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独り言.com

ごきげんよう。キョンコロ先生です。

今日は思い出を書くことにします。

キョンコロ先生は、昔勤めていた学習塾の中では「グルーヴ感」を大事にする、いわゆる異端のタイプの先生でした。

でも、以前の記事にも書いたように私は子供が自由に発言したり、意思表示をできるようになるべく物事を言いやすい環境を作っていたので、自分が異端だと思われようとスタイルを変えることはありませんでした。

そんな空間で、ひときわ自由に発言をする子がいました。

授業の進度を気にせずどんどんしゃべってくることもあったので、さすがのキョンコロ先生も強く注意したこともありますが、叱られてもあまり気にせずしゃべるんです。叱られたその瞬間はさすがに静かにしていますが、しゃべりたい気持ちがうずうずしてくるとそれを優先するのです。友人に何か言われてそれに返したり、小さいころ見たいDVDがレンタルショップになくて泣いてお父さんを困らせたりしたことをそれはそれは楽しそうに話します。

しゃべる仕事をしている私が「お、面白い・・・・」と感心するぐらいの話芸と滑舌の良さを持ち合わせていました。

そこで考えました。

「あなた、Youtuberになれば?『独り言.com』とか面白そう・・・・本気で、それがあったら見てみたい」

時は、ヒカキンさんやマックス村井さんなどが子供たちに浸透した頃でしたから、ユーチューバーという言葉もすぐに伝わりました。

ちょっとしゃべってみてというキョンコロ先生の言葉に

「・・・・・髪を整えて・・・・さぁ!今週もはじまりました独り言.com!!」

と髪を本当に整えながら答えてくれるその度胸の良さ、周りの子たちも「中継」に駆り出されてコーナーを担当させられちょっと盛り上がりました。

こんなこと10年前なら考えられない職業だろうな・・・・って少し思いました。

それでキョンコロ先生その日の授業を終えて帰宅して、マックス村井さんの動画を見ると、握手会のようなイベントをしていて、小学生が村井さんに握手をすると村井さんは必ず「ちゃんと勉強もするんだぞ」と声をかけているではありませんか・・・・。

その時その日の生徒さんが村井さんのように声をかけている姿をちょっと思い描きました。

受験勉強は面倒でつらかったけれど、受験までやり抜いたという経験が、将来いろんな仕事に就いた時に自分の糧になることはもちろん、その姿を憧れのまなざしで見る未来の子供たちの糧にもなるかもしれない。

人間が人間に心惹かれる時、ただの精密な計算機のような人ではなくて「なんだ!?この人は!?」という圧倒的な存在感に心を惹かれるわけです。ここでいう圧倒的な存在感というのはウルサイ人ということではありません。うるさくても静かでもなんでもいいんです。「この人はすごい!」と心惹かれる様な自分らしさを持っているということです。

そういう点では自分の言いたいことを面白おかしく伝えるという技術を持っていたその生徒さんは圧倒的な存在感がありました。その時は何か面白いことを話したいということだったのかもしれませんが、そのうち大きくなるとそれが誰かを幸せにするということもわかってきます。そうしたらきっとみんなに必要とされる存在になっていくでしょう。

そうそう、村井さんの動画のあと、ヒカキンさんの動画も拝見したのですが、拝見した動画は彼がノロウィルスに感染した時の話をしながら、その対処法について教えてくれている動画でした。

体験談は面白おかしく、そして臨場感たっぷりに語られ、そして、もし患者に接したらどうするのか?普段はどのようなことに気を付ければいいのかということをわかりやすく教えてくれていました。

多分ヒカキンさんははじめはエンタメ寄りの番組を作るつもりだったのでしょうけれど、自分の発言が社会的に影響があるなら、役に立つことをたくさん発信しようという気持ちにだんだんなってきたのでしょう。

その時にもまじめすぎず、圧倒的に彼らしい語り口でみんなに伝えるから人気があるのでしょうし、彼にあこがれる人もたくさんいるのだと思います。

10年先はもっと新しい職業が出てきて、もっと私たちの生活も変わるでしょう。

その時にただの過去の蓄積として受験勉強を機械的に行った子供と受験勉強に疑問を持ちながら、何とか楽しく勉強することはできないかな・・・と考える子供とどちらが未来を創るのか?私は後者であってほしいなという希望を持っています。

そのクラスにも、もっと昔に教えたクラスにも本当に「グルーヴ感」を感じてくれた生徒さんがたくさんいました。

ありがとう。

皆さんのことを誇りに思っていますし、新しいまだ見ぬ世代の子供たちにきっと夢を与えるだろうと信じています。

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