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あがり症を克服した日

【1分朝礼】

極度のあがり症の私が
どうやって朝礼を克服するか、
これが大きな課題でした。

いろいろ考えていると、
ふと疑問に思ったことがあります。

「そもそも朝礼はみんな聞いているのか?」
「朝礼で長い話を聞きたいか?」

私の答えは"NO"でした。

どうせ誰も聞いていない朝礼なら、
短い方が喜ばれるのではないか?

1分ぐらいなら何とか
自分でも出来るのではないか?

それから1分朝礼のチャレンジが
はじまりました。

朝礼で話す内容はあらかじめ
小さいメモ帳に書き、
手のひらに隠し持って、
万が一頭が真っ白になった際は
いつでも見れるようにしました。

メモ帳に数行の文章でしたが、
毎朝6時に起きて何度も何度も
練習をしました。

練習の時に録音をして、
「よし!出来てる」と
自分を鼓舞し、

通勤の際にはモチベーションが
上がる音楽を聴きながら出社しました。

帰宅したら、
録音した朝礼を聞き直したり、
スピーチの動画を観たり、
ネットで緊張しない方法を調べたり、
とにかく出来ること、試せることは
全てやりました。

逃げ出したくなることもあったけど、

「あれだけ練習したから大丈夫」

と自分に言い聞かせながら
何とか続けることが出来ました。

そして、少し慣れてきた頃、

「もう少しゆっくり話してみよう」
「もう少し長く話してみよう」
「もっとわかりやすい言葉を使おう」

と少しずつ出来ることを
増やしていきました。

もちろん、毎回緊張はしましたが、
何とか毎朝
朝礼を出来るようになったのです。

33年間苦しみ、逃げ続けてきたことを
克服出来た時、言葉に出来ない感情が
込み上げてきました。

今では毎日朝礼が終わった瞬間、
心の中でガッツポーズをしています。

【短所が長所に変わった瞬間】

朝礼をはじめて約1年が経った頃、
転勤の話がありました。

最終日、多くのスタッフが
私のところに挨拶に来てくれました。

「○○さんの朝礼が聞けなくなるのが
残念です」
「○○の話、転勤先でも話してあげて
ください」
何と朝礼の話題が一番多かったのです。

毎日毎日練習して、
短くて分かりやすい言葉を選んで
必死に伝えていたのが、
みんなの心に届いていたのです。

これを聞いた時、
涙が出るほど嬉しかった。

言葉というのは、うまく話すから
伝わるのではなく、必死に話している
その姿が、相手の心に響くのだと
気づかされました。

緊張したっていい。
不器用だっていい。

大事なのは"こころ"です。

私は今、あの頃の自分に伝えたい。
「33年後、あなたは自分史上最高の
人生を送っているよ!」と。

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