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「センスねーなー、やめたら」と言う人こそ、やめたほうがいい 002

そもそも、「センスがある」と言う時の“センス”とは

いったい何のことを言うのかというと、

主に、“素質”や、時として“才能”を意味しています。

つまり、「(デザインの)センスねーな…」とは

「(デザインの)才能がない」、もしくは「(デザインの)素質がない」

と言っているわけです。

言い換えれば、デザイナーには“センス”がなければならない

と言っているようなものです。


どうして、そんな“センス”にこだわるのでしょうか。

仕事ができないからです。

いや、そう言ってしまっては話が終わってしまうので

ちょっと話を膨らませましょうか。


アート(芸術)と“センス”の関係性

中学・高校では、教科に「音楽」や「美術」がありますよね。

いわゆる、アート(芸術)に触れたり、体感する授業で、

そういった意味では、実技ばかりで、

他の教科と違って勉強すればいい点を取れるわけでもなく

苦手な人にはとても苦痛な授業だったかと思います。

そんな教科ですが、

成績がよかった人ってどんな人だったかと言うと

「音楽」や「美術」の“才能”“素質”をもった人たちばかりです。

歌がうまい、絵がうまい、楽器が演奏ができる、工作が上手など、

よーい、ドン! で始めて、これだけ人によって差が生まれるのは

持って生まれたもの、つまり“才能”や“素質”に他なりません。

そういった認識があるから、美術で習うデザインなどの仕事をしている人は

“才能”や“素質”があると思い込んでしまうのかもしれません。


“クリエイティブ”は、“アート”じゃない

「教科」での“アート(芸術)”は、

「職種」で言うと、“クリエイティブ”にとって代わります。

もちろんアートの分野がすべて

クリエイティブに分類されているわけではないのですが、

デザイン系の仕事を含めてほとんどの分野が

クリエイティブに属してきます。

実にやっかいです。


さらに言えば、

クリエイティブに分類されていないアート系の職種が

“アート”という言葉を含めた近いカタチで分類表現されているかと言えば

そうでもないので、勘違いをしても無理はありません。


そもそもクリエイティブ(創造的)という意味は、

創造的、独創的、いままでにない新しいものです。

そう聞くと、

お題があって、思い思いに描いたり、作ったりして表現した

なんか「美術」の時間を思い出しますよね。

そんな想像を掻き立てる言葉ということもあって、

クリエイティブの仕事へ就く新入社員たちは

創作意欲満々でわくわくしながら入ってきます。

でも現実は、制約ばかりで自由度がなく

ショックを受ける人がほとんどではないでしょうか。


「美術」の授業のように、

自分が中から表現した芸術作品を作るアートではないのです。

その大きな違いがクリエイティブなんです。


次からは、もう少し具体的に踏み込んだ話をします。

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