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津軽へ弾丸旅行!ー私なりのキュンパス旅行ー

 1月に発表され、結構な話題になった「キュンパス(正式名称:旅せよ平日!JR東日本たびキュン早割パス )」。私も3月に「普段は行きにくい場所に行く」ことを第一にした日帰り旅行プランを組んで実行してみた。

旅行プランとか

 今回のコンセプト、「普段は行きにくい場所に行く」、何時間もかけていく場所で失敗しても1万円なら笑えるくらいの思い出になる。そんなこともあって、今回は太宰治の生家である「斜陽館」、津軽鉄道線の「ストーブ列車」を目的として旅行した。

斜陽館へ

 斜陽館は、昭和の文豪、太宰治の生家である。太宰治の印象は実のところあまり良くはなかったが、「なぜ太宰に惹かれるのか?」という面で非常に興味はあった。この機会に、太宰治の感性が育った場所を直接訪れることで、私なりに理解したいと思った。

外から見た景色

  赤い屋根の木造大型建築。かなり大きく派手だが、そこまで違和感があるわけでもない。最初の印象はそんな感じだった。それよりも斜陽館の周囲は、とても高い赤レンガ壁に囲まれていることが気になった。刑務所か拘置所か何かじゃないかと思うこの高い壁は、もともと津島家が銀行を生業としていたことに起因するという。

中も見学

 中も見学する。1階部は古民家に近いような趣だ。各部屋には畳が敷いてあり、ヒバが張られた通路は歩くとミシミシと音を立てる。とても安心感がある心地よい建物であった。

 一方、明治末期に建てられたこともあり、洋装の部屋も少なくなかった。また、ところどころ美観的な細工もしてあり、"美"を強く意識した建物であった。

2階にある洋室。椅子の高さが違うことに注目


階段の手すりに施された組木細工

津軽鉄道の旅

 津軽鉄道といえば、ストーブ列車を思い浮かべる人も多いだろう。一方で、腕木信号機を現役で使うなど、鉄道線そのものが鉄道遺産と言っても過言ではない運転形態をとっている。

金木駅での交換に遭遇

 斜陽館に行く際に降りた金木駅ではタブレットとスタフの交換が見られる。タブレットを撮ってもよいかと聞いたら快く撮らせてくれた。

タブレットキャリアに入ったタブレット。これは、津軽中里行きが持っていたもの

 また、タブレット・スタフ交換も撮らせていただいた。忙しい時にはお断りしているそうで、駅員さんには感謝の気持ちでいっぱいであった。

津軽五所川原行き列車の交換時。棒状スタフを受け取り、タブレットキャリアを手渡している。

ストーブ列車に乗車

 金木駅から津軽中里駅まで移動して、ストーブ列車に乗車。
 板張り、ボックスシートの客車内、写真で見返すと終戦直後のレトロな感じ。ただ実際には、ストーブの上で焼かれる"するめいかの匂い"によって、海産市みたいな感じであった。



ダルマストーブ。アテンダントさんがスルメイカを焼いてくれる。

 ダルマストーブの前に座る。今年の2月3月は、平日でも満員近くになることがあるという。この日はとある事故(私も巻き込まれたのだが)で乗車人数は少なめ。津軽の話について、ゆっくり堪能できた。

車窓に見えたコハクチョウとマガン、渡りの途中だろうか。

雪原の車窓からはハクチョウやキツネなど関東で見られない野生動物も見られた。


まとめ ーキュンパスを使ってみてー

 大学生の春休みシーズンに破格の値段で販売していたキュンパス。連日、新幹線が満員で立席が多くなってしまっているというデメリットがかなりクローズアップされてしまっている。確かに、目に余るものがあり改善が必要なものであるとは感じた。
 一方で、北東北という地を明らかに近くした。何時間も移動にかける必要がある場所に普通は日帰りで行かない。このきっぷが無ければ、津軽の方と半分ぐらいしかわからない会話をすることもなかっただろうし、太宰治の産まれた街をゆっくり歩くこともなく、太宰治の本を読む気にもならなかっただろう。でも、キュンパスはそれを可能にした。

津軽中里駅のホームに、このような看板がある。

ここにふるさとがある

 この看板の言葉の重みにも、キュンパスが無ければ出会えなかったかもしれない。
 来年も同じようなきっぷが発売されたら旅行に出るだろう。縁もゆかりもない土地に降り立ち、そこで何か新しい出会いをする。それが今の私には必要なことだから。

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