彼らとの論争における注意点

 マイケル・W・フリードランダーによる「きわどい科学」には、『疑似科学を信じている人と論争する場面』での注意点が示されています。
 
 SNS上での論争においても、「疑似科学レベルの不確かな結論を、疑似科学を信じている人レベルで強弁する人」に出会う確率はそう低くは無いでしょう。
 そして、そういう人は「疑似科学を信じている人レベル」の議論の混ぜっ返しを試みようとしがちです。
 
 例えば下の記述における「科学」を「情報」に置き換えることで、そんな場面での処方箋となるかもしれません。

1 批判は100%正確でなくてはならない。
 頭に血が上った科学者が間違いを犯して、それがその後の議論の焦点になってしまい、本来の主題から注意が逸れてしまう事があまりにも多すぎる。
 ちょっと間違っているところはあるけど大きな反撃を加えたことになるより、完全に正確であるほうが好ましい。

2 どうも疑似科学寄りに見える人が科学文献の引用を持ち出した時には、その引用が正確だと信用してはいけない。
 そのような引用は、専門家も支持していると見せかけるために出しているのだ。必ず確かめて見ること。
 引用が不完全だったり、恣意的な選択がなされていたり、歪曲されていることが往々にしてある。

3 正当科学の側からの言い分を誇張しすぎてはいけない。
 科学は完結していないこと、たとえ大筋では受け入れられていても、(進化論の例のように)まだこれから埋めていかなければならない溝があることを認める用意が無くてはならない。

4 科学として優れたところがありそうなものであれば、どんなに過激なアイデアでも歓迎してきたことを示す反証を持ち出せなければならない。

5 証拠をつきつけられたら、その信頼性を検証する事。
 他に中立な立場の目撃者がいたか?それは繰り返し起こったか?対照実験はおこなっているのか?

※ マイケル・W・フリードランダー:「きわどい科学」より


(「王様は裸だ!」の記事を改変してお引っ越し)







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