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記憶の中にある花〜パンジー

パンジーの花を見ると

パンジーの花を見ると思い出すのは、、、
私がまだ園芸の仕事を本格的に始める前のこと、息子が幼稚園に通い出した頃なので、26年も前のこと。
保育園に通っている頃と違い幼稚園に息子が通いだすと、今までのように「保育園へ送り出す」のではなく「幼稚園に行ってしまう、、」そんなちょっとした淋しさも感じた。なんだか巣立っていく雛鳥を遠く眺める感じ。


息子が生まれてから8ヶ月後に新しい仕事を見つけ、はじめての一人暮らしと仕事と子育てと、、と相当頑張っていた暮らしから、専業主婦になると、今までの習慣から、いつも短い時間で家事をこなしていたので、時間を持て余し気味になってきた。当初は、あまりにも暇なので、家の中の整理をしまくり、家具の位置替えなどを頻繁にして怒られたことがある。整理してスッキリしすぎて、逆に落ち着かない、、と。
いやいや、時代が早すぎたかもしれない。今はなんでも「断捨離」ブームなんだから、、、。
遊びにきたお母さん達からも、生活感がない、、、と言われる。
モデルルームみたいだって。これも、時代が早すぎたか、、、今なら、「インスタ映え」バッチリの家だったはず。

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そんな時に、救世主のように現れたのが「ガーデニングブーム」
ようやく、ようやく、、時代にジャストオンタイムとすぐに乗ってみた!
そしてハマった!!
何しろ園芸はやること盛り沢山。そして未知の世界だからわからないことだらけ!
そして私の好奇心と探究心を見事に満たしてくれた!!

3LDKの快適な部屋があったというのに、私はいつもベランダにいた。
もうできたら、ここに寝袋を置いて寝たい、と思うくらい。
ああ、今でいうと「ベランダ・グランピング」かぁ、、、、!

なので、息子が幼稚園から帰ってくると、、、
「ただいま〜!!ただいまぁ〜〜〜〜〜〜!!!お母さんどこ??
お母さ〜ん!!」
とベランダへ直行。彼は既に知っていた。私がガーデニングに取り憑かれているって。そして、冷蔵庫から飲み物なんか持ってきて今日幼稚園であった出来事なんか話してくれる。「うん、うん、そうなんだ〜」と言いながら手は土の中。
もうこの時から、彼は営業のスキルを持っていたのかもしれない。
「、、、、へぇ、、そのお花かわいいね」
なんて言ってみたりする。
「それ、なんていうお花?」
と話を膨らませようとする。母はここでようやくよし!息子と遊べるっ!!
って心の中でガッツポーズ。
「ん??このお花? ちん、、、チンパンジーっていうのよ。」

「えっ???? チンパンジー???」

「そう、チンパンジー、、、」

「へぇ、、、、チンパンジーってかわいいね。」

おお、、、、息子よ。良い返事だ、、、、とニヤリ。
それからもちろん「お母さんっ!!嘘言ったァ!!!!」と問い詰められた記憶もないし、あいつの中では今でも「チンパンジー」な「パンジー」??
世の中にはね、騙したり嘘をついて信じ込ませようとする人がいるのよ、、気をつけなくっちゃ、ね? と母は苦渋の、身を切っての教育!?


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パンジーの育て方は?

そんなかわいい?エピソードもあるせいか、やっぱり毎年秋になるとパンジーを植えたくなる。
(良心の呵責???早く気付いて!!という息子へのメッセージ???)
そうこのパンジーは、秋の10月ごろから店頭に並びはじめ、このゴールデンウィーク辺りまでずっと咲き続ける、冬の代表的な花
花色も豊富。初心者の方にはもってこいの花。
元々は、園芸品種で19世紀になってはじめて定着した一年草
黄、オレンジ、赤、紫、青紫、白青、ピンク、黒と、いろんな色があり冬枯れの花壇を華やかに彩る。昔どこかのホームセンターで、「冬のお庭のアイドルパンジーはいかが?」と店内放送をしていたが、本当にパンジーは「冬のお庭のアイドル」と言ったフレーズは、ぴったり。日当たりがいいところでよく生長し、降雪で株が雪に埋まっても、低温で凍結しても、雪や凍結が解けた後にまた元気に花を咲かせることができるのです。最近では、パンジーよりも小さな花のビオラと一緒に、品種改良がさらに盛んに行われるようになり、とても魅力的な花が多くみられる。
花を長く咲かせるためには、やはり肥料も継続的に必要。また、花柄摘み、と言って花が終わった後にそこにタネがつかないように、摘み取る必要もある。
少々面倒に思われるかもしれないが、この花柄摘みをするかしないかによって花が咲く期間が伸びたり、また大きくて良い花が咲き続ける。

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そんなパンジーにはいくつかの言い伝えがある。
花弁に露がついたパンジーを摘むと、愛する人の死を招くとか、
パンジーの汁を、寝ている時にまぶたに垂らせば、目覚めた後で最初に見た人を愛するとか、、、、実際に意識してやったことはありませんが、(特に最初のとか)植物にまつわる言い伝えにはロマンチックなものやその美しさとは裏腹なドロドロした物語とかがあって面白いですね。

花言葉は、、、

花言葉は「もの思い」
花の模様が人の顔に似ており、花が前に傾いた様子が思索にふけるように見えることから、フランス語の「思想」を意味する単語「pensée(パンセ)」にちなんで名づけられたと言われています。

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この顔が、、、実は子供の頃には超〜〜〜怖かった。
小学校一年生の入学式の時に花壇にきっちりと整然と並んだパンジーがじ〜〜ってこっちを見ているようで。

な、何??なんなの???何を見ているのヨォ、、

とただでさえ緊張しているのに半ベソだった思い出。

それも時が過ぎ、子供とのエピソードや、毎年季節を巡ると顔を見せてくれるパンジーに少しずつ愛着も湧いてくるもの。
嫌な思い出も、時と一緒に変化していくものですね。


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そして、そんな私も今や、一部の人からパンジーの母と言われるようになった。
私がカダンという園芸ブランドのアドバイザーを17年も続けているフマキラーという企業から出ているパンジー「ボニータ」。世界最大の花の大きさのパンジー。
花の直径が最大13センチくらい。子供の顔くらいの大きさになるパンジーです。「ボニータ」の意味は、「かわいいね!」
スペイン語で子供や物がかわいい時に使う言葉らしい。
発売当初は、大きな顔のパンジーより小顔のビオラが好き。という奥様達が多く、ちっとも見向きされなかったボニータ。そうなるとなんだか一層不憫に思えてきて、どうにかこの子の良いところを見つけてアピールしたくなったりして。
全国で講座をしながら、ボニータの販売促進をするのも私の仕事のひとつです。
ようやく最近では、花壇映えする、手入れが簡単、丈夫ということで、認知度も上がってきたところです。ずっと売れるようになるまで見守り続けているから、私はパンジー「ボニータ」の母と言われるようになったわけです。
そして毎年、震災で街が流された宮城県の女川の小学校と商店街と災害住宅の中庭などに、このボニータを植えに行っています。きっとこれから6月くらいまで元気に咲いているかと。
遠くの土地でも多くの人を笑顔で迎えている我が子を思い、最後まで綺麗に咲き続けるよう、手入れをする毎日です。

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こんなふうにたくさんの品種改良がなされたパンジーの種類がありますが、
さて、皆さんはどんなパンジーがお好き?

街を散歩して、お気に入りのパンジーを見つけて、今年の秋にぜひ家に連れて行ってあげてください!  

植物との思い出はいつもあなたの心をポッと暖かくしてくれるかと、、、。

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