物を片付けると大変ですねーと声がけしたところ、「綺麗になっていくので、気分が良いです!」とのお答えには、新鮮な気持ちを持ちました。

20台前半だそうですが、お子様がお二人いるそうで、何だか幸せな暮らしをしている事が伝わってきました。

一方、派遣スタッフと思われる40代と思しき方は、テキパキと作業を進めてくださっていたものの、無表情で残念ながらつまらなそうに見えました。

コミュニケーションに置いて、感じ良くしようと思ってきましたが、自らが楽しむ事が相手に良い印象として伝わる事に初めて気づけました。

廃品回収も遺品整理も、頼む時には気が重かったですが、綺麗に片付けて頂いたうえに、大切な事にも気づく事が出来、とても有意義な体験となりました。






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