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講演録 「旅とジャグリング」について語るときに僕の語ること

 海外のジャグリングとか、僕自身の生活とかに興味があるジャグラーが、目の前に2、30人くらい、感じのいい部屋に集まっていて、そこで講演をしているような気分で、今これを書いています。不特定多数に書こうとすると、なんか気後れしちゃって、話せないことがいっぱいあるから。
 あなたがもし、この文章を最後まで、少なからず関心を持って読んでくれたとしたら、あなたは僕が想定していたお客さんです。「なんだ、全然思ってたのと違うじゃねえか」と思われたら、すみません。退屈させてしまって。
 でも文章のいいところは、いつでも読むのをやめられる、というところです。よろしくお願いします。

 で、もう頭の中ではみなさんが目の前にいますので、早速話を始めますね。

 「旅とジャグリングの雑誌:PONTE」という雑誌を出している青木直哉です。最近は紙媒体での雑誌を出していません。このnoteとメルマガ(WEBサイトから登録できます)は活発にやっています。
 また紙の本を出したいとも思っています。

 今日は「旅とジャグリング」について話します。

 一般的な水準からいったら、僕はかなり旅に出ています。
 僕はえー、横浜在住ですが、 2019年は、中国、沖縄、北海道、イギリス、台湾、博多、広島、岡山、神戸、淡路島、韓国と行っています。先々週も2週間かけて、釜山とシンガポールに行っていました。
 しかし僕もお金有り余っているわけじゃないので、やっぱりそれなりに考えてルート組んでて、航空券代は例えば今回の東京-韓国-シンガポール-東京なら、全部合わせて3,5000円でした。宿はなるべく、1泊800円ぐらいの安いところ。シンガポールでは1週間の間、友達のおねーさんの家にお世話になっていました。
 フリーランスなので、旅先でもほぼ普段どおりの量の仕事をしてます。

 なんかね、そのシンガポールの友達の家、4匹の猫がいるんですけどね。1匹、なんかものすごい元気な、白黒のブチの猫がいて、名前「ワアワア」っていうんですけどその「ワアワア」がね、すごいこう、僕に興味を持ってくるんですよね。で、お尻を撫でてやると、「ハワアアアアア」って素っ頓狂な声を出してほふく前進しだすんですけど。

 まぁ、結構、知り合いのお世話になって、外国に行くとね。

 普段は翻訳の仕事をして、なるべくお金使わないようにして、逆にここぞ、っていうときにはぱっとお金使っちゃう、みたいな生活をしているんですけど。(いちど、預金が53円になった)

 で、なにから話したらいいのかわからなくて、一応、僕今回「旅とジャグリング」っていうテーマだけを持ってきて、いま即興で話しているんですけど。どんなことに興味を持ってもらえるだろう?僕、油断するといかにも大事っぽそうなことを「しっとり」と言ってしまいがちなんだけど(笑)

 そうだな。

 いつ頃から海外によく行くようになったか。
 大学に入って初めて、台湾に行きました。ディアボロとジャグリングの大会に出ました。今の日本ディアボロ協会の会長、斎藤哲範さん、っていう人にいろいろお世話になって。マレーシアの大会にも出たりしました。台湾とかマレーシアって、中華系の人たちが熱心にディアボロをやっているんですよね。
 特に台湾には、それ以降よく行っています。

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(初めて台湾の大会でジャグリングをした時。2011年。)

 それに前後して、初めての本格的な海外の経験として、僕はイタリアのシエナという町に一年間弱留学をしました。これはジャグリング留学ではなくてイタリア語を勉強しに行ったんです。19歳から20歳にかけて。

 なんでイタリア語を勉強しようと思ったか。
 高校生の時に、黒田龍之助さんという、言語学者みたいな、なんだかよくわかんないけどたくさん語学エッセイを書いている人がいて、その人の本を読んで、外国語を勉強したくなったんです。英語以外の。
 その時点で、英語圏には行かなくていいや、と思っていた。外国で暮らしてみたいとは思っていたんですけど。
 大学で、授業を英語でやる学部に入ったのと、「どうせみんな英語圏行くじゃねぇか」という反発もあった。
 それに高校生の頃から結構英語だけは好きで、ちょっと得意だった。アルク出版っていう会社が出してる、English Journal っていう英語学習誌ですね、あれを毎月買ってて。ジョニー・デップのインタビューを真似してみたりだとかですね(笑)英語っぽい言い回しを英語話者っぽく言う、というのをやっていて、少なくとも周りよりはちょっと得意だったんです。といっても、まぁ帰国子女の人なんかと比べるとまるで下手なんですけど。いまだにね。でもさっきも言ったように、大学入ってからは授業を英語で受けていたので(といっても実は半分くらい日本語の授業だったけども…)まぁ一般的なやりとりが問題ないくらいには、大学が終わるまでに身につきました。今は、仕事として翻訳をやっています。

 えー、で、ね、シエナね、シエナ、イタリアのシエナに留学して。そこには、シエナ外国人大学、っていう、外国人が多くいる大学があるんですけど(イタリア人もいる)。シエナっていうのはものすごくいい町で。みなさんも、イタリアに行く機会があったら、本当に、ローマやフィレンツェを飛ばしてもいいから、シエナに行ってみて欲しいんですけど。
 町全体が煉瓦造りで。13世紀からほぼ街並みが変わっていない。世界遺産にも登録されているようなところで。

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(右は筆者の2011年の脚です)

 その留学中に、ヨーロッパのジャグリングコンベンションにもたくさん参加しました。イタリアの小さいコンベンション、イギリスのBJC、ノルディックジャグリングコンベンション(NJC)、イタリア最大の、ブリアンツァ・コンベンション。最後の締めで、EJCという、世界最大のジャグリングコンベンションにも行きました。その年(2012年)は、ポーランドのルブリン、っていうところで開催だったんですけど。
 そのあたりから、つまり2012年、急速に海外、と言うかヨーロッパのジャグリングシーンと関わりを持つようになりました。

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(イギリスBJC、2012年。筆者は一番左。のその右の人です。)

 で、僕は英語やイタリア語が結構話せました。そういう、コンベンションに行ったとき。結構な数の人と、より深いところまで仲良くなりました。家に泊めてもらったり、まぁFacebookでも、こういうのがあるよ、って頻繁に教えてもらえたりできました。そして僕も僕なりに、多くの情報を相手に返すことができました。

 これってすごく大事なことだと思うんです。相手にも同じくらい返せる、っていうこと。

 僕はこれ以降、海外のジャグラーと交流することが好きになりました。
 2007年から、つまり高校一年の時かな。EJC2006のビデオを観ていて、いつかこういう場所に行けたらいいな、って、「エマ・ワトソンと結婚したいな」くらいの、理論的には実現可能だけど、実際には不可能、みたいな感じで思っていたんですけど(笑)
 ついに、実現しちゃった、という感じですね。

 なんといったらいいんだろう、その時僕は、自分自身が「ヨーロッパのジャグリングシーン」に属しているような感覚を持ったんですね。今も少しそういうところあります。

 で、ですね。
 やっぱりある程度、深みのある話ができないと、属している感覚、ってなかなか湧かないですよ。僕はこれを先日の韓国でも感じました。僕、韓国語は全然話せないので、韓国のジャグラーと話していて、お互いの話が、英語とかちょっとした日本語とかで、ニュアンスでしか伝わらない。その結果、なんか、距離が縮まらないんです。
 決して敵意は湧かないですよ。あと、技を見せあったりとか、そういう交流もできるんですけど。でも、お互いに興味はあるんだけど、なんかこう、一番表面の皮の部分だけで触れ合っている感じがある。こう、思いっきりハグっ!みたいな、そういう関係にはならないというか(笑)
 僕、ヨーロッパの人たちとは、もう、誰彼構わず結構すぐにハグをするんですけど、まぁ、それはあれですね、あの、文化的な違いと、あとまぁ、これ、ただの比喩なんですけど。
 関心が薄いままなんです。言葉が通じない人に対して。

 だからここで少し前と話がつながるんだけど、僕にとって旅っていうのは、なんか、「未知の美しいものに出遭う」とか、「自分探し」とか、「修行」とか、そういうタイプのエキサイトメントじゃなくて。
 旅は、単に、「言葉が通じる人たちに会いに行って、一緒に話したい」っていうことなんです。「久しぶりに会おうよ」って言って、たとえば広島行く感覚なんです。で、たまたま僕はジャグリングやっているんで、だから自然とジャグリングのコミュニティの人たちと関わることが多い。

 これこそが、僕にとっての、旅とジャグリングです。

 僕が「旅」というワードと、「ジャグリング」というワードをこう机に置いた時、じんわりイメージされるのは、そういうことです。
 「外国語」というのも実はかなり密接なキーワードです。

 で、今想定しているオーディエンスのあなたが、海外に興味のあるジャグラーなので、その、今目の前にいらっしゃるそういう方々に向けて、僕は覚悟を決めて言うんですけども、やっぱり、本当に人と交流する、となったら、英語とか、なんでもいいんだけど、お互いに通じる言葉、そしてできればその人たちの「母語」が、ある程度喋れないと、「溢れんばかりの楽しさ」を見出すことは難しいと思うんです。
 僕は今、すごく、韓国語を勉強したいなー、とか、スペイン語勉強したいなー、とか思うんです。そういう理由で。外国語はそもそも好きなんだけど、その中の方にある実利的な理由としては、こういうことがある。

 でも全然サボっちゃうので、これ、僕自身に対するハッパでもある。

 「言葉、学ぼうぜ」

 っていう、それを、こういう話を聞いてくださる方々に、言いたい。

 で、自分自身、いや、本当に、そうだな、めいっぱい、言葉を学びたいと思います。自分にこういうことを言われると。

 というわけで、なんだかあっという間ですが。いったん、僕の話はこれで終わろうと思います。なんだか、もっと話したいのですが、いかんせん、今からジャグリングの練習をしにいきたくて。
 これから、このnoteの、マガジン、っていう機能があって、自分の書いたものや人の書いたものを編集して一つにまとめられる機能があるんですけど、ここで、えー、「旅の哲学」っていうまたなんか、適当な名前のコーナーを設けたので、そこをご覧になってくだされば、こういうことを読めると思いますので、もし関心ある方は、そこで引き続き、お付き合いください。それでは、ありがとうございました。行ってきます。

(この文章は、ジャグラーのまゆこさんが企画してくださった、ジャグリングAdvent Calenderという企画のために執筆されたものです。)
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旅とジャグリングの雑誌 PONTE( http://jugglingponte.com )編集長です。特に統合性なく、頭のなかをここで形にしている。アウトプットしてから離れて見てみると、それがいくつかジャンル分けできるので、その通りにマガジンにして分けています。

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