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算数授業「本活動と適応問題のつながり」を意識して

全ての教科において、「教科書はよくできている。」これは、教師全員が知っている事実である。
しかし、その”よくできている”がどういう意味を持っているのか本質を知っている教師は少ない。

今日は教科書をじっくりと読み、「何を意味しているのか。なぜこの数値なのか。なぜここにこの適応問題を持ってきているのか」などを考えていこうと思う。

4年算数研究授業の定番「L字型の図形の面積」

4年生で1㎠がいくつかという広さのアイデアから
正方形や長方形の面積を公式で求めることができる。
その後に位置づけてあるのがL字型の図形の面積の求め方だ。

問題:次の図形の面積は何㎠でしょう。

L字型の図形

大体は次の3択に集約されていく。

①分割して足す方法
四角形(長方形)が3つあり、それをすべて足す。

②分割して足す方法
四角形(長方形)が2つあり、両方を足す。
(横分割と縦分割がある)

③全体から部分を引く方法
大きな長方形を考え、その面積から、一部の長方形の面積を引く。

このどの方法でもできるし、子どもたちにもさほど難しさはない。
つまり、どの解法でもよいと考えることができるのだ。

ここで注意したいのは、どの方法でも解きやすいL字型の図形を求めることがここの旨みではないという点だ。

たくさんでてきた解き方の中から適切なものを選択する力、それを選択したところには理由が存在する。そこにL字型の思考の本質がある。

だから、適応問題をして初めて、L字型の授業は完成するのである。

適応問題:次の凹型の図形の面積を求めましょう。

より簡単な方法を考えるときに、初めて、①②③のどの方法が適切なのかが生まれる。

ここで、子どもたちの考えが整理され、L字型で出した解法①②③のどれが適切なのか考え始めるのである。

そこに数学的な見方・考え方が表出し、よりより学びになるのである。

ということは、L字の段階から、子どもたちがアクティブに考えを巡らせる展開を創造したい。

授業を構成するのならば、
『始点は、長方形や正方形と仮定したら、公式が使える。』
とし、
『この間を先生はデザインして繋ぐ』
そのつなぎは、子どもたちを巻き込み、子ども自身の言葉から形成したい。
最後は、
『凸型や凹型の図形の面積をより簡単に求めることができる』
と着地するのである。

【結論】
適応問題を何させるかで授業が変わってくる。
逆に言えば、本活動が応用や活用できる適応でなければ意味がない。

最後に、
余談ではあるが、今回のL字では、数値設定を行っていない。
つまり、考え方だけに焦点化している。

もし数値を与えるならばどう考えると良いのか分析した。

なぜその数値なのか。

数値設定には理由がある。

①あえてたくさんの考え方を出させる
 例)24、6など約数が多い数字や重なる偶数などが用いられる
②あえてたくさんの考え方を出させない
 例)23、3などの素数や奇数などが用いられる

私は、L字の図形では、たくさんの意見を出させたい。
そして、正方形や長方形の形を見つけると計算することができるんだという考え方を基にして進める子どもたちにしたいと考える。

よって、スタートは
24㎠を用いた、L字型の面積を活用することが多い。
また、この実践は、紹介したいと思う。


(さるっち_白石圭祐@兵庫)

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