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結婚して20年を越えて初めて見た嫉妬心むき出しの夫

別な記事にも書いたけど、うちは敷地内同居で夫が単身赴任。
単身赴任ではない時期で、結婚した年の暮れには姑の精神病の症状がひどくなり、「新婚生活が甘い」なんて誰が味わって決めつけてんだ?という生活がずっと続いて今に至る。


夫の職業は、転勤もあるしカレンダー通りでもないし、配属先によってはテロや災害などがあれば家族とは一緒にいられない。
(警察など公務員ではないです)

だから、副業を正式に会社側でOKという発表をしたのもつい最近の話。
しかも届け出が必要だし条件が厳しい。
もう「副業なんてさせねーぞ」とはじめから圧かけているのが見え見え。

それでも副業をやるというならば、アフィリエイトや広告収入が入るどこでもできる何かぐらいしかない気がする。

あとは投資してお金を増やすとか不要品をメルカリで売るぐらいしかないのではないかな?

子供は小さいころ、誕生日ケーキのろうそくをふ~したとたん、お父さんが急に仕事に出かけていってしまったことを20歳を過ぎても覚えている。

東日本大震災の時は連絡も取れないまま4,5日経過した。
そのかわり、マイホームのある場所の支店の人が仕事中に自宅に来てくれて、口頭で「ご主人は無事で、緊急対応に当たっていますので安心してください」とだけ伝えにきてくれた。

夫が戻ってくるまでの間、子供二人とパニックになっている姑と、姑が手に負えなくなって家でぼーっとしている舅の世話を全部ひとりでする羽目に。

今後南海トラフ地震など大災害があれば、たとえ勤務地が影響を受けない地域だったとしても、夫は仕事に向かうはず。

能登の地震の時も、一緒に車で遠出していた中で起きたから、私だけバスや電車で家に帰らなくてはいけないかもしれない話にまでなって、路線図や交通情報を確認していたぐらい。(結局この時は一緒に帰ることができた)

こんな勤務体制だから、逆にそれでも副業をしている人がいたらぜひお話を聞きたい。
(投資をしている人はいるが、それ以外でお金を増やしている人はいないっぽい。それかよっぽどうまくやっているか)

いろいろいろいろあるけれど、夫の両親や兄弟は好きになれないが夫のことは嫌いになるということがない。

「なんでそうなの?」と思うことはたくさんあるし、喧嘩もする。
夫が舅の顔に見えて具合が悪くなることもあったが、夫自体は嫌いになったことはないし、こんな私が嫁になってしまったことを申し訳ないとも思えるぐらい、器が広い人だと思っている。

その「器が広い人」だと思っていた人が、古物市場で激変した出来事があった。


単身赴任の夫が休みで自宅に戻ってきている日と、私が古物市場に仕入れに行く日がかぶっていることがある。

そういう時はたまに、付添い兼運転手という名目で古物市場に一緒に行くことがある。

会費は二人分支払う。

こういう時は、私が一人で運ぶのが大変な大きなものや重たいものを中心に落札しても夫が運んでくれるので助かる。

私としては、夫に会社勤めだけでは見ることのできない光景を見せることで、息抜きにもなり刺激にもなって良いと思っていた。

夫も目をキラキラさせて「ナニコレ?」というものを眺めているし、終了後はあーでもないこーでもないと話すことも広がって楽しそうだし。

この時も同じように一緒にいて競りが終了。
夫が運転で片道3時間かけて自宅へ戻る。普段は私一人で往復6時間かけているので、運転までしてもらえて話し相手もいるのでありがたいなと思っていたのに、私が話しかけてもなぜか一言も話さない。

「ねぇ、聞いてる?」と聞き返すと「うん」とだけ。

ひたすらひたすら黙って運転してくれている。

私も機嫌とるのも嫌になって話すのをやめた。

こんなこと、付き合ってから結婚して20年越えたこの時まで一度もなかった。

なぜこの人は、黙っているのだろう??????
よーくよーく考えてこの時の競りの様子を振り返った。

思い当たることが一つ。

アンティークショップで人気の、程度のいい大型家具が競りにかけられたときのこと。

私は大型家具はいつも眺めて落札額をメモして終わり。
ちょっとした本棚や小引き出し、ちゃぶ台ぐらいは購入するけれども、ハイエースや引っ越し用のトラックぐらい大きい車も持っていないし、一人で管理するのは難しいので手は出さない。

この時、大型家具を立て続けに落札した人は30代前半の男性だった。

あっという間にこの男性の落札金額は100万円を超えた。
精算は現金のみなので、この日の男性は100万円以上現金を持ち歩いていることになる。

私は特にいつものやり取りだと思って見ていたが、このやり取りを夫が私のそばで見ていて
「若いのに、あんなにポンポンと100万超える買い物ができるのすごいね」
といったのを最後に、会話がなくなったことを思い出した。

ははーん。
さては嫉妬があふれ出て黙りこくったな。

そう察知したものの、
「もしかして、やきもちやいてるぅ??」などと冷やかしみたいな態度をとったら、きっと逆切れするだろう。

だから、あえて私はどうして黙っているのかわからな過ぎて困惑しているという演技をすることにした。

ひたすら車の窓に流れる景色を見て、窓ガラスに「困ってます私」という顔を映し出すように黙る。

途中の小休憩もひたすら黙る。
夫も一切話さない。そっちがその気なら私も黙るよ。
だって、私が一方的に温度を上げてキレだすとそれは自分に返ってくるからね。
前みたいになっちゃう↓(過去note参照)

一言も話さず自宅に到着。
罰ゲームのような3時間だった。

「運転ありがとね」とは言ったけど、夫は黙ったまま。
ま、家に帰れば車内よりも自由なので夫は放置で家事なり仕入れたものの仕分けなりしますよ。

と思った矢先、家の中に入ってきて落ち着いたと思ったら

「じゅでぃい、吞まないか。今。ビール」

と3時間ぶりに話しかけてきた夫。

私:「は?ここで良いよと私が言うと思う?私が何も言わなくてもあなたが黙っていた理由を悟っていてわかっているだろうと思われても困るなぁ」

と、わざとニヤニヤニヤニヤして言ってみた。

夫:「わかってるだろ?本当は・・・。すいませんでしたっ!」

と頭を下げてきたので、ビールを飲みながら互いにあれこれ思いを打ち明けることにした。

やはり、私の予想は的中していて、「大型家具連続落札ヤングマン」を見て嫉妬心が芽生えたら抑えられなくなって、逆に黙るしかなかったとのこと。

夫は背負っているものが多すぎるし大きい。
ローンもそう。両親や子供の心配など悩み事も尽きない。
単身赴任を選んだことで、年を重ねるたびに孤独や虚無感も増してきたようだ。

だから、「大型家具連続落札ヤングマン」と自分を比べてしまい思考が負のループにはまってしまったみたい。
夫がこのヤングマンと同じぐらいの年齢のころには、すでに結婚して子供もいて自分の母親もおかしくなっていてしっちゃかめっちゃかだったし。

好きなことをして生きていて、資金にも余裕があるような生活ができているように見えたヤングマンがうらやましくなったみたい。

気持ちは分かった。理由もよくわかった。

ただ、そんな夫を支えていると思っている私の立場は一切無視ね。

なぜ外で働くことを選ばず個人事業主になったのか。
これは一番誰よりも夫がわかっているはずだし、夫しかわからないはずだし、夫を支えるためにもこの家を守るためにも、もちろん私自身のためにも家でお金を稼ぐことを選んだのに、この態度はないわー。

さぁ。次は私の反撃の番。

私:「そんな思いをさせてしまい、申し訳なかったね。今後はもう一緒に市場に行くのはやめようね。ごめんね。次回私の仕入れ日とあなたの帰省が重なっても私一人で行くから、家でのんびりしていてね」

夫:「いや、そういうことでは・・・。俺も古いもの大好きだしあの雰囲気の中にいられるだけでも楽しいし刺激になるからそんなこと言わないでよ」

私:「あのね。あなたは「大型家具連続落札ヤングマン」の仕入れ額を計算して羨ましがってるかもしれないけれども、その金額よりも少額であっても私は本気で仕入れに来て競りに参加しているの。あの競りに参加している誰もが本気で物を見て判断して声を出すか出さないか、いくらまでならいけそうかとかいろいろ考えて大声出してるの。これは私の仕事なの。数千円数万円の仕入れでも、数十万数百万でも本気なのは同じなの。私は仕事で行ったの。あなたはあくまで付き添いなの。仕事している人を嫉妬で困らせる付添人って何?」

もう運転していないし、気が抜けてビールもロング缶一本飲んだぐらいでいい感じに酔っぱらったから私も思いをぶつけてみた。

夫:「そうですよね・・・。今回は完全に俺が悪い。ごめん。ほんとごめん」

私:「(笑)いいよ。あなたのああいう態度を見るのは初めてだった。相当思うことがあったんだろうね。悪いねいつも。」

ということで、ここで和解をしたということにしている。


「和解をしたことにしている」というのは、いったん区切りよく今回の件について終わりにしたということなだけ。

夫はちょいちょい物販で収入を得ている全世界の人を敵に回すような発言をしていることに気が付かないから。

物を自力で売ったことがないくせに、アドバイスしてくるから。

サラリーマン的思考にどっぷり偏っていることを自覚していないようだ。

「その意見は違うと思う」なんて力んで反抗するなんて無駄だと最近思うようになったから、さっさと線を引く。

20年以上一緒にいてあんな態度の夫を初めて見るくらいだし、私だってこうしてnoteを書いていることは夫には内緒にしている。

長くいればいるほどお互いのことを知ることができるなんていうことはないんだなと改めて感じた出来事。

夫が「大型家具連続落札ヤングマン」を見て嫉妬したのとおなじように、先日私は古物市場で惨敗をして悔しさとむなしさがあふれ、帰宅して一人やけ酒をした。

自宅の子供部屋をつぶして仕事部屋にしているような人間も、全国何店舗もあるような店のバイヤーも、老舗の骨董屋も同じ土俵で戦う。
どうしてもほしいものがあれば、儲け度返しで競りあがるしかない。

私にはそれができないのです。
この人たちに勝つには軍資金が少なすぎる。
数十万程度では勝てない。

夫は悔しがったって会社員なんだから立場が違う。
本当は夫より私のほうが悔しさをむき出しにしてもいいくらいなのに。

大型家具から赤ちゃんのものから軍隊物からエロ系、だれが書いたかわからない落書き帳に紙切れ一枚までなんでもあり。

でもこれらに価値があるから競り勝つものと競り負ける者がいる。

自分で決めた道を歩んでいる途中で、悔しいなんていう感情が湧き出たなんてものすごく久しぶりだった。
自分のことはほとんど後回しで子育てや嫁仕事に全振りしていたから。

「あ、私、悔しがってる」

と気が付いてちょっとうれしかった。

明日は久しぶりに夫が家に戻ってくる日。
夕飯は何作ろうか・・・。










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