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小論文》 生け花②

生け花を眺めながら花や線香のいい香りを感じたり、相手と話したり、美味しい和菓子と茶を楽しんだりすることができる。そのため、生け花を眺める際には、日常生活の環境にいれば、環境は五感に動きかける。一つの統一的な体験になって、生け花は環境と雰囲気に溶け込む。だから生け花の環境の中にある要素に注意することは不可欠です。最初の小論文には生け花の特徴を示そうとしたが、分析は徹底的ではなくて、他の重要な要素があるはずだ。生け花を楽しむには感覚に動きかけるので、香りや雰囲気なども大切だと思います。

 香りは見えるモノではなくても、本当の現象だ。生け花に関わる現象からこそ香りと雰囲気について述べる。まず、生け花には花を飾って、その花は時々香りを広める。花の種類によって、香りのニュアンスが異なる。例えばユリのほうがダリアより香りが強いと言われる。最近、「花をいけることを通して気付づいた、香りを効き味わうこと」という味わい深いブログポストを見つけた。著者のO Y Uさんによれば、花をいけながら香りの多様性に注意して、味わうことを大切にするという。だから、生花は花をいけることだけではなくて、生け花の世界は広く、感覚の全部を取り込むわけです。しかし、適切な香りを選ぶように、匂いのニュアンスの深さを学ばざるを得ない。その一方で、花の香りだけではなくて、線香の香りのおかげで楽しい体験ができるようになるに違いない。実は、普段に床の間に置いた飾り物は生け花、書道の掛け軸の、線香などです。シャンタル・ジャケによれば、香道という線香の芸術は他の芸術とつながり、微妙な共感覚が目立つのです。したがって、生け花に関して考えながら、香りにも線香にも環境にもきちんと注意すれば素晴らしい経験ができると思います。

 また、香りは、花、花瓶の素材、隣に置いた線香など、さまざまな原因から香りが周囲に拡がるのです。ただし、生け花は環境と雰囲気とに離れるわけではない。くわえて、床の間や部屋の空気と混ざると、線香や畳の香り、花の微妙な香り、食べ物の匂いなどが日常生活の環境に溶け込んで、特別な雰囲気が感じられるようになる。

 コトバンクによれば、雰囲気は「天体、特に地球をとりまく気体」と意味して、他には「その場所や、そこにある人たちが自然に作り出している、ある感じ」などを意味する。オランダ語のLuchtと英語のAtmosphereやの訳語として、抽象的かつ精神的な言葉です。個人的な解釈ですが、日本の言葉ではなくても、生け花の体験を説明する際には適切な言葉だと思います。ゲルノート・ベーメというドイツの哲学者によれば、不明で難しい感じやモノを表すために「雰囲気」をよく使うことになります。雰囲気は人の心理と感性に影響を与えて、人間の経験の背景を成している。香道と陶磁器の芸術と溶け込むことを通じて生け花は雰囲気に携わると思います。その上、哲学者ブルース・ベグも雰囲気について論じている。彼によれば、雰囲気は自発的で、無意識の知覚を通じて、不意に会いに来た人が感情的環境に表情と態度を適合させる効果がある。

 また、生け花は芸術・美術の作品のように、正確な体験を浮び出すはずだ。ジョン・デューイという哲学者の芸術論によれば、人間活動として、作品の受容と環境は美学的な体験の一つになる。生け花もその一つです。つまり、デューイの芸術論によると、生け花を楽しめる際には美的性質を生み出した経験が美的体験になる。こうして、生け花を鑑賞しながら、感性的かつ精神的な活動が行われて、個人の心理に影響を与える。その一方で、デューイの「三項関係」から見れば、生け花は動的な美学体験です。生け花の場合には「三項関係」の三項は客、生け手、生け花の構成である。その三項の間におけることは特別な三角状的な関係である。生け手は生け花を構成して、そのあと客は生け花の構成を眺めると個人的な意味や解釈を取り込んでいるのです。だから、生け手も客も生け花の構成のために出し合います。あるいは生け手と客は協力して、それぞれの生け花との出会いに新たな意味を込めて、新たな美学的な体験を収めているわけです。

 結論として、生け花は、雰囲気をはじめとして、環境にあるモノと緊密な関係があって、色々な要素のおかげで鑑賞者は素晴らしい体験ができるのです。

写真: The New York Public Library on Unsplash


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