見出し画像

#21 自筆証書遺言書保管制度を利用するため、法務局へ行って参りました。

遺言書はお金持ちにとって必要なもので、私たち家族には縁遠いもの、と考えていいましたが、昨春亡くなった叔母の相続を経験し、身近で必要なものと認識が変わりました。多くの方に、遺言書準備の必要性が伝わればと思い、老親の自筆証書遺言保管制度利用の経験談を綴ります。

尚、あくまでも制度に関する説明ではなく、体験談です。自筆証書遺言保管制度の利用について検討されている方に、我々の珍道中をご紹介することで、ハードルを下げていただく事ができるかも、という内容です。ご了承ください。

何故、遺言書を準備することにしたか

遺産分割協議書と法定相続情報

叔母は生涯独身で、子は無く、両親は他界しており、法定相続人は兄弟である兄と姉(=母)でした。叔母は分譲マンションを保有しており、その相続について私のつてを頼って信頼のおける司法書士の方に相談しました。

無知な私はそれまで、不動産相続を司法書士の方に依頼して対応いただけば良い、という安易な認識しか持ち合わせませんでした。

まず相続手続きを進めるにあたり、遺言が無い場合には「遺産分割協議書」の作成が必要であることを教えて頂きました。更に、預金口座の解約時に必要な戸籍類に代えて利用が出来る「法廷相続情報」の作成も提案してくださいました。

実際の手続きを進めて

金融機関に勤務する従姉妹が、保険金請求時用にと必要な範囲の戸籍謄本を用意して渡してくれましたが、そうなのね、と何も思わず、寧ろ、こんなもの早々に準備してなんだかね、と思いながら受取りました。「法定相続情報」の説明を聞いて、預金や保険の解約・請求に、戸籍もしくは法廷相続情報が必要なことをここで初めて知りました。

因みに、厚生年金でも戸籍情報が必要になり、法定相続情報で代用出来ることも後から知った次第です。

詳細をSNSに開示することは差し控えますが、伯父、母、叔母は、金銭に関して全く揉め事がない事から、遺産分割協議書を作成することに関してはスムーズでした。とはいえ、内容に了承を得るためや、署名捺印を貰らうために出向いたり、印鑑証明を用意して貰ったり、司法書士事務所に通ったり、と手間のかかる作業だと痛感しました。

この相続に関する相談をした際に、「遺言があれば遺産分割協議書が必要なくなる」聞いた母と私は、これは便利、と思い是非準備を進めましょうと話が纏まりました。

自筆証書遺言保管制度を選んだ理由

司法書士の方との最初の面談で、遺言、について説明頂いた際に「公正証書遺言」も紹介頂きましたが、「字がかけるから自筆証書遺言で良いと思う」と提案いただきました。

「自筆証書遺言の書き方」に関する書籍や、法務省の該当サイトに詳細な説明があるので、自力での作成も可能かと思いますが、我が家は書き方から提出の方法まで、司法書士の方にサポート頂きました。

依頼した司法書士の方が同性で、私の知人からの紹介ということや、面談では世間話しや互いの家族の事などをリラックスした雰囲気で会話する事が出来たので、自筆証書遺言について母も理解を深める事が出来、信頼関係が構築出来たことも自筆を選択した理由です。

説明を聞いた当初は、公正証書遺言を作ろう、と話していたのですが、緊張等の負担を考慮すると、我が家には自筆が向いていました。

保管の申請

保管申請の予約

該当サイトに詳細がありますが、必要書類を揃えたら、提出先の法務局に予約を入れます。予約は専用サイトからが簡便ですが、「本人の予約」が条件。母はインターネットでの予約が難しいため、電話予約をしました。予約時には、名前や生年月日、連絡先等を聞かれる為、通話で会話が出来る必要があります。ここは無事にクリアできました。

保管の申請

いざ当日、予約時間になり担当官の前に母と私で着座したところ、これからの「これからのやり取りは本人のみになる」と通告され、横から私がサポートすることは止められました。当たり前ですが、他人が唆して書かせた遺言を受付ける事が無いようにとの対応かと思われますが、その厳格さには少し腰がひけました。とはいえ、戸惑る母には、答え易いように質問し直してくださったので、普通に会話が出来れば高齢者でも申請は可能かと思います。

担当官の内容確認だけでも十分なほど、穴が開くまで、といった形で確認くださっていましたが、「複数人で受付られる内容を確認するので、1時間後に戻って来てください」との通達でした。

笑い話ですが「私、この辺り初めてで分からないですが、どこか良いお店ありますか?」と母が担当官に質問した時には、笑いを堪えながら「そんな質問してもお困りだから、とりあえず行こう」と席を後にしました。

館内のベンチで45分ほど時間を過ごした後、担当官の席に戻ると「受付できましたので、3,900円の収入印紙を購入して来てください」との申し渡しがあり、休んでいたベンチの方へ戻って印紙を準備して、席に戻りました。

そこで保管表と制度に関するパンフレットを頂き、無事に終了と相成りました。

自筆証書遺言保管制度について

詳しくは、下記の法務省の自筆証書遺言保管制度についてのサイトをご参照ください。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html


















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?