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塾選びで大切な事


合格者の人数はあてにならない

業界的に言えばわりと常識なんですが、多店舗展開している塾の合格実績はあてになりません。インチキしているなどなどもあるんですが、そもそもたとえ県立トップ校に100人合格していても、1万人の生徒のうちの100人なのか、200人の生徒のうちの100人なのかで全然意味が違います。

なんなら10人中9人トップ校に毎年送り出している個人塾とかがたくさんあるわけで、多分そっちの方がより親密に見てくれるでしょう。

個人塾は性格的に合う合わないが全て

この場合は性格が合う合わないが大きいと思います。その塾長がいいと思ったら、全乗っかりで言われたことを確実に実行していくと10人中9人に入れる可能性がグンと上がります。こういう塾は近所に一つや二つあると思うので探してみましょう。大手塾はその後でも遅くありません。

やり方の善し悪しは保護者には分からない

「やり方がうちの子に合っている・合っていない」みたいな話はよく聞くのですが、残念ながら「合う合わない」は保護者に判断は出来ません。プロじゃないからです。もし「良い教え方」がわかるのであれば、自分で教えた方が早いです。

そんなことより大切な事は「言われたことをやれるかやれないか」です。毎週どんな課題が出て、何をどうすればいいのか、1週間サイクルをきちんと回せるのか。そこが重要です。

10人中9人が良い成果を出す塾というのは、「塾の言われたとおりのことをきちんとこなせば良い結果を出せる」ということです。逆に言えば、こなせなかった子がやめているわけです。10人中9人が当たる宝くじ(ただしやり方はハード)と、1万人中100人が当たる宝くじ(宿題すら出ない)、どっちを買うか?ってのが現在の個人塾・大手塾の構図です。基本的に大手塾はいつでも誰でもウエルカムですから、評判の良い個人塾や小規模塾に行ってみて、どうしても無理なら大手塾に移ればいいと思います。

テキストの解答を渡す塾は完全にアウト

どこの塾でも大なり小なり「塾専用教材」というものを使っています。内容がいいというのもありますが、1番の強みは「塾としての授業がしやすい」点です。逆に言えば、塾用教材そのものにものすごく価値があるわけではありません。(中学受験のSAPIXや四谷の予習シリーズなどは別として)

塾は当然これに基づいて宿題を出したりするのですが、まず宿題がない塾は論外として、テキストの解答を配布している塾もアウトです。大手塾に多いですが、「宿題?もちろんちゃんと出しますよ!」と保護者に言っておきながら、子どもには解答をわたす。なぜこんなことをするのでしょう?

答えは簡単です。親には「勉強させているフリ」をしつつ子どもには「勉強しなくていい」という暗黙のメッセージを送ることにある、ということです。

今どきの子は宿題が大変になると「塾をやめる」と言い出します。塾として売上的にそれは困る。一方で親には「きちんと宿題をさせていますよ」といわなければならない。その解決法が「解答を配る」です。建前では「宿題を出しても出来なければ意味がありませんからね、自学自習の習慣付けをするためです」などといいますが、嘘です。答えを持っている子は答えを写すだけです。当然です。だから真っ当な塾は生徒に解答を渡すなんてことはしません。

ただ、もし解答を渡さないとなると、誰がどこが出来ていないのか、宿題を直させたり○ツケしてあげたりものすごく大変です。少人数の個人塾でなければ出来ないことです。ここが大手との最大の違いとも言えるかもしれません。大手は一人一人を絶対に見れません。そこは肝に銘じておく必要があると思います。目安は講師1人につき生徒15名程度。これが一人一人を見られる限界です。

個別指導塾は本当に個別指導なのか?

これ、結構勘違いしている人が多いんですが、個別指導塾はほとんどマンツーマンではありません。良くて3対1だと思ってください。教えるのはほぼバイトの大学生です。都市部であればなおさら、田舎でも大学が近くにあるならまず間違いなく大学生講師です。大学生講師が悪いとは一概には言えません。年も近いし、頭のいい学生だと教え方もすごくうまかったりする。ただし、個別指導塾というビジネスモデルでは、その「当たり講師」に就きっきりで見てもらうことがほぼ不可能なのです。

まして近くに大学がないような田舎だと、熟年講師(ほぼニート)だったり下手したら専門学校生が指導していたりするので注意が必要です。

個別指導という形態は、大学生を薄給で使いつつ、さらに3対1→5対1などにすることで成立するビジネスモデルです。大学生講師が時給1500円では集まらなくなった現在、「大学生でもやらないような仕事」をしている人が講師・・・という可能性もありますので「誰が教えるのか」を聞くと良いと思います。たいてい体験授業は塾長(校舎長)のような人が教えて入塾後はバイト丸投げってパターンが多いので、「教える講師が変わったりすることはありますか?」なども聞いてみるとよいと思います。

バイト学生のやりくりで苦心している(指導が安定しない)ところは「変わることがある」と答えるので避けた方が良いと思います。

教師や県庁職員などの子どもが多い塾はあたりが多い

実は塾の善し悪しを1番よく知っているのは学校の先生です。学校の先生は学校の指導のどこが良くてどこが悪いかよく分かっています。そして教えることのプロです。そういう「目の肥えた人」が通わせる塾は外れ率が低いです。おいしい店の大将が通ってる店があったらきっとおいしい店ですよね。同じ事です。

また、県庁の職員も別の意味で目が肥えています。現在の県庁職員で子どもが中高生となると、だいたい団塊ジュニア世代です。就職超氷河期の世代です。非常に優秀で、今なら超名門企業に行ける人がたくさんいるのが県庁の40~50代ですので、そもそも親が高学歴の可能性が高いです。教えることが本職ではないけれども、自分がそもそも受験戦争を経験してきている勝ち組率が高いんですね。だから目が肥えているのです。

また、これらの業種の人は独自のネットワークを持っています。一般企業よりもプライベートのことをよく話すようです。誰のお子さんがどこの高校に受かったとかどの大学に行ったとか、一般企業に勤めている人はそれほどおおっぴらに話したりしないですよね。ところが公務員の方達は意外にこの手の話をよくするようです。(推測に過ぎませんが、女性率が高いことと関係しているのでは、と考えています)

プログラミング教室などたくさんのコースがある塾はダメ

プログラミング教室やそろばん教室などを併設している塾はたいてい外れです。本業で集められないから、プログラミングやそろばんなどの「看板」を買って敷居を下げて客寄せを行うわけです。

たいていこういう講座はフランチャイズになっており、マニュアルに沿って素人が指導します。習ってもなんの訳にもたちません。気をつけましょう。あ、もちろん子どもは楽しみますよ。楽しくなるようにつくってありますから。麻薬みたいなもんです。そういうのに漬かってしまうと、ある程度学年が上がって「さあ本格的に勉強しなきゃ」ってなったときについてこれません。

無料体験講座が長期間の塾はダメ

せいぜい長くても1週間程度の体験授業で、「通常の授業」が受けられるところを前提に考えましょう。無料体験が1ヶ月などは長過ぎです。塾側の戦略としては「慣れさせて他に行きづらくする」ことにあります。一見消費者的に見てもwin-winな感じがしますよね。

問題なのは講師が疲弊している可能性が高いということです。

考えて見てください。これを読んでくれている方がどんなお仕事をされているか分かりませんが、「見込み客だから」といって1ヶ月無料で接待してて楽しいですか?塾の無料体験は文字通り「体験」であるべきで、1ヶ月などになるともはやそれは単なる接待です。

ちなみに、無料体験期間が長いというのは(特に集団授業塾にとって言えば)資金力は関係ありません。20人クラスで1人増えてもコストは変わらないからです。「体験授業を長く出来るということは安定して大きな塾なのね、安心できるわ」などと思わないようにしましょう。きちんと指導をしている塾の場合、長期の体験授業はイヤなものです。きちんとお金を払ってくれている子に本気で教えたい。塾講師とはそういう生き物です。

また思いついたら書きます。

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