できることを積み上げて合格したという話。
ごきげんよう。キョンコロ先生です。
今日の思い出話はキョンコロ先生がまだ若かった頃の話。
キョンコロ先生の担当するクラスにいた女の子の話です。
その子は全国模試で国語の点数が1桁でした。
でも、悪びれることなく、ほんのり騒がしく、お友達と楽しくやっているような生徒さんでした。
ある日その子が自習をしていたので、何をやっているかちょっと聞いてみたことがあります。
すると、ちょっと前にキョンコロ先生が授業で教えた「れる・られる」の識別を学習していました。
「れる・られる」は受身、尊敬、可能、自発の四つの意味があり、更に自発は「思われる、思い出される、案じられる、感じられる、忍ばれる」の五つの形が出題されます。
その子は「思われる、思い出される・・・えーと・・・案じられる、えーと・・・」と何回も口に出して唱えていました。
キョンコロ先生は「読解とかはいいの?やらなくて」とちょっと意地悪な質問をしたんです。
そうしたら、その子はこう答えました。
「私に出来ることは、これなの。これをまず覚えるの」
なんと潔い。自分のことをよく分析しています。
それに、授業でやったところなら試験に出るだろうという判断だったのでしょう。私たちは入試問題や模試を見て、出題率をなんとなくでも頭の中に入れながら授業をしています。
ですから、出題率の高いものから教えていきます。
テキストに出てきたところの中でも特に出題率の高いところは強調します。
彼女はそれをよく見ていたのでしょう。
そして、本気になって学習するなら得点しやすい語句や漢字に的を絞ればいい。そうすれば点数は高くなる。まずは点を高くして、進路を幅広くしようという考えを持っていたのだと思います。
あっぱれですね。
もちろん、その後点数は上がり、いくつか合格を勝ち取りました。
自分に出来ることを考えられた、周りの人の助言を聞けた、これだけでこの生徒さんの人生は新しい世界へ行ったのです。
きっと今も社会で活躍しているでしょう。
自分のいる世界を冷静に数字で捉え、自分がどうすべきかを熱く考えた彼女の二つの視点は大人でも見習うべきですね。
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