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表紙多色刷り(多色印刷)も好き!

先日「表紙1色刷り(単色印刷)が好き!」という記事を書きました。

実は、多色刷りも大好き!!なのですが、1色刷りが多いのは主に経済的な理由によります。あんまり印刷代で無理したくない。

今回は、自著から多色刷りの本を紹介します。
販売中の本もあります。ご購入お待ちしております!!(笑)

「みんなの旅行記ができるまで」より

デジタル原稿で3色刷り「みんなの旅行記ができるまで」

多色刷りは、インクの色の数の白黒原稿を作成します。
例えば、旅行記の書き方アンソロジー「みんなの旅行記ができるまで」の原稿はこんな感じです。(赤文字は説明なので、実際の原稿には書いてありません。)

↑1版目:蛍光ピンクのインク用
↑2版目:金(赤口)のインク用
↑3版目:青紫のインク用

3枚のデータを印刷屋さんに入稿して、印刷してもらいます。

↑表紙画像のイメージ(PC上での色です。)
↑実際に印刷された本

金(赤口)はメタルカラー、ピンクは蛍光色が華やか。
表面に凹凸のあるマーメイド紙ですが、今回は背景が白い(ベタではない)ので、PP加工(表紙のフィルムコーティング)をしないことにしました。紙の温かみのある質感を楽しんでほしいと考えました。

委託販売の際に目立つように、蛍光ピンクの帯を作成。(帯の配布は終了)
印刷屋さんに帯の印刷を注文するときは、有料オプションでも「片袖折り加工」をおすすめします!
特につるつるした紙や厚手の紙の場合、たくさん折って本につけるのが大変です。コピー本を作るのに紙を折るのとは感覚が違って、厚手のものは5~6枚重ねて折ることができないし、真ん中でないところを折るのは難しいし…つまり、とても面倒くさい…。
片方折ってあると最初にサクッと表紙に差し込むことができるので、帯をつける作業が70%くらい楽になる気がします。※個人の感想です。

デジタル原稿で3色刷り「北欧日和」

3冊の旅行記を1冊の再録集にまとめるので、表紙はちょっとリッチに多色刷りにチャレンジ!特別感を演出!
黄色、使ってみたかったんだ!←本音
(白い紙に黄色1色だと絵や字が見えにくいので保留にしていた。)

表紙3色刷り(黒+2色)のセットを利用。黒を別の色に変更することもできるのですが、追加料金が…悩ましい…いやいや、黄色と黒、いいんじゃないの?銀色となじむんじゃないの?
色選びは、楽しい悩みですね!

黄色、銀色、黒の3色刷り。デジタルで原稿を作成。

アナログ原稿で2色刷り「ALL THAT JAZZ」

2002年発行(完売)

2色刷りにチャレンジ。赤い紙白インク→黒インクの順に印刷しています。白インクを使ってみたかったんだ!
注文書には色ケント(赤)とあるのですが、OKミューズコットンとかなのでは…?謎…。

ちなみに、ブロードウェイの天才振付師ボブ・フォッシーの作品を解説した本です。マニアック!

白インクは不透明とはいえ、真っ白に印刷されるわけではないのか(紙の赤の影響を受けている感じ)、これはこれで淡いピンクみたいに見える感じでアリかも、など様々な発見がありました。印刷してみないとわからない。

拡大すると、白インクの上に黒い絵が乗っているのがわかります。印刷でズレても味わいとなるよう、文字は全部印刷。インクの重なりもニュアンス的な…。
どちらのインクを先に印刷するのかが結構重要です。(くっきり見せたい絵は後に刷る。)

アナログ原稿のイメージ

どうやってアナログで原稿を作成していたかというと、原稿用紙(紙)を重ねてライトボックスで透かして描いていました。アナログですからね!
完成をイメージしながら描く!ズレの可能性も込みで描く!描き忘れのないよう注意して描く!(重要)

実際の原稿は白黒で作成します。
現在はスリムなLED式を使用しています。手頃なお値段。

昔は蛍光灯が入った箱状のライトボックス(なかなかのお値段)を使って、原稿用紙を透かして描いておったのじゃよ…。
それも買えなかった若き時代は、窓(太陽光)で透かして下絵を描いておったのじゃよ…。

私は年賀状印刷でおなじみのプリントゴッコや、図工の多色刷りなどの経験があり、子どもの頃から親しみのある技法でした。フルカラーとは違った面白さがあります。
現在はデジタルでレイヤーを分けながら作成すればいいし、楽に修正できるので、アナログ時代よりも肩の力を入れずに描けるようになったような気がします。その代わり、細部に凝り始めたら際限がない…。

トーンを使用して複数の色を混色して見せたり、あえて同系色で多色刷りをしたり、ハイセンスな多色刷りの表紙を作る達人もいます。
フルカラーとは違った表現、遊び心のある表紙ができるかもしれません。印刷屋さんに注文する醍醐味!
だいぶ頭をひねりますが、楽しいですよ~!

それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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