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一橋MBA合格体験記②:研究計画書・出願書類編

こんにちは。じゅたろうです。今回は、一橋MBA体験記第2弾として、研究計画書をはじめとした出願書類について書いていきたいと思います。

前回の記事でも書きましたが、研究計画書は一橋MBAにおいて最も差がつきやすい項目なのではないかと考えています。(詳細は前回の記事↓をお読みください)

1次選考は書類選考と小論文の2つから構成されています。そして書類は大きく次の3+1で構成されています。

① 志願書(履歴書形式)
② 職務・学習に関する経歴書(2,000字)
③ 将来計画書:志望動機、研究計画、卒業後の計画(2,000字)
④(任意):上司等による推薦書

では、それぞれ概要と個人的に気をつけた方が良いと思う点について書いていきたいと思います。なお、②と③の計4,000字程度については別記事にて、私が実際に提出した書類の全文を公開しています。本記事と合わせて、具体的にどのような文章を書いたのか参考にされたい方は、ぜひお読みください。

①志願書(履歴書形式)

「志願書」は「履歴書」のようなものです。顔写真や連絡先、学歴、資格などを記載します。就活などと同じルールで書けばこの部分は問題ないと思いますが、最後に「これまでに経験した職務の概略」という項目があります。この項目には9行用意されていて、時系列順に職務の内容も簡潔に記載しなければなりません。

書き方は自由ですが、文章で書くと②の経歴書と被ってしまうため、私は年表形式で書きました。

(例)
2015年4月1日 〇〇社入社
2015年4月〜2016年7月 〇〇部にてクラウドシステム構築のプロジェクトマネージャーとして勤務。新システムの提案や運用設計を行う。

個人的には意外とこの部分がまとめづらく苦労したので、実際の内容を公開できれば良いのですが思い切り個人情報なので・・・(笑)

私のように入社1社目で社歴も浅い方は、部署別に2行程度で概要を書き、年表形式でまとめるのが読みやすいかと思います。転職をされている方は、会社ごとに4行づつくらい段落形式で書いても良いのかもしれません。

前述の通り、②と被る部分もあるので、②で特に深堀りする部分は浅めに書くなど、工夫が必要かと思います。

また、履歴書本文以外にも、大学の卒業証明書や成績証明書など、事前に用意すべきものがあるので、注意してください。本文も、原本1通にコピー2通を同封など条件が細かいので注意が必要です!国立大学なので(?)要項通りでないと評価が下がる可能性はゼロではありません・・・。

② 職務・学習に関する経歴書(2,000字程度)

経歴書は、就活のときに書くようなものだと考えて良いと思います。「学習」とありますが社会人の方は実務経験について書けば問題ありません。リーダーシップを発揮した経験や、実務の中で企業の問題点に当たり、どのように突破したのか等を書けば大丈夫です。

実績(売上○%アップとか業務効率化で○時間削減とか)も大事ですが、大学は思考力や行動力を見ています。素直に書いた上で、自身の社会人としてのバックグラウンドや考え方を伝えましょう。

なお、実務経験の中で芽生えた問題意識を書くのであれば、志望動機につながるように書ければなお良いです。経歴書と計画書はセットなので、つながりがスムーズになり、あなたのストーリーに連続性が生まれます。

また、全体を通して言えることですが伝達効率が良く、論理的に一貫性のある文章を書くことは前提条件です。小論文でも重要な要素ですが、MECE、ロジックツリー、PREP法などは必ず押さえておきましょう。小論文も研究計画書も自己添削で正解かどうかが見えづらいので、時間・費用的に余裕があれば予備校を利用するのもオススメです(私は、アガルートの講座を利用しました。詳細は小論文編で触れます)。

③ 将来計画書:志望動機、研究計画、卒業後の計画(2,000字程度)

将来計画書は、この記事で紹介している4つの書類の中で最も重要な提出書類だと思います。正直、一橋の場合は所属企業や年齢などの属性と、将来計画書の内容で決まっていると言っても過言ではありません。テーマは「志望動機」「研究計画」「卒業後の計画」の3つに項目が分かれています。全体の内容が一貫していることを前提に、各項目について簡単にアドバイスを書きます。

なお、将来計画書については書くことよりも考えることの方が重要です。なぜ(一橋の)MBAなのか?MBAに入って何を学び、何を研究するのか?学んだことを社会人としてどう活かしていくのか?ということに尽きるので、まずはじっくりと考える時間を持ってください。教授もプロなので、表面的な内容で自分に腹落ちしていない書類は大学側も見破ります。

③-1:志望動機「なぜ(一橋の)MBAなのか?」

志望動機は、結局のところ「人生戦略として、MBAを取ってどうなりたいのか」を書く部分です。受験を考えている方は、自分が成し遂げたい目標に対し、自分が持っていない能力があるので、MBAで身につけたいと考えていると思いますので、それを明文化すれば大丈夫です。

書ける項目としては
・社会人として得た問題意識
・問題意識を解決するためにMBAが必要な理由
・MBAの中でもなぜその学校なのか
・なぜ今なのか
などがあります。

もちろん上記の全部を書く必要はありません。基本的には、問題意識や危機感、自社の課題を挙げ、そのためにどのような能力が必要で、MBA取得が必要だと言うストーリーが作れれば書きやすいと思います。問題意識や課題を挙げておけば、研究計画での深堀りへの繋がりもスムーズです。

ただし、なぜその学校でなければないのかはしっかり書けるようにしておきましょう。「なぜ早稲田ではなく一橋なのか(一橋ではなく早稲田なのか)」説明会やWebサイト、シラバスなどを比較すると良いと思います。

(過去のnote「【国内MBAの選び方】早稲田MBAと比較した結果、なぜ一橋MBAを選んだのか?」も参考にしていただければ嬉しいです)

③-2:研究計画「MBAに入って何を学び、何を研究するのか?」

研究計画はなかなか厄介な項目です。志望動機で述べた問題意識(もちろん、この項目で改めて述べても大丈夫)について、研究テーマを設定し、可能であれば仮説まで記述します。

もちろん、研究計画に正解はありませんが、書類選考時に教授が読んで「面白いね」と言われる研究テーマを書けることがゴールです。研究計画書を書くにあたっては、拾い読みでも構わないので先行研究を読むことが重要です。特に一橋はアカデミック・ライティングを重視するため、参考文献は必須だと思います。

参考文献は、Google Scholarなどで論文が出てきますし、国会図書館で探すのもオススメです。(国会図書館は現在、来館制限中のようですが・・・)

とにかく研究計画は十人十色ですので、決まった攻略法はありません。しかしありきたりなテーマではなく、数種類の文献からロジカルな思考で導いた研究計画は、必ず熱意が伝わるものになります。特に一橋では卒論(厳密にはワークショップレポートという名前)に多くの時間を割くため、自身の問題意識を早めに深堀りするという意味でも、じっくり考えることをおすすめします。

なお、研究方法についてはあまり触れないで良いと思います。大きく分けて定量的分析、定性的分析の2種類の手法がありますが、下手に触れると面接等で突っ込まれる危険性があるので、よほど詳しい人以外は触れないか、概念的に触れる程度で良いと思います。

ちなみに、ここで書く研究計画は入学後に変更になっても問題ありません。というか、教授でゼミ等を通して深堀りすると変更も余儀なくなると思います(今とても苦しんでいる・・・)。あくまで入試用として考えてください。

③-3:卒業後の計画「学んだことを社会人としてどう活かしていくのか?」

本項目は、社会人としてMBAで学んだことをどうキャリアに活かしていくかを書く項目です。もし一橋を受験するのであれば、現職場でもキャリアアップについて書くのが無難です。国立大学のため、日本企業の成長に貢献できる学生を求める傾向が強く、「卒業後、即転職!」なんて書くのはおすすめしません(笑)

なお、人にもよりますが、分量は【志望動機:研究計画:卒業後の計画=4:4:2】くらいのイメージで良いと思います。参考にしてください。

④(任意):上司等による推薦書

会社派遣ではなく、個人で受験する際も任意で「推薦書」の提出ができます。推薦書については「なかったら落ちる」というものではないですが、可能なら提出した方が良いです。

なぜなら、推薦書を通して大学側は「職場で通学についての許可が取れているか」と、「会社で期待されているかどうか」を知ることができるからです。

前者については、パートタイムでの通学になるので、しっかり通えるかどうかが前提となり、大学側は授業に出席できるかを気にします。職場の上司に推薦してもらうということは「終業後にMBAに通います」と説明していることと同義になります。

後者については書いた通りですが、MBA自体企業(社会)で活躍する人を育てることが使命なので、自己記述以外の客観的な評価を伝えることができ、受験者にとっても有利になるかと思います。

私の場合は小さめの部署ということもあり、推薦書は部長に書いてもらいました。課長でも係長でも良いかと思います。推薦書自体時間がかかるものですし、しっかり書いてもらうことが大事なので、ご自身との関係性が深い人や人間として信用できる人に書いてもらうべきです。(異動直後や転職直後であれば、前の職場の上司でも良いと思います。)

逆に、あまり真剣に書いてくれる上司がいない場合は、無理して出さない方が良いかもしれません。自分が下書きのようなものを書いて書いてもらうのは厳禁です。信頼できる人に、自分の言葉で書いてもらいましょう。

ちなみに、各々の事情で職場には伝えず通われている方がたまにいらっしゃるのですが(本当にすごい)、伝えて勤務時間や残業を調整してもらうのが楽です。合格したら、周囲に伝えることをおすすめします!笑


以上、長くなってしまいましたが、一橋MBA合格体験記の第2弾として「研究計画書・出願書類編」をお届けしました。完成した書類は、可能であれば予備校講師などのプロ、周囲のMBA出身者、社内で適切なアドバイスがもらえそうな人などに読んでもらい、フィードバックをもらえれば客観的な意見がもらえると思います。

2021年度入学の入試までは残り1ヶ月かと思いますが、ラストスパート頑張ってください!次回は小論文編を更新予定です。それではまた!


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