「朝の会 帰りの会」について part4
数回に分けて「朝の会 帰りの会」というテーマでお話させて頂いています。こちらからご覧頂けると嬉しいです。
これまでは、朝の会の目的やメニューについてお話してきました。
ここからは、帰りの会について考えてみます。当然、時間的な位置づけは下校前になります。プログラムの意図としては、
①一日の振り返り
②明日の活動の見通し
③授業で必要とさせる、あるいは授業で補完しにくい能力の育成があります。それぞれの項目について見ていきましょう。
①は、一日の振り返りです。朝に目標の確認をしている場合は、それが達成されたかどうかを確認することが有効です。また、その日の振り返りを日記に書いたり、スピーチでみんなに伝えたりといったことも考えられます。教師が、総括して子どもたちの様子の振り返りを伝えることも考えられます。
②は、活動の見通しです。明日ではないですが、その日の宿題について再度確認することをよくしていました。(特に低学年の場合)こちらは、伝えたつもりになっていても家に帰って、あれ?どうするんだろう?といったことがよくあります。それを少しでも防ぐために帰宅前にもう一度確認するのです。また、明日の持ち物や特別な活動の簡単な見通しを話すこともあります。朝の会で述べた意図と同じです。
③についても朝の会と同じです。しかし、帰りならではの活動としては、振り返りと③の項目を合わせた「認め合い」「褒め合い」といったものがあります。子どもたち同士でその日の行動を認め合ったり、褒め合ったりする活動です。教師が伝える場合もあります。代表的な実践は、菊池省三さんの「褒め言葉のシャワー」です。毎日、順番に対象となる児童が設定されており、朝にスピーチなどの活動をします。帰りにその児童をみんなで褒めるのです。このような活動は、子ども自尊心を向上させたり、子ども同士の繋がりを強化していきます。最後に、子ども同士で課題を伝え合うといった活動もあります。しかし、マイナスの状態で下校させるのは、あまり望ましくありません。プラスの状態で下校出来るためにも③のような活動の設定が望ましいです。もちろん、何度も述べていますが、目の前の子どもたちに合わせて活動を設定することが何より大切です。
<参考文献>
・『菊池先生の「ことばシャワー」の奇跡 生きる力がつく授業』 菊池 省三(著), 関原 美和子(著)講談社
・『「話し合い力」を育てる コミュニケーションゲーム62』 菊池省三 (著), 池亀葉子 (著), NPO法人グラスルーツ (著), 佐藤友美 (イラスト)中村堂
・『谷和樹の学級経営と仕事術』谷和樹(著)騒人社