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イケてない俺が結婚できた話。



結婚して17年目。
いいこともそうでないことも色々と経験している結婚生活。
本当は

セックスレスになった俺たち夫婦、13年ぶりに「したい」と妻にお願いした話

を書こうと書き始めたが書き始めたら前段が止まらなくなったのでまず妻と結婚した経緯を振り返っていきたい。

元々全然いけない俺。
大学にいくまで女の人とロクに話もできず大学時代にやっと女友達というものができたが話をするのは相変わらず苦手。
小中学校時代は可愛いなと思う子をただ遠くから眺めてるだけで話することすらできず。
高校時代は男子校、通学電車で告白されたという友人の話とか女子校の子らと集団で遊びに行ってきたという話を後から聞くだけで当然のように女性との接点はない。
初恋とはっきりと言える存在は19歳の時。アルバイト先の2つ年上の人。
誰にでも明るく接してくれる笑顔のかわいい人。俺に対しても他の人と変わらず接してくれる。はっきり言って一目惚れ。
周りの人から言わせれば俺の好き好きオーラは全開ですぐにわかったと複数人から言われたがそれでも普通に接してくれて、お互いが結婚したので会うことはないが年賀状だけは続いている。
21歳の時に初めて彼女といえる存在ができる。これも初恋の人と同じアルバイト先の18歳の高校生。何故か俺みたいな男にグイグイくる変わり種。その子が好きとかじゃなく「女の子と付き合える」状態に舞い上がる。
初めてもその彼女だったが既に経験済の彼女に手取り足取り教えられるヘタレ具合。
初めての彼女に舞い上がり、歳上なのに常におどおどしてる状態。
大学生になった彼女に当然のように捨てられる。
それでも大学時代は友達と呼べる女性と二人で遊ぶことが何度かはあった。その時はそれだけで達成感が感じられ、どうせ振られるくらいならこのままの方がいいと
そこから社会人になるも9年くらいは彼女ができず。
原因は数え切れないほどあるが
・見た目が誰の目から見てもイケてない体重三桁に乗ってしまったデブ
・仕事ができるわけでもない
・一人が好きで没頭している趣味がある
・第一印象で好感持たれることはまずないからある程度の時間をかけて売り込まないといけないのにすぐ惚れてしまう
・すぐに結果を求めて長期戦略が練れない
・気に入られたいがあまり自分の本当の本音は出さない(出せない)
・どうせ俺なんて、と常に悲観的に物事を捉えてしまう等々…
30歳も越え周りの友人たちはほとんどが結婚。周りからは「お前はまだなのか?」「彼女作ればいいのに」などと言われるがまだマッチングアプリのない世の中(その時代にマッチングアプリがあっても彼女ができる自信ははないけどw)、今まで自分から動いて彼女ができたこと人間がそうそう簡単にできるほど世の中は甘くない。
こんな俺でも自分から告白したことは何度かはある。
でもそのほとんどが「友達と思っていたのに…」と言われ撃沈。
一度「無理無理、絶対に無理。もう私の前に現れないで」と言われたこともある(笑)
そんな人生だったので卑屈になるのも必然。世話好きおばさんからのお見合いの話も舞い込むようになるもまたいつもの「どうせ俺なんか」状態が発動され、お見合いを受けることすら前向きになれず。
この頃は「ああ、もう俺は結婚しないんじゃなくて、できないだろうな」「もうセックスもできずに生涯終わるのか」なんて恋愛に対しては常に後ろ向き。
でもこの時にポジティブに前を向けと言われても、「それなら俺のこと好きになってくれる女の子を連れてきてくれ」とどこまでも他人任せ。
ただでもイケてないのにそれに輪をかけて……。
そんな奴が女性とお付き合いなんてできるわけないが負のループに入り込めばそれすらわからなくなる。
そんな俺に転機が訪れたのは31歳の時。
その頃筋トレにハマってた俺、まだまだ体重三桁を行ったり来たりで太っていたが多少なりとも筋肉質になりこの身体をちょっとは好きになりかけてた。
筋肉を付けて有酸素運動をすれば脂肪が落ちやすいとアドバイスを受け、スタジオレッスンにも参加し始める。
ほぼ毎日行けば来ている人たちは体を鍛えるというほぼ同じ目的で来てるので当然のように仲良くはなる。
筋トレ主導のときは男性とばかりだったがスタジオに入ると当然女性も参加してる。
ある程度グループができている状態なので最初のハードルは極めて低い。
その中にいた27歳の女性。
気さくで可愛らしい佇まい。後になって思えば初恋の人とよく似てる。
そう、めちゃめちゃタイプの女性がいた。
こうなるともう全く前しか見えない(笑)
いつもと一緒の展開。
普段入らないようなレッスンにすら参加してなんとか接点を広げようと試みる。
何も学習できず失敗を重ねてきたときと同じように。。
それでもその瞬間瞬間は楽しかった。
そういう時間が続き、常に複数人でいたレッスン前後に自然と二人でいる機会も増えてきた。
その中で他の店舗のインストラクターのレッスンも受けてみたいなどと彼女が言い出した。俺の方はレッスンのことなんてそっちのけで二人で行けると舞い上がってしまう。
当日彼女と待ち合わせして車で向かう。
有名なインストラクターらしくレッスンの質が高く彼女は嬉しそうにそのレッスンの事を話してくる。確かにわかりやすく元々俺は得意じゃない分野のレッスンだったのに知らない間に難度の高い動きができるようになっていた。
だから彼女の高揚感はよく理解できた。
「今がチャンス」心の声がしたような気がしたので帰りにご飯に誘ってみる。
そうすると「お腹すいたし食べに行こうよ」と。
レッスン後にご飯でも行けたらいいなあと妄想はしていたが本当にそのようなシチュエーションになると頭がぐるぐる回るだけで明らかに動揺していたがお好み焼き屋さんに行くことに。
話題はもっぱらレッスンの話。楽しそうに話をする彼女を見ていられてその会話相手が俺。もうそれだけで幸せな気分。
途中彼女が中座、お手洗いではなく入り口付近で電話中。携帯電話の主役はまだまだ通話が主役の時代、こういう時に電話する相手といえば…嫌な予感しかしない。
戻ってきた彼女とはまた楽しく食事を続け思った以上に会話も弾んだ気がする。
彼女は電話のことは気づかれてないと思ってたと後から教えてくれたが俺もあえて気づいてないふりをした。正直に言うと気になって仕方なかったが言わなければ今日一日は楽しく過ごせるという防御本能が働いたのは間違いない。
そして最寄り駅まで送り解散。
すごい楽しかった1日だったがどうしても気になる電話の件。
でも知らないふりをすれば次もあるかもと自分に言い聞かせて週末のたびに色んな店舗へ二人で出かけるようになる。
それが何回か続いた時の帰り道に彼女から「私には彼氏いるよ」と告げられた。
まあ俺から溢れ出てる好意に対して申し訳ないと思ったらしい。
薄々以上に感じてはいたがその現実を突きつけられたのはやはりキツかった。
そこで初めての食事の際に「彼氏に電話してたのは知ってるよ」と言うとバレてないと思ってたのに、と驚かれた。
それでもなぜ毎週末会ってくれてたのかとの問に「彼氏に大事にされてると感じられない。実際に私がスポーツクラブで楽しく過ごしていると言ってもほぼ無関心なの」みたいな話を聞かせてくれた。
でも彼女は「彼氏がいるのでもう会うのはやめましょう」とは言わなかった。
人によってはただ弄ばれてるだけ、天秤にかけられてるだけと思うだろうが30歳超えても、ほぼ恋愛童貞にも等しい俺はそんな状況を噛み砕く脳みそは持ち合わせてはいず、次も会いたいというピュアな心だけが支配してた。
「じゃあ来週は〇〇のレッスンを受けに行こう」と言われた時の彼女のキョトンとした表情、「コイツ、アホちゃうの?」と顔に書かれているみたいだった。
でもその時の俺は
・正直に話してくれた。
・それでも次の予定も確保できた。
・何よりも俺が彼女に会いたい。たとえ彼氏がいても会ってくれるなら会いたい。
という気持ちが支配してた。
でもこの時は彼女を奪い取りたいとか強引に別れさせたいとかいう気持ちは起きなかった。
彼女が状況を話してくれた事で、彼女は彼女なりに色んな葛藤と戦ってることもわかり、俺に対しても向き合ってくれてると勝手に感じたから。
次の彼氏として品定めをされてるならその品定めに叶えば問題ないと、普段の俺からは考えられないほど超ポジティブに考えられていた。
その後の俺は今までと変わらない感じで彼女と接していたが彼女の方が色々と話してくれるようになった。
彼氏の写真を見せてくることもあった。俺とは比較にならないシュッとしたイケメン。でももうそんなことはどうでもよかった。
ある日、以前の会話でディズニーシーへ行きたいけど彼氏は連れて行ってくれないって話をしていた。その時はスーと流したけど、改めて俺とディズニーへ行かない?と誘ってみた。
この時の彼女は、「なに言ってるの?」って言葉にこそ出さなかったが目が言ってた。
当然、関東でしょ、泊まりで行くなんてありえないと言われたが俺は自分の趣味趣味で週末はあるイベントへ行くために日本全国へ飛んでいたので「ディズニーなんて普通に日帰り圏内だし日帰りで行こうよ、でも朝迎えに行くから早起きはしてね」って言ったら面食らってた(笑)
俺自身はディズニーランドには興味もなかったし行ったことない。まあ一緒に行ける相手がいないので当然だけど。
「ディズニーランド行ったことないの?」なんて彼女には言われたが本当のことなので仕方ない。
でも彼女と一緒に行けるディズニーランドならぜひ行きたい。誘う口実としてのディズニーランドは使いやすい(笑)
俺は彼女を何かに誘う時は「いつも必死に頼み込んてくるから根負けする」と後になって彼女から言われた。
結局日帰りならということで一緒にディズニーシーへ行くことに。飛行機ならほぼ一日楽しめるのでそれらの手配は俺の趣味の事もあり、お手の物なのでその場で完了させて後戻りできない状況を作り出したりもしてた。
当日、ディズニーの魔法の効き目はてきめんで「今日は俺が彼氏」と勘違いするのは容易だったし一気に距離が縮まったように感じた。彼女も楽しいと笑顔で接してくれて本気でこのまま時間が止まってほしかった。
この感じから手を繋ぐくらいはできるかも?という淡い期待を抱くが夜のパレードまで見て時間切れ。
ディズニーシーを出て空港へ向かう電車に乗る頃にはすっかり現実へと引き戻された。
それでも彼女的にはちょっとしたサプライズ感を感じてくれたよう。
それから平日は会社終わり、週末はほぼ一緒にレッスンへ出かけるようになるもお互い実家暮らしなので常識のある時間にはいつも送り届けていた。
そんな時、俺の両親が旅行へ行くとの事で3日ほど家を空けることになったので思い切って「手料理が食べたい」と言ってみたら「作りに行くよ」って言ってくれた。
一緒にスーパーで買い出しをしてエプロン姿でキッチンで料理を作ってくれてる彼女を見てまた舞い上がる。
作ってくれた料理を二人で食べる夢の空間を楽しみ、色んな話をした。
出会って間もない頃にグループメンバー全員にレッスンで使うCDを焼いて渡していた時に彼女にも渡したら喜んでくれて俺に手作りの焼き菓子をお返しにくれたことがありそのラッピングを大事に置いていたのが見つかり「気持ち悪いなあ」なんてことも言われたが。
そんな他愛もない中でもちょっとした沈黙が起きるときも。
家に二人しかいない。でも二人の関係は?と聞かれたら明確に言えることは俺の片想いってことだけ。
本音は勿論、触れたいしその先にも進みたいと思うもヘタレな性分なので当然そんなことはできず。
ただディズニーシーへ行ったことで彼女の中での遠出に対するハードルが下がっていったこともあり、ちょうど10日後くらいに3連休があったのでまたお出かけしたいとお願いしてみた。
「次はどこなの?」と半分呆れ顔だったけど北海道、しかも道東へ泊まりで行きたいと言ってみた。
その瞬間本当に呆れていたけど、またディズニーシーの時のように提案した瞬間には航空会社の空席確認を始めて勝手に予約まで完了させてしまった。
この当時はまたLCCなんてなく時期も迫ってたので二人分で結構な金額になったがその金額をパソコンのモニター越しでみて彼女は呆気に取られていた。
最初は「それは流石に無理…」とか言ってたけどこの強引さに彼女は結局折れてしまった。
でもここでちょっとした悪知恵を働いていた。当時の航空会社のキャンセルは今ほど厳しくなく前日までならひと区間400円くらいで簡単にキャンセルすることは可能だったのでもし断られても問題はなかったが、もうキャンセルできないの一言で押し切ってしまった。
のちにネタバレしたら「騙されたわ」と言いつつ笑ってた。
そんなことは全然考えてなかったけど成り行きで急遽2泊での北海道旅行が決まってしまったのでもう何も焦ることはないと、家に呼んでおいてなんだが素直に彼女の家まで送り届ける事に。
ただこの日の行動で彼女もこれからどうするのか決断しようとする気になったみたい。
まず彼氏に「次の連休に北海道に行ってくる」と伝えて反応を伺ったらしい。
その答えが「そうなの?」の一言だったらしい。
この一言で彼女の腹は決まったってあとから聞いた。
北海道から帰ってきたら彼氏と話し合うと。
俺はそれを聞いても「そうか、わかった」としか返さなかった。
無論、これで俺が本当に彼氏になれるかも、という期待で胸いっぱいだったが、出会った頃から溢れ出してた俺の好意は十分すぎるほど彼女には伝わっていたので彼氏との関係を急かしたりすることもなく、最後に決断するのは彼女なのでそれを見守り、もし俺の元へ来てくれるなら全力で受け止めるだけと本気で思っていた。
ヘタレなのにこの時の俺は自信に満ち溢れていた。人生の中で唯一と言っていいかも(笑)
そして北海道旅行の日が来た。
女性と二人で泊まりの旅行、流石に恋愛経験が乏しい俺でもそこは男なので旅行カバンの中にはコンドームも忍ばせてたし自分でスムーズにつけれるように練習もした。
女性の方も旅行に来るという事はそういうことも理解していると本では読んだこともある(笑)
レンタカーで観光地を巡り一泊目のホテルへ。食事をして温泉に入りお互い浴衣で部屋で寛いでる状態。
いくらヘタレであってもこの状況では本能が勝ってしまう。
初めて唇を交わしそのまま……となったところで俺が機能不全に陥ってしまう。
圧倒的経験不足の上にこれまでに感じたことのない緊張感、大切に想いに想ってる人と結ばれると思うとこれまでのことが走馬灯のように巡り、自分よがりにただ焦るだけの本当のヘタレ具合を一番大事な時に発揮してしまう……
彼女に対する申し訳ない気持ちと自分に対する不甲斐ない気持ちでいたたまれない気持ちでその日は寝ることになったが当然のように一睡もできず。。
翌日彼女は「私の裸見れて嬉しかったでしょ」って茶目っ気たっぷりに言ってくれてどれだけ救われたか。
お陰で旅は楽しく続けられた。
2日目のホテルでは「気持ちは十分理解してるから無理しなくていいよ」と慰められたのでそれに甘える事に。
そんな北海道旅行だったけど彼女は「楽しかったよ」と言ってくれた。
北海道から帰ってきたら彼氏が彼女に対して次の休みに合わないかと言われたので会ってくると連絡があったので、彼女と出かけるようになってから初めて週末を一人で過ごすことに。
彼氏が流石に何があるとやっと気づいたって彼女は話してた。
どうしてるんだろうと気になる気持ちはあったが俺なりに彼女を信じる気持ちは揺るぎなかった。
そして夜に連絡があり「来週の週末、車で彼氏の家まで私を送って、そのまま車で待っててくれる?」と言われたので、ついにこの時が来たという気持ちに。



当日彼女を送り届け「いってくる」と言った小さな背中をずっと目で追っていた。
どのくらいで戻ってくるかわからなかったけど30分、1時間と時間だけが経過していく。
彼氏の家に置いていた私物を持って車に戻ってきたのは2時間後くらいだった。
彼女はただ泣いてる状態で助手席に戻ってきた。車に乗っても何も言わないので俺はただ車を走らせた。
二人で行った思い出の場所を目指して。
道中少しは落ち着いたのか彼女がぼそっと「別れてきた」と言いながら俺の顔を覗き込んできた。
俺は「今日からよろしくお願いします」と言ったらやっと笑顔になってくれた。
あの泣き笑いの顔は本当に可愛かった。
初めて会ってから、そしてほぼ一目惚れしてから5ヶ月で俺は彼氏になれた。
形の上では俺は略奪した彼氏になるのだろうが、全く女性と縁のなかった俺がそんな事をできるとは思ってなかった。
お互いの写真だけ見れば元彼が俺に彼女を奪われたなんて言っても誰も信じてもらえないほどのルックスの差はあったがそれでもこんな結果になった。

もし彼女が彼氏との関係が順風満帆なら俺の入り込む余地はなかっただろうし、最初は俺の露骨な好意に嫌悪感すら持って少し距離を置いていたという話もあとから聞いた。
鈍感な俺はそんなことを感じることもできないほどの馬鹿野郎だったので鈍感すぎるのも悪くないなと(笑)
あとこれもあとから聞いたけど同じグループの二人からも好意を寄せられてたらしいが俺ほどグイグイ来ないので物足りなかったとも言ってた。
付き合うきっかけなんて、運と縁とタイミングなんだなあと本当に思った。
駆け引きとか器用なことなんてなにもできず、見た目もイケてない奴に誰が見てもわかる好意を振りまく方法でしかアプローチできない俺はこれまでも何度も玉砕してきたし、女性と付き合うことなく死んでいくんだろうなあと本気で思ってたけど、こんな俺でもお付き合いができる彼女ができるとは本当に思わなかった。しかも俺からしたら高嶺の花すぎる女性と。

無事にお付き合いが始まるが特に何かが変わったことはない。付き合う前の方が刺激的だったので、穏やかに過ごせるという時間をお互いに楽しんでいる。
クリスマスイブでも二人でスポーツクラブでバーベル上げてたり(笑)
ただお互いの呼び方が変わったのは恥ずかしかった。
彼女がこう呼んでほしいと言うのと、俺のことをこう呼びたいと言うのがヘタレな俺にはハードルが高かった(笑)

これまでに感じたことのない幸せを感じてるけど、俺には解決しないといけない問題も残される。
そう俺の下半身問題が……
大学時代の女の友達に相談したら「彼女さんもショック受けてると思うよ、私に魅力が足りないのかと。でも俺に対してキズつけないように振る舞ってて偉いよ、大切にしろよ」と言われたのでそのことを彼女に話したら「そうやで、大切にしてよ」と言われて気持ちが楽になったら解決した(笑)

ある人が言った「男は脳で女を抱く」という意味を身を持って知る。
性行為に対する自信の無さがそのまま出た北海道旅行だったが、経験不足の俺の下手くそなことすら受け入れてくれた彼女の度量の大きさに少しながらの自信を手に入れることができた。
そこにプライドなんかいらないってこと。
でも彼女には俺のやりたい変態的な事はなかなか頼めない(笑)

順調に交際は続き彼女が29歳になる頃には「30歳までには結婚」という女性の願望?から多少のプレッシャーを感じることに。
この俺が彼女ができた上に結婚できるとは、という気持ちと同じくらい結婚というものについては漠然としたものしか思い浮かばない。
はっきり言えば結婚というものにビビってる自分がいる。
俺らの時代はまだまだ男が家族を食わせていかないという風潮が残ってた。
彼女よりも4つ上の俺、もっとしっかりしろと言われそうだが、彼女から「私も働いてるから大丈夫」と一蹴される。
そして彼女の家に送り届けた時に彼女のお義父さんが出てきて「いつ挨拶に来る?来週か?」と完全に外堀を埋められてた。
「はい、来週寄せさせていただきます」
それしか選択肢のない答えをお義父さんに伝えている横で彼女が微笑んでる。
ということで彼女の実家に行く前日にプロポーズ前提で、いつもより何ランクも上のお店に食事へ行くことに。
この手のサプライズはどう頭捻っても出てこず、ご飯食べてる時に店内でする勇気もなく、結局車を止めてる駐車場で「結婚してください、よろしくお願いします」としどろもどろではあったが何とか伝えることはできたが彼女は「ムードがない」といいながらOKはくれた。
彼女は婚約指輪はいらないから結婚指輪はいいのが欲しいというので指輪を探したり、結婚式の準備と慌ただしい時間も楽しかった。
結婚式は新婦から両親への手紙に否定的な妻、司会者からどれだけ進められてもやらなかった。
俺もああ言うのは人前でイベント化するのはなんか違うなあと思ってたのでこんなところでお互いの価値観を確認することに。
まあお互いの実家も近くその中間に新居があるので永遠の涙みたいな演出は不要という至って現実的な理由。
ただただアットホームな温かい結婚式だったので俺たちにはこんな感じで良かったなあと。
妻の親類に妻は「本当に彼(俺)でいいの?」と言われてたみたいだけど、付き合ってからも何回も言われたし、俺も自分では手に届かないと思ってた高嶺の花を妻にすることができたのでもう何も思わない。
それよりも両親への手紙をあれだけ拒んでたのに俺には手紙をくれた。
この中には「俺に出会えてよかった」と書かれていた。
俺が泣いた。

新婚旅行は赤道越えて南の島へ。
新婚生活、最初の一年は二人で楽しみたいなとお互いが思ってたので満喫してた。
でもそれまでに子供ができればいいなあとお互い思ってもいた。
結局一年たっても子供ができないので念の為不妊治療の病院へ行こうかと話し合う。
女性は検査とかあるので来院が必要だが男性は精子を持ってきてくれというので当日持っていってもらうことに。
結果、精子は量も多く元気すぎるというちょっと恥ずかしい結果に。妻も問題なくタイミング療法で指定された日におこなったら一発で妊娠というこれもちょっと恥ずかしい結果に。
そして無事出産。立ち会ったけど妻の頑張りには感謝しかない。
頼むから妻に似てくれと願うも俺の要素のほうが強いのが…

子供ができると夫婦の関係が今までようにいかないのはどこの家族でも通るべき問題。我が家でも例外ではなく直面する。
同じ人を愛し続けるのは3年が限界という説もあるが確かに恋人の時のような熱量を持ち続けるのはなかなか大変。

それでも子宝とはよく言ったもので形を変えての幸せな生活は続き二人目の子も妻のお腹の中に宿ることに。

でもこれが妻との最後のセックスになってしまう。

ここまで書いてても、妻との出会いからのここまでの時期は幸せしか感じなかったが夫婦生活には山もあれば谷もある。

俺たちはまだ離婚することなく夫婦として続いてるけどお互い苦しんだ時期もあった。
俺から見てたら妻の肝の座った姿にいつも助けられたけど妻を苦しめたのも事実。
それを踏まえた上で

セックスレスになった俺たち夫婦、13年ぶりに「したい」とお願いした話。

を第二弾でまた書けた時点でアップします。

























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