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群盲象を評す

【10年目の現状】 10年前、福島県は、地震と津波という震災に加え、原発事故に見舞われました。  どちらも、私自身は直接的な被害をさほど受けませんでしたが、そう遠く離れていない場所で発生した大きな被害は、私と無関係なものではありません。  福島に限らずですが、震災が引き起こした甚大な被害は、10年たった今でもまだまだ回復したとは言えません。また、196人の方が行方不明のままであり(震災全体では去年の数字で2529人)、福島県警では今でも毎月11日前後に捜索が実施されていま

    • 備忘

       自分のブックマーク代わりの記事です。  Twitterでのやり取りは腰を据えてやるタイプなので、結構時間と労力がかかっている。  なので、ただ流れるのももったいなくて、時々備忘をRTの形で取っているんだけど、それも流れてしまうので、ここにまとめて置かせてもらいます。

      • 社会と「正しさ」についても考えてみた

        ※ ちょこちょこ修正するかもしれませんが、丁度10年前に書いたもの、ということでとりあえずアップします。 《再掲に寄せて》    この記事も10年前の3月10日、つまり東日本大震災の前日にブログにアップしたものの再掲です。    こちらは、前の記事で出てきたハブハンさんの話の中に『社会的に正しい』というフレーズが出てきたのでそれに言及したものです(再掲にあたっては、ハブハンさんのみへの返信となる箇所は割愛しました)。  ところどころ論旨が飛んでいるところもありますが、それは

        • 科学と「正しさ」について考えてみた

          ※ 今後ちょこちょこ修正するかもしれませんが、丁度10年前に書いたもの、ということでとりあえずアップします。 《再掲に寄せて》    この記事は10年前の3月10日、つまり東日本大震災の前日にブログにアップしたものの再掲です。    当時、「ニセ科学批判」界隈で耳にした『科学的に正しい』というフレーズに違和感を持っていた私が、それについてハプハンさんという方への返信として書いたものです(再掲にあたっては、ハブハンさんのみへの返信となる箇所は割愛しました)。    それから1

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        群盲象を評す

          外側の人の甲状腺検査批判と福島の現実

          ~この記事について~ これは震災後ほぼ7年後『王様は裸だ!Annex』に投稿した記事を再掲します。  話題は、福島県で実施されている県民健康調査の1つ、子供対象の『甲状腺検査』についてです。  この頃(いやもっと前かもしれないが)菊池誠氏とかその周辺で『甲状腺検査』批判が巻き起こっていました。  すごくとんでもないことを言ってるわけではなく、そこそこ筋は通った主張ではあったんですが、なんというか、『福島の現実』を対象に話をしているのではなく、自分が勝手に解釈した「福島」や「

          外側の人の甲状腺検査批判と福島の現実

          原発事故での死者はいないのか ~kikulog『再起動』考・番外編~

          ~この記事について~ 『王様は裸だ!Annex』で東日本大震災の5ヶ月後にアップした記事の再掲になります。  先に再掲した『電気クレクレ教の歪んだ教義』の続きですので、未読の方は出来ればまずそちらから。  その当時、「原発事故の影響なんて無い」という(おそらく県外人の)発言にイラついてましたね。もちろん、逆の内容で脅かす人にもイラついてましたけど。  それでも、専門家が矜持と責任感を持って言う分にはいいんだけど、ここで紹介した人達は(おそらく)ただの素人であり部外者なんだよ

          原発事故での死者はいないのか ~kikulog『再起動』考・番外編~

          電気クレクレ教の歪んだ教義 ~kikulog『再起動』考~

          ~この記事について~ 東日本大震災の5ヶ月に『王様は裸だ!Annex』に投稿した記事を再掲します。  これは、菊池誠氏が震災の2ヶ月後に出した『再起動』というタイトルの記事の批判になります。詳しくは読んでもらえれば。  何せ10年前に書いたもので、何故かインタビュー形式にしてみたり、変なキャラ付けをしてたりで、今読み返すとこっ恥ずかしいところもあるんですが、「本当に腹立ってたんだなぁ」というのがよく現れている気がしますので、そのまま掲載します。  彼の記事のほぼ全文をく

          電気クレクレ教の歪んだ教義 ~kikulog『再起動』考~

          あの日から7日

          ~この記事について~ 東日本大震災の発生とその後の原発事故について、間もない時期に書いたものです。  今でもこれを読むと、当時の様々な感情がよみがえります。  他の記事とはかなり毛色が違いますが、個人的にどうしても残しておきたかったのでnoteに再掲します。  ちなみに令和3年2月13日23時、また震度6の地震に襲われました。東日本大震災の余震とのことで、あの日からの出来事は、原発事故を含め、まだまだ終わらないようです。   ~当時の記事はここから~ これを書いたから

          あの日から7日

          真実テスト法

           物理学者R・P・ファインマンの『科学は不確かだ!』には、相手の主張の信頼度を測るための「真実テスト法」が紹介されています(実際はその1とその2があるんですが、今回はその2を割愛)。  非常にシンプルな上に汎用性が高い(例えばセールストークをかけられた時にも有効)ので、ぜひ活用して欲しいです。  その第一はある考えを説明しているご本人が、はたしてその内容をほんとうに把握しているかどうか、多少は根拠をもっているかどうかということです。  僕がその判断に使うコツは簡単しごく

          真実テスト法

          トンデモ話検出キット

           これまで色々な「議論をすり替えたい人がよくやるパターン」を紹介してきましたが、『カール・セーガン科学と悪霊を語る』で紹介されているこれは、それらの総集編と言ってもいいでしょう。  ネットに流れる情報や主張、あるいは政治家の答弁といったものについての「確からしさ、誠実さ」を推測するツールとして、ぜひ覚えて帰って下さい。  ちなみに紹介する中の〈わら人形〉なんては、今やネット議論では頻繁に使われる用語になっているけれど、これらの用語を「印象操作」のために使っている人も少なく

          トンデモ話検出キット

          懐疑的思考のための道具

          (『王様は裸だ!』本館より) 【概要】  懐疑的と否定的は異なる。  否定的というのは、はなから『全く同意できない、したくもない』という立場を取る事であり、懐疑的であると言うことは,『同意するに値するかどうかの根拠』を求める結果として疑うのだ。  正しく懐疑的であるためには、『何が足りなくて疑っているのか』、『何をクリアすれば疑いが晴れるのか』を自ら理解していないといけない。 【引用】  懐疑的思考とは、筋の通った議論を組み立てたり、それを理解したりするための手段であ

          懐疑的思考のための道具

          オルグにおいて、相手側から攻撃を仕掛けられた場合の対処法

           皆さんは『オルグ』とは何か御存知でしょうか?  ある年代の人は知っている人が多いと思いますが。  オルグとはorganizerの略。本来の意味は「大衆や労働者の中に入って、政党や組合の組織を作ったり、その強化や拡大をはかったりすることや人」を指します。  まぁ、特にに日本においては「共産主義」を掲げる人達が一般の人達を組織に入れ、共に活動するように説得する事を『オルグ』と呼ぶようです。  ぶっちゃけ、そもそも思想というものは正誤・優劣が付きにくいものです。  それなのに

          オルグにおいて、相手側から攻撃を仕掛けられた場合の対処法

          ホロコースト否定論の方法論

           マイクル・シャーマーの『なぜ人はニセ科学を信じるのかⅡ』では、ホロコースト否定論(ナチスによるガス室等を使用した大量殺人〔ホロコースト〕は、実際に無かったという主張)や創造論者(進化論を拒否し、神が創りたもうたとする創造論は科学的と主張し、進化論を教えない、あるいは「創造論」と一緒に教えるべき、と主張する人)において、類似する方法論を使用しているという指摘をしています。    それらの方法論は、ホロコースト否定論者や創造論者に限らず、『質の低いネット議論』にも受け継がれてい

          ホロコースト否定論の方法論

          彼らとの論争における注意点

           マイケル・W・フリードランダーによる「きわどい科学」には、『疑似科学を信じている人と論争する場面』での注意点が示されています。    SNS上での論争においても、「疑似科学レベルの不確かな結論を、疑似科学を信じている人レベルで強弁する人」に出会う確率はそう低くは無いでしょう。  そして、そういう人は「疑似科学を信じている人レベル」の議論の混ぜっ返しを試みようとしがちです。    例えば下の記述における「科学」を「情報」に置き換えることで、そんな場面での処方箋となるかもしれま

          彼らとの論争における注意点

          まぎれもない疑似科学の連中の偏執的傾向が現れる5つの特徴

           マーティン・ガードナーの『奇妙な論理』は、疑似科学やオカルト的論法を語る際の基本の教科書的存在とも言えるかなり有名なものです。特にこの「まぎれもない疑似科学の連中の偏執的傾向が現れる5つの特徴」は様々なところで引用される名句。    とはいえ、これに当てはまる言動を取る人は「疑似科学以外の話題」においても存在しますよね。  なので、「実際は根拠が足りない主張なのに、絶対に正しいと思い、他人にもそれを認めさせようと固執する人の5つの特徴」と言い換えてもいいかもしれません。

          まぎれもない疑似科学の連中の偏執的傾向が現れる5つの特徴

          見当違いの原因を信じ込んだり、証拠だてようとする人々について

           安斎育郎さんの本『霊はあるか』で紹介されていた話を紹介します。 科学者ファラデーが、テーブル・ターニング現象(日本で言うこっくりさん)の科学的な解明を『ザ・タイムズ』に掲載した文の結びに書いた文章の引用(孫引き)です。  『王様は裸だ!』で紹介した当時は『疑似科学を信じている人と論争する場面』を想定した解説を付けていましたが、noteバージョンでは新たな解説を書いてみました。  私は、この純物理学の実験によって明らかになった一般の人々の意識状況に大変驚かせられました

          見当違いの原因を信じ込んだり、証拠だてようとする人々について