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フレデリシア社(Fredericia)とボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)

柔軟な考えでデザインの幅を広げ続ける名門フレデリシア社(Fredericia)とボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)の運命的な出会いが北欧家具を飛躍的に発展させました。

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「フレデリシア社(Fredericia)」は、名作を生み出してきたデンマークの名門家具ブランドです。1955年、当時新進の建築家であったボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)をデザイナーに起用してから「フレデリシア社(Fredericia Furniture)」は一気に業績を伸ばし、ボーエ・モーエンセンのキャリアを語る上で重要な作品を次々と製品化し、北欧家具業界に大きな存在感を示しました。
いまでも若手デザイナーの育成を積極的に行い、時流に合わせた新しいデザインを次々と生み出し、国境を越え、わたしたちの生活を豊かにする美しく機能的な家具を作り続けています。

ボーエ・モーエンセンは、デンマーク・デザインの礎を築いたコーア・クリント(Kaare Klint)の愛弟子であり、ハンス・J・ウェグナー(Hans J.Wegner)の大親友でもある20世紀を代表するデザイナーの一人であります。デンマーク生活協同組合連合会(FDB)家具部門初代代表を務めた後、独立し新たな創作の道を探っていたときに、意気投合したのがフレデリシア社の先代アンドレアス・グラヴァーセン(Andreas Graversen)であり、二人は長い間信頼関係を築き、デンマーク・デザインの見本となるような「人の生活を守る」という意識の高さが感じられる数々の洗練された名作椅子を生み出してきました。

名作Sofa 3-seater 2213は、コペンハーゲン郊外の自邸のためにデザインされたボーエ・モーエンセンの代表作です。

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自分の作品を少しずつリ・デザインして新たな息吹を吹き込むことにかけては、類まれな才能をもっていることは、彼の代表作「スパニッシュチェア(Spanish Chair)」やピープルズ・チェア(みんなの椅子)と呼ばれる「J-39」からも分かります。そんな彼が「作った家具の使い心地を確認するには、自分で実際に使ってみるのが一番」という考えから、コペンハーゲンの北部、ゲントフテの自邸のためにデザインされたSofa 3-seater 2213。そのソファは、ボーエ・モーエンセン自身や家族で愛用されるだけの家具にとどまらず、1962年の誕生以来、世界中で愛される名作となりました。

使う人の立場になって心を砕き制作をを続けてきたボーエ・モーエンセンらしいミニマムな機能美から生み出される、上質な佇まいと快適を追求したデザインが、ソファに座る人の心を豊かにし、世界中の上質を求める多くの人々に愛され続けている理由です。

ボーエ・モーエンセンらしい、シンプルでクラシカルな佇まいと最高の座り心地が好まれ、日本では海外からの賓客をお迎えする国家の顔である「京都迎賓館」でも彼のデザインした家具が愛用されています。

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細部にまで熟考し尽くされた構造と素材。体に馴染む高品質でしなやかな革(レザー)が実現する最高の座り心地。

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横幅は220cmと通常の3人掛けよりもゆとりがあり、大人が3人で座っても十分くつろげます。またクッションは分割式になり、横に人が座っても干渉を受けにくくなっています。
背面はハイバックで頭を預けることができるので首への負担が軽減されると同時に、アームの位置が背面よりも低くデザインされているので、アームに腕をのせた際に肩が持ち上がらず、くつろぐことができます。またアームには薄いクッションがセットされており、この薄いクッションがあることで、本体のアームが傷む原因を軽減しています。
クッション中身は最上級のフェザーとダウンに高品質なウレタンチップを混合し、適度な安定性とクッション性を実現しています。
最高級の座り心地を生み出す要因として大きな役割を果たしているのが、体に馴染みやすいしなやかな革(レザー)へのこだわりです。この革(レザー)の品質を保持し続けるための努力をフレデリシア社は怠りません。それはフレデリシア社がボーエ・モーエンセンの精神を今に受け継ぐ証でもあります。

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海外からの賓客をお迎えする京都迎賓館にもボーエ・モーエンセンの精神が宿っています。

2014年に京都迎賓館にボーエ・モーエンセンがデザインした「Easy chair 2204」「Sofa 2-seater 2332」「Sofa 3-seater 2333」「Easy chair 2334」が導入されました。座る人の事を第一に考え、採寸にこだわり丈夫で使いやすい機能美を兼ね備えたデザイン、シンプルで直線的なデザインだが座る人の手に触れる面へのデリケートな配慮などボーエ・モーエンセンの細部へのこだわりが時代や流行の変化や国境を超えて多くの人に愛され続けています。

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