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地獄に対する考察

座右の銘なるものを持ち合わせていないのだが、強いて言えば「人には人の地獄がある」になる。だが、こんなに後ろ向きなものを座右の銘と言うのも違うよなと思い、今のところは空席にしてある。 人に聞かれたら、大体は「ん〜〜〜、まあ『千里の道も一歩から』ですかね〜」みたいなクソも面白くないことを言うことにしているが、親密な間柄の人には地獄のことを伝えることもある。 ただ、そういうと「私にはその感覚ないな」と言われることもあって、「そうか、これはみんなが持ち合わせている感覚ではないのだ」と

    • 『本のエンドロール』を読んで: 愛だね

      『本のエンドロール』を読んだ。 一冊の本が世に出るまでにどういった仕事が存在し、どういった苦労があるのかが丁寧に描かれていてとても面白かった。 主人公は印刷会社の営業マンで、「本を造りたい」という理由で食品パッケージの営業担当をしていた会社から今の印刷会社へ転職してきた。 上からの無茶な要求とそれを請け負う工場の人たちとの板挟みになったり、出版社や作家のこだわりと価格のトレードオフに苦しんだり、様々な困難にぶち当たりながらも、色々な場所を駆け回って、仕事で関わる人たちの「

      • 『ガザに地下鉄が走る日』を読んで: 無関心という暴力

        岡真理さんの『ガザに地下鉄が走る日』を読んだ。 この本を読んで、イスラエルのパレスチナに対する80年間にわたる占領、破壊、虐殺、そしてこれらによる人間性の剥奪を今、ようやく知ることとなった。 2023年10月7日、ハマスがイスラエルに対し大規模な越境攻撃を行った。以来、ニュースではガザでの凄惨な状況が日々報道され、イスラエル=パレスチナ問題やガザの現状に関心を持つ人も増えたように思われる。僕もその一人である。 けれど、それまでは遠い世界の話だった。2009年、2014

        • 『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』所感: アドラー心理学という技術

          3日前にくらいに、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』を読了した。 劇薬ではあったが、かなりためになった。 新しい概念を猛烈に浴びまくったのに加え、強烈に感化された部分と違和感を感じた部分が両方あったため、しばらく頭の中で色々な概念が喧嘩しあっていた。 少し寝かせたことでだんだん整理されてきたので、忘れないうちに書き留めておく。 自分のための超雑まとめ幸せになるためには、「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」に向き合う必要がある (仕事は割愛) 交友では、相手

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          『暇と退屈の倫理学』を読んで: どのように「浪費」へと向かうべきか。

          所感先日國分功一郎 氏の『暇と退屈の倫理学』を読み終えた。 本書の内容は、超ざっくりまとめると以下のようなものである。 === 日常の中に潜む、よく分からないぼんやりとした、しかしどうにも深刻であるように思える「退屈」というものに対し、まず「退屈とはそもそも何か」「退屈とどう向き合うべきか」という問いを立てる。 そして、人類史、社会学(「消費社会」との関係)、哲学などのさまざまな分野を横断することで解像度を高めていき、哲学者達の退屈に対する議論を批判的に検討しながら持論へと展

          『暇と退屈の倫理学』を読んで: どのように「浪費」へと向かうべきか。

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          悶々とした焦りを、誰に喋ることもなく沈澱していく感動を、言葉という形に仕立て上げ、この地にとどめさせたい。 自分の未熟さを、言葉の扱えなさを、残していこうと思う。だって感情が勿体無いから。それだけのことだ。 何するの 短歌、音楽、読書記録、思考メモ らへん。

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