「猫の幸せを考える」→1周まわって「なりわい暮らし」のメゾネットタイプに戻る
6月から始まった「大家の学校」の集中ゼミナールで、「循環」や「つながり」というコンセプトを降ろして「なりわい暮らし」も表立って掲げずに、「猫と本」をテーマとすることにしました。
「なりわい暮らし」というのは店舗と住居を一緒にすることで、家賃設定も「住居と別に店をもつよりは安い」という賃料にしていたので、結構、相場よりも高い家賃を想定していました。
それが「なりわい暮らし」を打ち出さないとすれば家賃が下がるので、それならば1階·2階を別々の部屋にして、戸数を増やして家賃を稼ぐという方向に転換しようと考えました。
その案で9月の集中ゼミナールに出してみたところ、「なりわい暮らし」はどうしたのか、水島さんが住んで欲しいと思っている人はどんな人たちか、猫が幸せに暮らせるのはどんな部屋か、といったことについて、もう一段解像度を上げて考えてみては、というアドバイスをもらいました。
もう一つ、アパートに併設して1階にカフェ、2階に一棚図書館&コワーキングという計画について、僕はほとんどカフェに行ったりしないので、カフェの誘致をどうしたらいいのかと集中ゼミで質問してみたら、純さんから「まちに染み出す一番美味しい部分を、誰かに任せちゃっうのはもったいない」と言われました。
カフェを自分でやってみるという、まったく思ってもみなかった提言で、それは「とてもじゃないができないよ!」という受け止めしかできなかったのですが、よさげなカフェを誘致しようとすればいいという単純な話にはならないようで、また思いもよらず難問が一つ出現しました。
今回もまた宿題が出された集中ゼミでしたが、数日後に投稿したのが、以下の文章になります。
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どんな人に住んでもらいたいか、その暮らしの景色に思いを巡らせること、そして猫にとっての幸せな暮らしはどのようなものか、考えていました。
住んでもらいたいのは、一つは生活において猫を優先的に考える人であり、それは自宅で猫と過ごす時間が長い人かもしれません。そうすると、デザイナーやクリエイターなど自宅で仕事をする人も当てはまってくると思います。
そして、猫が幸せな部屋というのは、猫が安心できる場所があるといったことは当然ですが、猫が存分に駆けずり回れる部屋ではないかと思いました。高いところが好きな猫にとって上下に駆け登って駆け降りれる部屋、つまりはメゾネットタイプの部屋こそが猫が楽しく過ごせる部屋じゃないかと思い至りました。
メゾネット、要するに1周回って「なりわい暮らし」の部屋こそが、猫にとっても幸せに暮らせる部屋であり、「なりわい暮らし」を謳わなくても、やりたければ「なりわい暮らし」ができるような余白のある部屋というのが、現状で考える最善の方向性だと考えます。
猫仕様の猫共生アパートはいくつもあっても、猫仕様+メゾネットで猫が駆け回れる賃貸アパートはあまりないんじゃないかと思い、「不動産には同じものが二つない」と安藤さんがおっしゃいましたが、このアパートも唯一無二のものにできるのではないかと感じています。
思えば、青豆ハウスが3層メゾネットで、もしかしたら純さんには最初から、このかたちが見えていたかもしれませんし、安藤さんが「どんな人に~、猫にとって~」「なりわい暮らしは?」と問いかけてくれたのも、このイメージが浮かんでいたのかもしれないなと思ったりもしました。
ということで、賃貸アパートに関しては、メゾネットタイプ(50平米程度)で進めていきたいと思います。
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ということで、「なりわい暮らし」で想定していたメゾネットタイプを変更しようとしたのですが、猫が幸せに過ごせる部屋を考えた結果、360度回って、「やっぱりメゾネットがいい!」というところに落ち着いたという話でした。
1階のカフェ部分については、これから考えていかなくてはいけない難問として横たわっています(冒頭の写真は平塚の譲渡型ねこカフェ「にじのはし」の猫)。